友人キャラは大変ですか?/伊達康


友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)
友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2016年12月刊。
「主人公」の「友人キャラ」であることを生きがいとし、そのポジションを涙ぐましい努力で守ろうとする「普通の」男子高校生の物語。普通ってなんだろう。
最初から最後までメタ満載で、お約束を守らなかったりキャラ立ちが甘かったりする他のキャラ達に主人公が内心でダメ出ししまくるラブコメでした。鋭いツッコミに笑うしかない。
せっかく「理想の主人公」と出会えたのに期待とは違う方向に転がっていくわけだけど、この作品自体がすごく「お約束」を守っている感じ。テンポの良さがとても楽しい作品でした。

☆あらすじ☆
出会っちまったぜ、俺の理想の主人公に!
俺の友達、火乃森龍牙。高校に入ってできた、気の置けない親友。龍牙の第一印象は、「アニメとかに出てくる主人公っぽい奴」だった。そしてその思いは、すぐに確信に変わった。まず、こいつは過去をほとんど話さない。で、よく授業を抜け出す。帰ってきたかと思えば、唇から血を流してたり、制服のあちこちが破けてたりする。そして龍牙の周りには常に美少女がいる。学園のアイドル、雪宮汐莉。剣の達人であるクールビューティー、蒼ヶ崎怜。謎の転校生、エルミーラ・マッカートニー。こいつらが龍牙の前に現れると、俺は非常に疲れる。それぞれが龍牙と絡むたび、「お、おいリューガ! どうしてお前が雪宮さんと知り合いなんだよ!」とか、「う、麗しの剣士である蒼ヶ崎さんが、わざわざ教室までリューガに会いに!?」とか、「エ、エ、エルミーラさん! リューガなんかのドコがいいんスかぁ!」とか、必死に騒ぎ立てる羽目になるからだ。……じゃあ何でやるのかって? それは俺、小林一郎が友人のプロだからだ。主人公の中の主人公、火乃森龍牙を支える親友キャラこそが、俺の生き様だからだ。
――ベストフレンダー小林が贈る名助演ラブコメ、開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語の脇役、主人公の「友人」というポジションにこそ自分の価値があると信じる男・小林一郎
多くの主人公的存在をプロデュースし、友人キャラとして研鑽を積んできた一郎は、高校で「主人公の中の主人公」火乃森龍牙と出会う。実は世界を守るために怪物と戦うヒーローである龍牙の「日常パート」を守るため、一郎は今日も元気に龍牙の「友人キャラ」として騒ぐのだ——というストーリー。

 

そういう変なこだわりを持った一郎なのだけど、まぁ彼がどんなに脇役にこだわりヒーローの日常を支える友人という立ち位置を死守しようとしても、この作品の「主人公」は一郎なわけです。

ここですでに前提が破綻しているのだから、彼がどんなに涙ぐましい努力(ヒロインをよいしょする。リューガのラキスケを用意する。戦闘パートには関わらない!)をしようと、彼の願いとは裏腹に一郎の友人キャラはみるみる崩壊するのも仕方ないことなのです。

ヒロインキャラとのフラグは乱立し、知りたくない秘密は次々と明らかになり、果ては一郎自身も「お前は何者だよ!」な展開へ。

そんな「こんなはずじゃなかったのに!」が楽しい作品でしたw

これもまた、ある意味「お約束」な展開だよなぁーって思いながら読んでいました。
特にリューガの正体とか。まぁ本性は予想外すぎたけどw
お家デートのあれとか、こいつらただの変態カップルじゃないか!

 

おかしな方向に転がり始める物語のなかで、名プロデューサー顔負けの一郎の厳しいメタツッコミやダメ出しにはとても笑いました〜。
まぁ一郎じたいに「普通の友人キャラ」の意味を考え直してもらいたいけれど。アクの強さはヒロインズの比じゃない・・・!

 

うーん、ただ「お約束」を外す「お約束」に徹しすぎたせいで物語がこぢんまりとしてしまった感じは否めない。
あとはリューガハーレムをリューガごと丸取りしたせいでヒロインが多くなり、ひとりひとりとの絡みが流れ作業みたいになったのもラブコメ的に惜しい。
特にリューガは本性バレからの恋人ごっこが可笑しすぎたから、もっと二人の絡みが読みたかったです。変態コスプレカップルいいじゃない!

 

まぁでもラストのオチやあとがきを見る感じ、2巻がありそうなのでキャラ同士の絡みはそちらに期待しています。

 

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