御伽噺を翔ける魔女/山本風碧


御伽噺を翔ける魔女 (ビーズログ文庫アリス)
御伽噺を翔ける魔女 (ビーズログ文庫アリス)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2017年1月刊。
面白かった〜!
童話×謎解き×デスゲームの異世界トリップファンタジー。
バラバラになった童話の世界に送り込まれた主人公は、そのタイトルを突き止め、物語を正しい結末へと導かなければなりません。もしミスをしたら自分が死ぬけれど、アレンジを加えるのはOKというルール付き。
そんなルールに戸惑う彼女の前に現れたのは、森の中で迷子になっている謎の美少女。
さぁ、この美少女は一体ダレでしょう?
7つのルールに基づき童話を再構成するストーリーにワクワクしつつ、少女小説らしいラブロマンスも堪能できる作品でした。
ここで終わっても綺麗かもしれないけれど、続刊を熱望しています!

☆あらすじ☆
本嫌いの少女が旅する、童話ファンタジー開幕!
古い童話本を壊してしまったユウキは、構成もバラバラな上、人物だけがモノクロになった欠損だらけの世界に飛ばされた!
ここを“誰もが知る童話”に修復しなければ、戻れないという。
手がかりを探すユウキは、やけに口の悪いお姫様・クリスと出会い……!?
本嫌いの少女は物語の正体を解き明かし、正しい結末に導くことができるのか――?

以下、ネタバレありの感想です。

 

古い童話本「御伽噺奇譚」を破損した女子高生・ユウキは、学生服姿のクマ頭・グリムによって、バラバラになってしまった童話を、物語の中から修復するように命じられる。

グリムが与えたルールは7つ。要約すると、

1.バラバラになった童話を特徴的要素から再構成し、物語の完結を目指すこと。
2.この物語は有名な童話。
3.ユウキも登場人物の役割を振られている。
4.話の順番が入れ替わっているかもしれないが、時間は巻き戻せない。
5.出会ったすべての人物に意味がある。
6.物語の世界には何らかの欠損があり、ストーリーが進むと修復される。
7.致命的な手違いが起こった場合、ユウキは死ぬ。ただし脚色・アレンジはOK。

このルールだけで何やらワクワクする気持ちが止まりません。
いや、「ユウキの死」がルールに盛り込まれているので紛う事なきデスゲームなのだけど、それでも童話クイズと聞くと「当ててやるぞ!」という思いが高まるんですよね。
まぁ童話のタイトル自体はあっさり当たりをつけられてしまうのだけど(欲を言えば引っかけが欲しかったかな)

 

そんなルールを抱えて、おとぎ話の世界に送り込まれたユウキ。
見知らぬ森の中で出会った美少女・クリスを助けたユウキは、彼女がどの童話の誰なのか、何をすれば結末に辿り付けるのかを必死に考えるのです。

 

クリスの正体については口調や態度でピンとくるものがあったものの、そうすると、当たりをつけた童話のタイトル的にどうなの??という疑問が生まれ、その解消方法がなかなか面白い。
クリスの正体を手始めに謎が謎を呼ぶ展開を繰り返しつつ、ルール全てをフルに活用しながら、本作は新たな童話を作り上げていくのです。

特に、「ユウキも登場人物のひとり」、「物語世界が抱える欠損」、「アレンジOK」の使い方が楽しい。
アレンジしまくりで最終的には要素しか残っていなかったけれど、要素さえ残っていれば元の童話の面影もみえるものなんだなって感心しました。

それにユウキに振られた役割をめぐるミステリーもなかなか面白かった。
答えを知ってちょっとズルいと思ったけれど、ルールに一人一役なんて書いてないところがまた小憎たらしいw

 

そういえば、欠損のルール絡みでみると表紙絵は割とネタバレだったんですね。
おかげで途中で察するものがあったけれど、まぁこれは仕方ないかなぁ。

 

童話ミステリとしても良かったけれど、ラブロマンスもとても素敵でした。
ふたりきりのサバイバルとか、突然相手を意識しはじめるとか、甘酸っぱさにニヤニヤ止まらない〜!
隣で眠る彼女を意識して悶々とする彼の、ちょっとカッコつけなところが可愛い。
クライマックスの展開もときめきいっぱいで楽しかったです。

 

・・・・・・でもなぁ、このラストは少し切ない(´・ω・`)
死のルールをこんな形でラブロマンスに生かすとは。
ユウキと母の物語としては優しい結末で良かったし、この寂しさの残る読後感も決して悪くはない。彼の選択自体はとても優しいものですしね。
とはいえ、私はヒロインがヒーローと幸せになる未来がみたいと思わずにいられないのです。

 

哀しいけれど元々世界の違う人だし無理なのかなぁ、再会できるような続きはないのかなぁ・・・・・・と思ってカクヨムをのぞいたらあるじゃん続き!!

御伽噺を翔ける魔女(カクヨム)

ユウキの物語がしっかり続いているじゃないですかー!
しかも彼のもとに行こうとしているだと? 素晴らしい展開ですね??

読後に残った寂しさを埋めるために、とりあえずカクヨム版に手を付けようと思います。

 

でもぜひ続きも書籍化してほしいな!
あきさんの美しいイラストでこの物語の続きを読みたいのです。期待しています。

 

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