なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 異世界で、王太子妃はじめました。/汐邑雛


なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 異世界で、王太子妃はじめました。 (ビーズログ文庫)
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評価:★★★☆☆
2016年11月刊。
2か月連続刊行の新作で、12月刊の2巻が発売前重版をしたということで気になった作品。
タイトルから軽めのラブコメ? と思っていたら、かなり真面目でシリアスな異世界転生+陰謀劇でした。
元パティシエの主人公がお菓子を作ったりする話でもあるんだけど、その背景がきな臭すぎてソワソワしてしまいましたw
ラブコメ要素は今のところないし設定説明で終わった感じなので、この巻だけだとやや物足りないかな。ただ、世界観を作り込んでることが伝わってきたので今後に期待できそうな作品だと思います。

☆あらすじ☆
偏食夫を幼妻(でも中身は33歳)が餌付け!?  王太子の胃袋掴みます!
おでんのからしを買いに出た和泉麻耶(33歳職業パティシエ)は、そこで事故に遭い――次に目覚めたとき、12歳のお姫様に転生していた!! しかも彼女には、年上の旦那(しかも王太子)までいる。命を狙われたところに転生したと気づいた麻耶は、自身の身を守るためにも夫とは仲良くしないといけない。元パティシエール、偏食の夫を餌付けしながら胃袋と犯人掴みます!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

事故にあった元パティシエ・和泉麻弥は、異世界で12歳の王太子妃アルティリエとして目を覚ますーー、という感じでスタートする異世界転生モノ。
ただし、アルティリエとして生きてきた記憶をなくしていることから人格は和泉麻弥のもの。何も分からない状態から自分のことや置かれている状況について、アルティリエは手探りで情報収集していくことになるのです。
この情報収集&整理の展開が、なんだかとても異世界トリップものっぽい感じ。
本人が転生だって自覚してるし、アルティリエとして培った知識も次第に思い出したりするので、転生ものなのは間違いないのでしょうけどね。
いつかアルティリエとしての記憶も取り戻したりするのかな?

 

さて、そんなわけで前世の記憶しかもたないアルティリエ。
慎重に情報収集しているうちに実家で暗殺未遂事件が起きたり、そもそも目覚める直前に不審な転落事故が起きていたりと、なんだかアルティリエの周囲は不穏にきな臭い様子。
話が進むにつれて彼女の複雑な生い立ちが語られ、それに関連する王家と四大公爵家の内部構造などが説明されていくと、アルティリエという少女がどれだけ危うい立ち位置にいるのか察せられるようになるのです。

 

この情報収集パートなのだけど、込み入った事情が一息に語られる上に、「このタイミングで語るにしては説明過多じゃないか?」と思うところもあったりして(司法官や大学の話とか)、そこらへんはちょっと気になりました。それ自体は興味深く読んだけれど、話のテンポが犠牲になっていたように感じられたんですよね。

 

まぁでも、それだけ気合いをいれて作り込まれている世界観だということでもあります。
設定が物語の中で馴染んでいけば話もスムーズに進行するだろうし、土台がしっかりしている物語はきっと面白くなるはずという期待がもてますしね。

 

さて、色々と厄介な身の上であることを自覚したアルティリエは、自身の安全を確かなものにするため、夫であり庇護者である王太子ナディルのハートをがっちりと掴んでおかなければならないのです。
そのためにアルティリエが決意したのが、元パティシエという前世の知識を利用した『王太子殿下の餌付け作戦』
最後にようやく方向が定まり、第一歩を順調に踏み出したことで次巻に続く。よくよく考えると、あらすじの内容がそのまま一巻の主要な内容だったのか。

 

12歳と27歳という年の差があるからから、ラブコメの気配はまだ全くないけれど(記憶を失う前のアルティリエの想いはさておき)、彼女の計画が二人の関係をどう動かしていくのか楽しみです。

 

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