騎士団付属のカフェテリアは、夜間営業をしておりません。1・2/遠原嘉乃


騎士団付属のカフェテリアは、夜間営業をしておりません。(1) (Mノベルス)
騎士団付属のカフェテリアは、夜間営業をしておりません。(1) (Mノベルス)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

総評:★★★☆☆
1巻:2015年11月刊、2巻:2016年4月刊。
ああ〜〜、これはすごく癒やされる・・・!
営業時間外に顔を出す女騎士団長のために、せっせと夕食を作る青年料理長。
他に誰もいない二人きりの時間で、焦れったい距離感の関係を持て余す二人。着々と餌付けされていくヒロインが可愛いくて、そんな彼女に料理人らしいナナメ上の独占欲をみせる料理長にニヤニヤせずにはいられません。
騎士団やカフェテリアのメンバーが遭遇する様々な事件を交えながら、主人公2人の優しい日常を描いた美味しい作品でした。

☆あらすじ☆
騎士団にある付属のカフェテリア。多くの騎士たちが日々利用している。ロビンは、そこの料理長。ある晩、居残っていたところ、空腹の騎士団団長・サラがやってきた。残業帰りで空腹のサラに、ロビンは料理を振る舞う。やがて毎夜毎夜の習慣となり、いつしかふたりの距離は縮まるが――。

以下、ネタバレありの感想です。

 

平民だけの騎士団を率いる、元孤児の女騎士団長サラ
ひょんなことから騎士団付属カフェテリアの料理長ロビンに料理を振る舞われるようになったサラは、夜な夜な営業時間の終了したカフェテリアに顔を出すようになるのです。

 

騎士団もの×カフェもの、という合わせ技を使った本作。
サラが騎士団管轄の事件を追ったり汚れ仕事に手を染めたりする一方、疲れた彼女の心と胃袋をロビンの手料理が満たしていくという構成の連作短編形式で物語は進んでいきます。

 

実は幼い頃に出会っていて、お互いにお互いの人生に影響を与えていた、というラブコメ的な設定も実に美味しい。
サラは気づいていないけれど、ロビンは過去の恩を忘れずにサラに「恩返し」をしようと懸命に腕を振るうわけです。
いやいや〜「恩返し」だけの気持ちじゃないでしょ?とニヤニヤしてしまうのもお約束。

 

二人そろって鈍感なため、なかなかラブコメの進展はないけれど(まさか2巻ラストでようやく自覚するとは・・・)、無意識にモヤモヤしたりイライラしたりするロビンがとても楽しい。
独占欲の発露が特に笑えるんですよね〜。他の人間にサラの胃袋は掴ませない!という斜め上な感じ。とても料理人らしい愛情表現ではありますが、それでいいのかロビン!w

 

一方のサラは、過酷な人生を生きていることもあって、そのへんの情緒はロビン以上に育っていない感じ。
騎士団のトップなのに汚れ仕事を一手に引き受けているとか・・・・・・。
平民だけの騎士団でトップに成り上がっても、所詮は貴族の雑役係ということなのでしょうか。
ガイウス殿下はサラを可愛がっているようなのに、トップに就かせた思惑が黒すぎてモヤモヤします(´・ω・`)

「平和な世界」を守るために戦っているのに、自分はその一員であることを仕事をすることでようやく赦されているっていう発想が切ない。
サラがどうにか幸せになってくれるといいなぁ。ロビンがんばって!

 

そんなサラとロビンのじれったい「友達」付き合いのなかで、ロビンはたくさんの料理を作っていくわけですが、これがどれもとても美味しそうでお腹がすきました・・・!
カフェものということで、食事よりも軽食やスイーツが多かった印象かな。
1巻ではクリスマスシーズンに合わせた料理がたくさん登場し、なかでもジンジャークッキーはやたら美味しそうでした。そしてロビンがサラ用に用意した入れ物の大きさに笑ったw
あとは美味しそうじゃないけど鈍器になる硬いバケットがめちゃくちゃ印象に残ってます。それを考案するときのロビンが面白すぎてw

 

全体的にのんびりとした日常を描きつつ、主人公2人やカフェテリアメンバー、騎士団関係者の過去や現在も語られていき、それが程良いスパイスとなっていたと思います。
哀しい事情を背負っている人もいるけれど、それぞれ今の幸せを大事に抱きしめている感じが素敵。特にベルタとエルウッドのカップル(?)がすごく好きでした。
ただ、色々と挟まれるエピソードや2巻ラストの展開をみるに、今後に大きな波乱が起こりそうな雰囲気が怖いなぁ。デステの捨て台詞が不穏すぎる。

 

派手ではないけれど、なかなか好きな雰囲気の作品でした。
これはぜひロビンの想いが報われて、サラが幸せになるまで見届けたい。3巻を楽しみに待っています。

 

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