堀川さんはがんばらない/あずまの章


堀川さんはがんばらない (角川ビーンズ文庫)
堀川さんはがんばらない (角川ビーンズ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2016年10月刊。
面白かった〜!
できるだけ省エネで生きていたい女子高生が、頑張らない方向に頑張っていく物語。
序盤は驚くほどに無気力なヒロインなのだけど、廃部寸前の弓道部に入った理由が彼女の分かりにくい優しさそのものでグッときました。
部活仲間や女友達との絆が実に青春していて気持ちよい作品。
恋愛色はあまりないものの、ほんのりとした甘酸っぱさを堪能したので満足です。
それにしても弓道って読んでるだけでも格好いいものなんですねぇ。

☆あらすじ☆
「先輩、弓道は楽しいですか?」
堀川伊与は、無気力マイペースな高校1年生。なるべくラクな部活を選ぼうと、ゆるいと噂の弓道部を見学しに行った伊与は、一人黙々と弓を射る鏑木鉄矢と出逢う。彼に入部希望者だと思われた伊与は、強引に弓を引かされたうえ「お前、弓道に向いてるぞ」と言われて圧倒されっぱなし!思わず入部したものの、鉄矢の伊与に対する距離はやけに近くて…!?
甘酸っぱい、青春部活ストーリー!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

遅刻癖がありマイペースでやる気がなく、できるだけ省エネで生きていたい女子高生・堀川伊与
入学した高校が部活必須だと知った伊与は、頑張らなくてもいい部活を求め、内部分裂によって活動停止同然の弓道部に入部しようと考える。
その弓道部にいたのは、少し前に印象的な出会い方をした先輩・鏑木鉄矢
鏑木の様子が気になった伊与は弓道部内の揉め事に首を突っ込むことになり・・・・・・という感じにストーリーは進んでいきます。

 

あらすじで予想したような恋愛メインの話ではなく、部活動で生まれる様々な想いや、女友達の間でかわされる友情など、学校生活の色々な場面で輝く青春を描いた作品だったと思います。

 

まず主人公である伊与のキャラクターがすごく魅力的。
良くも悪くもマイペースで熱意に欠けるくせに、人のためになら頑張ってしまう主人公って大好きです。

頑張らないために頑張っているようでいて、結局はしっかり頑張る伊与。
パッと見は自分本位な言動が目立つのに、悩み苦しむ人に対してみせる優しさが本当に素敵でした。セリフのひとつひとつが鋭く切り込んではスッと心に溶け込む感じがするんですよね。ズケズケとした物言いに反して、言葉がとても温かいんです。
あと弓道部に入った本当の理由を誤魔化すひねくれ具合も可愛いw
こういうのも昼行灯タイプっていうのかな。絶妙に煽ってくる口達者なところも楽しかったです。

 

最初の動機は人のためだけど、入部した弓道部でしっかり弓道をがんばっているところもまた良し。
そんな伊与が鏑木に問いかける「弓道、楽しいですか」のセリフが最初と最後にくるの、すごく素敵な構成ですよね・・・・・・!
仲間うちでワイワイするだけの楽しさだけじゃなくて、キツいことも嫌なことも一緒に乗り越えているから、楽しむことの意味が深くなる。
そういう楽しさを伊与も一緒に共有してるからこそ、二回目の質問に込められた想いになんかもうグッとくるというか・・・・・・問いかけられた鏑木先輩の反応の違いに感動するしかない。

 

弓道部モノとしても面白かったけれど、伊与と友達2人の友情にもすごく青春を感じました。
伊与と萌々子の友情って共依存系の良くないやつかな?とか最初予想していたのに、全然違って、むしろこれぞ親友って感じの絆の深さが素晴らしい。
そして予想外に好プレー(?)をみせてくれた深見さん大好き。「ミッションコンプリート」に笑ったw

 

伊与と鏑木先輩のラブコメはスプーン1杯ぶんくらいの微糖具合だったけれど、これはこれでほっこり可愛くて楽しかったです。
最後のシーンはガクッときましたけどね。ここまで引っ張っといてそこに落ち着くのか!と。
まぁでもこんなズレたこと言い出すのがそこはかとなく鏑木先輩っぽい・・・・・・。

 

楽しい青春小説でした!
物語自体は綺麗に終わっているけれど、シリーズ化してくれたら嬉しいなぁ。
地の文のテンポの良さも気に入ったし、これは他作も読んでみなければ。

 

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