近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係2/久遠侑


近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係2 (ファミ通文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2016年12月刊。
センチメンタルな思春期の距離感を描いた青春小説第2巻。
前巻よりもしっとりした雰囲気がありつつ、繊細で情緒的な少年の心に惹かれてしまう物語でした。
2巻で完結ですが、綺麗に終わってくれてよかった。次回作も期待しています。

☆あらすじ☆
雨宿りのなか、突然の由梨子からのキス。幼い頃より長い時間を過ごしてきた彼女から、異性としての気持ちを突きつけられた健一だが、ともに暮らし始めてわずか二カ月の里奈への感情も混じり合い、由梨子に返事をすることができないままでいた。夏、秋と、これまでとは違う里奈のいる季節を経て、子供の頃とは確実に変わった自分、そして周囲との関係を受け入れていく、健一の選ぶ答えとは――。多感に揺らめく十七歳を映し出す、恋愛ストーリー第二巻。

以下、ネタバレありの感想です。

 

前巻ラストのキスを引きずり、由梨子との変わっていく距離感に困惑する健一。
一方で、同居する里奈との距離感をどう考えればいいのかという悩みもあり・・・・・・という第2巻。

 

前巻同様、展開そのものは淡々と進みつつも、主人公の内面が情緒豊かに描かれていきます。
瑞々しくもセンシティブな少年の心を描く青春小説ってほんとに良いですね・・・!

思春期真っ最中って感じな健一の強い感受性に共感してしまうところもあれば、なんだかもう恥ずかしくなってムズムズしてしまうところもあったりして。
どちらかというとフェティシズム的というか、他者を意識しつつの過剰な自意識を五感を介してねっとりと表現しているところに、「爽やかさ」とはちょっと距離を置いた「リアルな思春期」を感じるんですよね。楽しかったですw

そんな健一の心の移り変わりと、季節の移り変わりの対比も素敵。
全編を包み込むようなしっとりとした空気がとても心地よく感じました。

 

ただ個人的にはもっとドラマチックに盛り上がる作品の方が好みなんだけど、あとがきを読むにあえてそういう方向性は避けた様子。
個人的には少しモヤっとする恋愛小説観でしたが、「日々の生活の感覚に強く結びつけるような描き方」というのは成功していたのではないでしょうか。

 

しかし最後まで里奈の内心は出てこなかったなぁ。
カクヨム掲載の番外編を読めばわかるのかもしれないけれど、まぁこの物語は健一が「距離感」というものをドキドキソワソワしながら測っていく話だから里奈の内心って実はあんまり重要じゃないのかも。現実では他者の内心なんか分からなくて、外から見た雰囲気で距離をはかっていくしかないんだし。そういう意味でもリアルな青春ものだったと思います。

 

良い青春小説でした。次回作も楽しみです。

 

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「近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係2/久遠侑」への2件のフィードバック

  1. 最近のラノベは打ち切りor慌てて終わった感が凄いですね(汗)
    もっとこの作品も見たかったのですが(泣)

    1. ちゃーこりんさん、コメントありがとうございます。

      特にファミ通は2巻でればマシってとこまで落ちてきましたからね・・・・・・。
      この作品も、もう少し巻数があれば色々書けただろうなぁと思うところはありますよね(´・ω・`)

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