2016年版お気に入りのライトノベル20選


筺底のエルピス 4 -廃棄未来- (ガガガ文庫)

 

大晦日ですね。 ついに2016年も残り数時間となってしまいました。

さて、2016年の締めくくりとして、今年読んだ少年向けライトノベルの中から特に面白かった20作を、新作と既存シリーズに分けて紹介していきたいと思います。

この年間ベスト記事の顔(冒頭の画像)には2016年を通して最も面白かった作品にしようと決めていたのだけど、「筺底のエルピス」のおかげでトップの雰囲気が異様なものに・・・・・。おのれエルピス。でもこれ以外には考えられないから仕方ないのです。

ちなみに少女小説(女性向けライトノベル)の年間ベストは先に公開しています。こちらをどうぞ。

 

それでは、以下をどうぞ〜。

 

2016年新作ベスト10

まずは2016年に刊行された新作の中から、特に好きだった10作品を紹介していきたいと思います。

 

2016年スタートの新作の中で、私が最も推したいシリーズ『最果てのパラディン』。
異世界に転生し不死者に育てられた少年が、保護者のもとで多くのことを学び、筋肉を鍛え、信仰心を胸に灯して成長していく物語です。
少し懐かしさを感じる古風な世界観と、異世界転生もの特有の読みやすさと軽快さのある作風。
まさに、古きと新しきの長所が混じり合った素晴らしいファンタジーだと思います。
1巻はプロローグとして主人公の基盤を作った家族の物語が描かれ、2巻から彼自身の物語がスタート。
そして最新3巻は絶対的強者を相手に絶望的な戦いを挑むという正統派の英雄譚となっていて、これが本当に素晴らしいのです。
女神へ深い信仰を捧げる敬虔さ、賢者に教わった思慮深さ、父から受け継いだ清々しい脳筋っぷりという、ちょっと類を見ないタイプの主人公も魅力的。
来年も大きな期待を寄せているシリーズで、続刊がとても楽しみです。

 

ハシビロコウ頭の怪人が引き起こす連続惨殺事件に、他人の顔を認識できない少年が巻き込まれていくという内容の現代怪異譚。
他人の顔が犬や貝に見える主人公の世界はとても前衛的というか狂気的で、最初に読んだ時は面食らってしまうかもしれません。
その上、結構グロい描写も多いし、予想外と理不尽のてんこもりな展開が続き、最後まで緊張感に苛まれることでしょう。
しかし主人公をはじめとする登場人物たちはとても魅力的なキャラクターばかりで、特に主人公の軽快で心地よい語り口に隠されたセンチメンタルにはぐっときます。
内容も設定もキャラも尖りに尖っていて、ハマる人はめちゃくちゃハマる、まさに「ガガガ文庫っぽい」作品だと思います。
1冊で綺麗に終わっているので(たぶん単巻作品)、ぜひ手に取ってみてほしい。

 

現代的な雰囲気の中に、魔法や精霊が存在するおとぎ話のような設定が絶妙に調和した世界観が魅力の作品。
そんなリアルとファンタジーが混在する世界を舞台に、雲を払うために箒に乗って空を飛ぶ儀式「グラオベーゼン」に挑む少年を主人公とする物語です。
グラオベーゼンの神秘的で美しい光景には目を奪われずにはいられず、長年すれ違ってきた少年と幼なじみの恋と青春の物語としても素晴らしい作品でした。

 

「2029年12月31日23時57分の未来が視える」という謎の奇病によって混乱する世界を描いた近未来SF。
大量殺人鬼となる未来を視たことで葛藤する少年が、自分を救う可能性を持つ監視者の少女と出会い、彼女と共に奇病の謎を追うことになる物語です。
色々な要素が複雑に絡みつつもスピード感のある展開に引き込まれ、未来に抗おうとする主人公の戦いに胸が熱くなります。
SF異能バトルとしても楽しめるし、捜査官モノのようなサスペンスも味わえる作品だと思います。もちろんボーイ・ミーツ・ガールな青春小説としても最高でした!

 

宇宙へ憧れる宇宙飛行士候補生の青年と、人類未到達の宇宙に実験体として送り込まれる吸血鬼の少女のボーイ・ミーツ・ガール。
冷戦時の米ソ宇宙開発競争をベースとした物語で、時代の波に翻弄されながらも宇宙を目指す人々の感情がとても真に迫っていて読み応えがあります。
そんな開発競争の最前線で、「実験体」と「付き添い」として出会い、種族や立場を超えて絆を深めていく主人公とヒロイン。
失敗が連続し、不穏な思惑が物語に影を落とすなか、ふたりが共有する宇宙への純粋な憧れが煌めくように物語を照らすのです。
異色の青春小説としても本当に面白かった。美しい余韻を残したラストシーンも素敵でした。

 

幻獣調査員 (ファミ通文庫)
綾里 けいし
KADOKAWA/エンターブレイン

うまく共存できるときもあれば、時に激しく衝突する幻獣と人の関係。その間に介在する幻獣調査員の旅路を描く幻想的なフェアリーテイルです。
各地で水棲馬、人魚、妖精猫などの幻獣達と出会っていく旅の物語なので、妖精ものや旅ものが好きな私にはたまらない作品でした。
内容は連作短編形式となっていて、残酷さに悲しくなる話もあれば、可愛らしさに頬が緩む話もあって、その多様な物語性に心が惹かれること間違いなし。
そして幻獣調査員フェリとその従者たちの、切なくて愛しい関係に胸がいっぱいになることでしょう。
単巻ものかと思いきや、どうも2巻が出るらしい?

 

押し入れの中にできたダンジョンで、死んだはずの妹に再会した少年。
過剰なくらい妹を愛する主人公に危うさを感じる一方、やがて「選択」を迫られることになる彼の運命に目が離せなくなる物語です。
現実と非現実が混じり合い、なんだかフワフワとした心地になる作品なのですが、ラストには泣きたくなるような切ない余韻が待っています。
愛情だけでは語れないけれど、それでも愛情に満ちた兄妹の絆がどうしようもなく胸に響くのです。
ぜひ、あとがきまでを本編として読んで欲しい作品です。

 

インスタント・マギ (NOVEL0)
青木 潤太朗
KADOKAWA/メディアファクトリー

魔法をインスタントに使える技術を発明した科学者を巡り、魔女達が死闘を繰り広げる物語。
サディスティックな魔女達がエグい戦いをする一方で、渦中の科学者とJK魔女のうぶでロマンチックな恋が描かれたりもします。
魔女達の派手で陰惨な魔法バトルは迫力があるし、そんな「魔法」に対する科学的アプローチは読み応えあり。
科学によって魔法を徹底的に蹂躙する主人公のピュアな狂気は、まさに鳥肌モノといえるでしょう。
正直かなり読みにくいタイプの作品だと思うのだけど、途中で挫けずにぜひ最後まで読んでほしい。
一応、シリーズ化する予定のはずですが、単巻でも綺麗にまとまっています。

 

理不尽に奪われたものを取り戻すため、大陸中を旅することになる騎士の姉弟の物語。
「伝説」の真実を知ることで波乱の運命に巻き込まれても、助け合って道を切り開こうとする姉弟の関係性が魅力の作品です。
ドラゴンなどの霊獣が存在する神秘的で壮大な世界観のなかを、登場人物が生き生きと動き回り、伝説の霊獣たちを相手取ったスケールの大きな立ち回りに興奮せずにいられません。
古式ゆかしい王道のファンタジーを堪能できる秀逸な作品だと思います。
ちなみに現在既刊2巻で、3巻も刊行予定です。

 

廃デパートにあらわれるという噂の「観覧車の花子さん」に逢いたい少年が、心霊写真を撮る少女と出会い、彼女に写真を撮ってもらおうとする物語。
都市伝説的なオカルトから、主人公の姉の秘密を探っていくミステリーへと移っていく展開は、二転三転して意外な真実を明かしつつ、読後は切なくも爽やかな余韻を残してくれます。
また、感情の薄いヒロインが主人公との交流を通して少しずつ心に揺らして傷を癒やす物語でもあって、二人の関係のもどかしさと甘酸っぱさに青春を感じてときめきました。
おそらく単巻ものかな?シリーズ化しても良さそうですが。

 

 

既存シリーズベスト10

続いて、既存シリーズの中から、今年の新刊が特に面白かった10作品を紹介したいと思います。

 

人類の存亡をかけて「鬼」と戦う鬼狩りの組織。その構成員たちの戦いを描いたSF異能バトルシリーズ。
誇張抜きにSFラノベの最高峰に連ねていいと思っています。まさに傑作。
1巻から衰えることなく面白い作品ですが、最新3・4巻では悪夢のような展開に目を奪われ、必死に駆け抜けた主人公達の運命に絶句。
悪夢のなかに希望をみて、そしてその先に絶望を知りました。
一体ここからどんな未来が描かれていくのか。続きが焦がれるほどに楽しみです。

 

「このライトノベルがすごい!2017」で見事1位を獲得した将棋ラノベシリーズ。
私もこのシリーズに惚れ込んでいる読者の一人です。だって本当に内容が面白いんだもの!
棋士たちの熱い戦いに燃えるし、最年少竜王とJC弟子のラブコメには萌える。
硬派なところも軟派なところも、どちらの盛り上げ方もうまく、余すところなく全ての要素を楽しめる作品だと思います。
特に3巻は、棋士の世界の過酷さを描きつつも感動的なストーリーとなっていて、こみ上げる涙を我慢することができませんでした・・・・・・。
来年あたりにアニメ化が発表されても驚かないなぁ。

 

思春期の悩みをトリガーに、不可思議な現象を引き起こす「思春期症候群」。
毎度様々なSF要素を秘めた思春期症候群に主人公が巻き込まれ、その解決に奔走するシリーズですが、最新刊をもって1巻からの様々な伏線が回収し、物語が一つの節目を迎えました。
内容もそれに相応しくハラハラドキドキさせるもので、どんな結末を迎えるのかとても不安だったけれど、爽やかな読後感に清々しい気持ちになれました。
次巻から始まる新展開にとても期待しています。

 

異世界で目覚めた少年が、帰還の手がかりを求めて迷宮の最深部を目指すファンタジーシリーズ。
2016年最初の第6巻ではめちゃくちゃに熱い男の戦いが繰り広げられ、さらに最新8巻では多くの伏線が回収され驚愕の真実が次々と明らかになりました。
ヤンデレハーレムも相変わらず恐ろしく、ニヤニヤしつつもハラハラするのが楽しい作品です。

 

アニメの世界から怪物の脅威にさらされる現実世界に召喚されたロボットパイロットの戦いを描くSFシリーズ。
最新5巻はまさに急転直下な新展開。
ある意味、ロボもののお約束を踏まえた展開ともいえるけれど、絶望の状況の中でこそ輝く主人公と仲間達の絆に胸が熱くなりました。

 

怪人達の天敵として「正義」を振るうヒーロー。そんな幼なじみのために、悪の結社の総帥となった主人公。
彼の孤独で苛烈な闘争を描いた青春ピカレスクシリーズですが、全3巻で完結。
これ以上ないほどの完成度で綺麗に幕を閉じています。ラストシーンは涙なしに読むことができません。
手に取りやすい冊数だと思うので、積極的にすすめていきたいシリーズです。特に幼なじみ好きと特撮ヒーロー好きは必見!

 

2017年4月からのアニメ放送が決まっているシリーズ。
緩やかに滅びを迎えつつある世界を舞台に、世界の延命のために命を燃やす妖精兵と彼女たちを見送る青年の物語です。
アニメ化するシリーズは全5巻で完結。とても素晴らしい「終わり」の物語でした。
それに続く新シリーズ『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?』は、最新3巻でワクワクするような面白い展開へと突入。こちらの続きも楽しみです。

 

こちらもアニメ化が決まっているシリーズ。
獣の姿をした傭兵と、「魔法」を発明した魔女が、旅をするなかで人と出会い敵と戦う王道ファンタジーです。
傭兵と魔女の絶妙な距離感がすごく好きなのだけど、魔法使いやドラゴンが存在するダークな世界観も非常に好み。
最新7.8巻からは世界が一変するような急展開に突入し、今後の物語の行方に期待が高まっています。
アニメ映えする作品だと思うので、アニメの方もとても楽しみです。

 

薬と毒に目がない少女・猫猫が、売られた先の後宮で謎を解き明かしたり、偉い方々に気に入られたり、面倒毎に巻き込まれたりする中華風ミステリー。
毎巻、世界観にしっくりと馴染んだ謎解きの数々を楽しみつつ、猫猫と美青年・壬氏のラブコメの行方に目が離せなかったのですが、最新5巻・6巻で大きくストーリーが動いたような気がします。動いたと信じたい。
末永く楽しんでいきたいシリーズですが、さて2017年はどんな展開が待っていることやら。面白いことはまず間違いないでしょう。

 

ぼっちなゆるゲーマー雨野くんを中心に、色々と問題の多いゲーマーたちが集まって騒動を繰り広げる学園ラブコメ群像劇。
巻を重ねるごとにどんどん面白くなり、ゲーマーたちのすれ違いと繰り出されるボケ&突っ込みが楽しくて仕方ないシリーズです。
最近アニメ化が決まってますます勢いに乗っている様子。2017年も大いに笑わせてくれるに違いありません。

 

 

番外編

新作といえるのか、既存作といえるのか、ちょっと迷うので番外編として紹介します。

 

『灰と幻想のグリムガル』の十文字青先生の最高傑作『薔薇のマリア』。その正統続編となるシリーズです。
最下層の住民達が住む掃き溜め《猥路》を舞台に、美しく気高いマリアが仲間を守るために怪物に挑む物語。
前作の面影を残しつつも新しい登場人物とストーリーになっているので薔薇マリ未読の方でも大丈夫、のはず!
超最低な世界で、誰もが最高に人間くさく生きようとする。その輝きを魅せられる作品です。
頼むからシリーズ化してほしい!

 

 

以上です。

これで今年のブログ更新は最後となります。
2016年は色々なことがあった一年だったけれど、面白いラノベにたくさん出会えたおかげで、楽しくブログを続けることができました。
ブログやSNSでコメントをいただいたことも励みになりました。本当にありがとうございました。

来年もまた元気にブログを更新していく予定です。1日からさっそく更新しますよ!

2017年も、当ブログ「晴れたら読書を」 と 管理人みかこ をどうぞよろしくお願いします。

それではみなさま、良いお年を!

 

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