英国幻視の少年たち ファンタズニック/深沢仁


(P[ふ]4-1)英国幻視の少年たち (ポプラ文庫ピュアフル)
(P[ふ]4-1)英国幻視の少年たち (ポプラ文庫ピュアフル)

評価:★★★★☆
2016年3月刊。
英国が舞台で妖精が出てくる現代ファンタジーとか、それもうめっちゃ好きなやつですよね・・・!
と思って読んだら当たりでした。
訳あって渡英した日本人留学生が、幻想事件を扱う組織の少年と共に様々な幻想的事件に遭遇していくファンタジー。
全体的に穏やかで寂しい雰囲気が漂う物語でしたが、それがなぜか心地よい作品でした。
終盤にかけての盛り上がりも面白かったし、霊感少年と貧血少年に生まれていく奇妙な絆は興味をひいたし、設定・ストーリー共にとても好み。
シリーズ第1巻ということで色々と謎が残っているものの、今後の展開が楽しみです。

☆あらすじ☆
日本人の大学生皆川海(カイ)は、イギリスに留学し、ウィッツバリーという街に住む伯母の家に居候している。死んだ人の霊が見える目を持つカイはそこで、妖精に遭遇。英国特別幻想取締報告局の一員である青年ランスと知り合う。大学の構内で頻繁に貧血で倒れているランスをかまううちに、カイは次第に、幻想事件“ファンタズニック”に巻き込まれていく―。英国の雰囲気豊かに描かれる学園ファンタジー第1巻!

以下、ネタバレありの感想です。

 

伯母を頼ってイギリスに留学した主人公・皆川海は、英国特別幻想取締報告局の少年・ランスと知り合い、彼と共に不可思議な幻想的生命体を目にするようになっていく、というのが本作のストーリー。

 

この幻想的生命体というのは、食器を洗ってくれる妖精だったり、死を予告するドッペルゲンガーだったり、泉に棲む水の精霊だったり、ある場所に潜む吸血鬼だったりと、さまざま。
そんなノスタルジーを感じさせるおとぎ話の登場人物達を、現代の大学生であるカイが目撃していくっていうのが良いんですよね。古くからあるものが今なお息づいていることにロマンを感じるから、そういう現代ファンタジーは大好物です。

 

相棒とまでは言えないけれど、二人で行動するようになっていくカイとランスの関係もなかなか良い。
ミステリアスなランスの事情が気になる一方で、なぜカイが英国にきたのかという理由が明らかになると、ふたりに共通する寂しげな雰囲気に納得がいくのです。
どちらの事情も全てが明らかになったわけではないけれど、空気の似ている二人組がどんな絆を育てていくのか興味があります。
あと貧血少年ランスの体調を冷静にレベル分けして観察するカイがちょっとおかしかったですw
鞠子の使用人に甘んじていることといい、カイは割と世話焼き気質なのかな。

 

そんなカイとランスが、色々な幻想事件(ファンタズニック)に遭遇していく本作。
現実と非現実の境目がゆらゆらと揺れ動く雰囲気は静かで寂しいものなのだけど、不思議と心が落ち着く感じがしました。なんでだろう。文章からも伝わってくる英国の空気がそうさせるのかな。
そのくせ終盤の「吸血鬼」登場はラノベ的というかエンタメ的な盛り上がりをみせてドキドキ。
力を持たないカイがどうやって窮地を乗り切るのかと思ったところでの「魔女」登場にテンションが跳ね上がってしまいましたw
でも作中随一の魅力をもっていると考えていた鞠子がここで退場とは・・・・・・寂しい。

 

とはいえ、設定もストーリーも好みだったのでこの続きが楽しみです。
個人的には、英国特別幻想取締報告局の内情とか、美柴の自殺の真相が知りたいかな。
2巻以降も引き続き読んでいきたいと思います。

 

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