いつかの空、君との魔法2/藤宮カズキ


いつかの空、君との魔法II (角川スニーカー文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2017年1月刊。
箒で空を飛ぶ少年少女の青春ファンタジー第2弾。
前巻のすれ違い幼なじみも素晴らしかったけれど、今回はそんな二人の姿を傍で見て心を痛めていた先輩がメインのお話。
誰かを好きな人のことを好きになる恋って、どうしてこうも切なくて、悲しくて、目が離せなくなるのでしょうか。
レイシャを好きにならずにいられない第2巻。今回もとても素敵な空と恋の物語でした。

☆あらすじ☆
ひとりじゃ飛べない空がある――空翔る青春ファンタジー、恋心揺れる第2幕
『カリム、好きだよ。大好き――』
〈青空のヘクセ〉として街を救い、急速に距離を縮めるカリムと揺月。ふたりを見つめるレイシャの心は揺れ、この恋を諦めようと決意する。
「告白なんて、出来るわけないよね」
――しかし人々を突然の眠りに誘う謎の精霊〈宿無し〉対策のため、レイシャはカリムとデートすることになり、さらには揺月の代役で〈ヘクセ〉として二人で飛ぶことに……?
少年少女の三角関係が描く、波乱の空模様。

以下、ネタバレありの感想です。

 

10年ぶりに揺月と仲直りできたカリム。
そんなカリムに、想いを寄せるレイシャ。

前巻はカリムと揺月だけの物語だったけれど、この2巻で三角関係的な恋も動き始めてきました。

 

私は幼なじみモノに目がないくらいなのでカリムと揺月のカップル以外考えていなかったのだけど、今回の話を読むとレイシャにも幸せになってほしいと思わずいられません。だって切ない。レイシャの恋は等身大に切なすぎる。

 

「カリムはきっと揺月が好き」だと自分で思っていて、それでもなおカリムを好きでいることをやめられないレイシャ。
カリムと揺月の間にあるようなドラマチックなエピソードもなく、ふたりのように空を飛ぶ才能もない。
こんな二人の間に割り込めるの?って傍から見てても思っちゃうし、本人にも自覚があるっぽいところが本当につらい。
それでもカリムをデートに誘おうと頑張って、友達の力を借りてオシャレして、プレゼントに一喜一憂して・・・・・・っていう、普通の女の子らしさにとても心を惹かれるんです。もうなにこれ、恋する女の子の可愛さが詰まってる。

 

恋への高揚感とかときめきとかも良いんだけど、カリムの目を揺月から奪えないことへの嫉妬とか悲しみの感情も本当に良い。トイレのシーンはもらい泣きしそうでした。
あと「好きが乾いているからだ」っていう表現、すごくしっくりきますね。
今回のお話、レイシャが見せてくれる様々な顔の「好き」が、どれもとても印象的でした。恋心から生まれる喜怒哀楽を全て見せてくれたんじゃないかなぁ。
揺月があまり感情を動かす子じゃないので、ダブルヒロインとしての対比もうまくいってる感じ。

 

最終的に揺月との関係はどうなるのかな、ドロドロしないかな、って心配していたのだけど、杞憂に終わって本当によかったです。
いいなー、こういう尊敬しあえるライバル関係って。正々堂々と恋敵宣言した女の子たちがどんな絆を結んでいくのか楽しみです。

 

さて、そんなレイシャの恋が描かれる一方、カリムは青空を取り戻したことで「宿無し」が生じ、そのトラブル処理に奔走。
宿無しの騒動の使い方がうまいというか、外に出ることができない揺月の願いとか、あと一歩が踏み出せないレイシャの想いを、こんな形で実現させるってすごく幻想的で素敵。女の子たちが頑張ってるなかでカリムも地味に自分の仕事を頑張っていたけれど、最終的にやっぱり一本取られちゃったところに笑いましたw 勝てないなぁw

 

恋愛方面もすごくよかったけれど、ラストのグラオベーゼンの描写は流石。圧巻でした。
やっぱりこの幻想的な魔法の世界は本当に胸が高鳴る。

 

うーんうーん、レイシャに幸せになってほしいけれど、カリムはブレずに揺月を想っていてほしい。
三角関係モノでWヒロインのどちらも可愛いと片方が不幸になる結末が怖くてたまらないのですが、さて、この作品はどうなるのか。

きっと3巻もあると信じて、続きを楽しみに待ちたいと思います!

 

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