夜葬師と霧の侯爵 かりそめ夫婦と迷宮の王/白川紺子


夜葬師と霧の侯爵 かりそめ夫婦と迷宮の王 (コバルト文庫 し 17-12)
夜葬師と霧の侯爵 かりそめ夫婦と迷宮の王 (コバルト文庫 し 17-12)

前作の感想はこちらから


評価:★★★☆☆
2017年1月刊。
「公爵夫人は銀灯師」「雪侯爵の銀灯師」に続く世界観共通連作シリーズ第3弾。今回も前作までを知らずとも問題ない読み切り仕様です。
悪い魔法使い的なポジションだった夜葬師をメインとする偽装結婚もの。
仇同士で出会ったふたりの恋も良かったけれど、最後のほろっと切なくなる読後感が素敵でした。

☆あらすじ☆
闇を操る魔物と言われている“夜葬師”に育てられた人間の少女オフェリア。育て親が姿を消した後、森で一人暮らす彼女の前に、領主の侯爵ルドヴィークが現れ、自分の呪いを解くように迫るが……!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

闇の魔物である「夜葬師」ラヴィルタに育てられた人間の娘オフェリア
ラヴィルタが死んでしまい孤独になったオフェリアは、突然現れた青年侯爵ルドヴィークによって彼の城に連れ去られてしまう。ラヴィルタにかけられた侯爵家の呪いを解かなければ城から出さないと言われ、彼の妻と偽って城に滞在することになるがーーという感じで物語は始まります。

 

家族を無惨に奪い、今なお自分を苦しめる呪いをかけた「夜葬師」を憎むルドヴィーク。
たったひとりの家族だったラヴィルタをルドヴィークに殺されてしまったオフェリア。

二人の出会いの背景にある事情はなかなかにハードで、こんな状況からどうやって恋に発展するのかとドキドキしました。
そしてそこからが良かった。夜葬師への憎しみを捨てられないまま、それでもオフェリアに惹かれていくルドヴィークの焦れったさが・・・・・・w
また、オフェリアもラヴィルタの喪失を悲しみつつもルドヴィークを仇として憎むわけではなく、もっと無垢な感情で彼に接するのが素敵でした。
とげとげしい出会いから始まるものの、ふたりの関係に生まれていく優しさがとても心地よかったです。

 

さて、そんな二人が自分たちにかけられた死に至る呪いを解く物語なのだけど、終盤のファンタジーな展開もなかなか楽しいものでした。
そしてなにより、全編を通してにじみ出るラヴィルタの愛が切なくて良い・・・・・・!
最後の数ページに胸が痛くなるほど。
心をもった魔物の末路は切ないものだったけれど、オフェリアがちゃんとその愛を受け取っているのが救いなんだよなぁ。

 

落ち着いた雰囲気の良い作品だったと思います。
銀灯師の世界観、やっぱり良いなぁ。シリーズが続くことを祈りつつ、次回作も楽しみです。

 

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