2016年版お気に入りのライトノベル20選

筺底のエルピス 4 -廃棄未来- (ガガガ文庫)

 

大晦日ですね。 ついに2016年も残り数時間となってしまいました。

さて、2016年の締めくくりとして、今年読んだ少年向けライトノベルの中から特に面白かった20作を、新作と既存シリーズに分けて紹介していきたいと思います。

この年間ベスト記事の顔(冒頭の画像)には2016年を通して最も面白かった作品にしようと決めていたのだけど、「筺底のエルピス」のおかげでトップの雰囲気が異様なものに・・・・・。おのれエルピス。でもこれ以外には考えられないから仕方ないのです。

ちなみに少女小説(女性向けライトノベル)の年間ベストは先に公開しています。こちらをどうぞ。

 

それでは、以下をどうぞ〜。

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最果てのパラディン3 鉄錆の山の王 上・下/柳野かなた

最果てのパラディンIII〈上〉 鉄錆の山の王 (オーバーラップ文庫)
最果てのパラディンIII〈上〉 鉄錆の山の王 (オーバーラップ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★★
2016年12月刊。
めっちゃくちゃ面白かった・・・!
不死者に育てられた少年の英雄物語第3弾。
ファンタジー好きの魂を揺さぶるような、懐かしさと新しさを兼ね備えた王道を行くシリーズですが、今回の冒険も最高に熱い。特に下巻は無我夢中で読み切ってしまいました。
決死の戦いに挑む若き聖騎士。それを支える種族を超えた仲間達。彼らを見守る神々と、立ちはだかる誇り高き強敵。
その全てに昂ぶってしかたありません。文句なしの傑作だと思います!

☆あらすじ☆
ウィルが聖騎士となってしばらく。悪魔たちやキマイラを倒し、無法と困窮の《獣の森》には、人々の営為と笑顔が戻りはじめていた。しかし最果ての地に、再び邪悪の影が忍び寄る。季節外れの花が咲き乱れたことから始まる、森の異常。解決のため、仲間とともに《獣の森》の深奥に挑んだウィルを待っていたのは、森の王からの不吉な予言だった。
「鉄錆の山脈に、黒き災いの火が起こる。火は燃え広がり、あるいは、この地の全てを焼きつくすであろう」
滅びしドワーフの都、《鉄錆山脈》に眠る災いとは――? 新たな出会いとともに、再びウィルたちの冒険が始まる!

以下、ネタバレありの感想です。

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英国幻視の少年たち ファンタズニック/深沢仁

(P[ふ]4-1)英国幻視の少年たち (ポプラ文庫ピュアフル)
(P[ふ]4-1)英国幻視の少年たち (ポプラ文庫ピュアフル)

評価:★★★★☆
2016年3月刊。
英国が舞台で妖精が出てくる現代ファンタジーとか、それもうめっちゃ好きなやつですよね・・・!
と思って読んだら当たりでした。
訳あって渡英した日本人留学生が、幻想事件を扱う組織の少年と共に様々な幻想的事件に遭遇していくファンタジー。
全体的に穏やかで寂しい雰囲気が漂う物語でしたが、それがなぜか心地よい作品でした。
終盤にかけての盛り上がりも面白かったし、霊感少年と貧血少年に生まれていく奇妙な絆は興味をひいたし、設定・ストーリー共にとても好み。
シリーズ第1巻ということで色々と謎が残っているものの、今後の展開が楽しみです。

☆あらすじ☆
日本人の大学生皆川海(カイ)は、イギリスに留学し、ウィッツバリーという街に住む伯母の家に居候している。死んだ人の霊が見える目を持つカイはそこで、妖精に遭遇。英国特別幻想取締報告局の一員である青年ランスと知り合う。大学の構内で頻繁に貧血で倒れているランスをかまううちに、カイは次第に、幻想事件“ファンタズニック”に巻き込まれていく―。英国の雰囲気豊かに描かれる学園ファンタジー第1巻!

以下、ネタバレありの感想です。

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友人キャラは大変ですか?/伊達康

友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)
友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2016年12月刊。
「主人公」の「友人キャラ」であることを生きがいとし、そのポジションを涙ぐましい努力で守ろうとする「普通の」男子高校生の物語。普通ってなんだろう。
最初から最後までメタ満載で、お約束を守らなかったりキャラ立ちが甘かったりする他のキャラ達に主人公が内心でダメ出ししまくるラブコメでした。鋭いツッコミに笑うしかない。
せっかく「理想の主人公」と出会えたのに期待とは違う方向に転がっていくわけだけど、この作品自体がすごく「お約束」を守っている感じ。テンポの良さがとても楽しい作品でした。

☆あらすじ☆
出会っちまったぜ、俺の理想の主人公に!
俺の友達、火乃森龍牙。高校に入ってできた、気の置けない親友。龍牙の第一印象は、「アニメとかに出てくる主人公っぽい奴」だった。そしてその思いは、すぐに確信に変わった。まず、こいつは過去をほとんど話さない。で、よく授業を抜け出す。帰ってきたかと思えば、唇から血を流してたり、制服のあちこちが破けてたりする。そして龍牙の周りには常に美少女がいる。学園のアイドル、雪宮汐莉。剣の達人であるクールビューティー、蒼ヶ崎怜。謎の転校生、エルミーラ・マッカートニー。こいつらが龍牙の前に現れると、俺は非常に疲れる。それぞれが龍牙と絡むたび、「お、おいリューガ! どうしてお前が雪宮さんと知り合いなんだよ!」とか、「う、麗しの剣士である蒼ヶ崎さんが、わざわざ教室までリューガに会いに!?」とか、「エ、エ、エルミーラさん! リューガなんかのドコがいいんスかぁ!」とか、必死に騒ぎ立てる羽目になるからだ。……じゃあ何でやるのかって? それは俺、小林一郎が友人のプロだからだ。主人公の中の主人公、火乃森龍牙を支える親友キャラこそが、俺の生き様だからだ。
――ベストフレンダー小林が贈る名助演ラブコメ、開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

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うさぎ強盗には死んでもらう/橘ユマ

うさぎ強盗には死んでもらう (角川スニーカー文庫)
うさぎ強盗には死んでもらう (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2017年1月刊。
第1回カクヨムWeb小説コンテスト「ミステリー部門」大賞受賞作。
これは凄い。何が凄いって、ネタバレなしに何が凄いのかを語れないくらいに凄いんです。
伝説のポーカープレイヤー「うさぎ強盗」を中心に、繰り広げられ混ざり合う複数の事件。
殺し屋やクラッカーや人身売買組織などがはびこる裏の世界で、アウトローな仲間を揃えた「うさぎ強盗」は何をしようとするのか。
複雑な構成の群像劇であるため、なかなか読むのに根気がいる作品かもしれないけれど、次々と飛び出す謎と真実にワクワクが止まりません。
1冊で綺麗に終わっているから続きはあってもなくてもいいかな。橘ユマさんの次回作も楽しみです!

☆あらすじ☆
あなたをここで口説きたくて、俺はうさぎ強盗になったんだーー
京都左京区のマンション。空き巣に入った泥棒カップルは、痴話ゲンカ真っ最中だった。
その向かいのオフィスビル屋上。青年は潜入した人身売買組織に、殺人を強要されていた。
悪鬼蔓延る上海の外灘地区。最強の殺し屋は、今まさに亡き師匠の敵を追い詰めていた。
そこから1200kmの広東省。田舎町のパブで、少年は23回目のチェックメイトを宣言した。
――伝説の賭博師“うさぎ強盗”が彼らの物語を繋ぐとき、驚愕のエンディングが訪れる!

以下、ネタバレありの感想です。
前情報なしで読んだほうが絶対に楽しめる作品だと思うので、未読の方は要注意!

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境域のアルスマグナ 緋の龍王と恋する蛇女神/絵戸太郎

境域のアルスマグナ 緋の龍王と恋する蛇女神 (MF文庫J)
境域のアルスマグナ 緋の龍王と恋する蛇女神 (MF文庫J)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2016年12月刊。
第12回MF文庫Jライトノベル新人賞「最優秀賞」受賞作。
面白かったーヽ(*゚∀゚*)ノ
科学と魔法が混じり合い特異な発展を遂げた世界で、魔術的な利権をかけて競い合う「王」たち。
その「王」のひとりとなった少年と、彼の伴侶として力を与える蛇女神の物語です。
かなり気合いの入った世界観は荒削りながら読み応えがあったし、キャラ同士の掛け合いは勢いとノリの良さに何度吹き出したことか。
スピーディーな展開も素晴らしく、そしてなんといっても夫婦もの!
私の好きな要素が詰め込まれた楽しい1冊でした。
ヒロインがいちゃいちゃしようとすると勢い余って主人公が死にかけるんだけど、それもまた愛・・・!

☆あらすじ☆
鬼柳怜生・享年17歳。彼の生涯は双子の姪をかばって儚く幕を閉じた……はずだった。何故か生き返った怜生の前には、長い紅髪に豊かな胸の、見目麗しい蛇女……蛇女!? さらに、彼女は怜生の「妻」を名乗り、彼は「神霊と結ばれ、世に新たな魔法技術を生み出す<王>になったのだ」と告げられる。司るは――無から有を生み出し、死者蘇生すら可能な「命」の魔法則。かくして、世界を一変させる力を手に入れた少年の、全世界と数多の〈王〉を相手にした覇道が幕を開ける! 最強・最速・極悪の三拍子揃った凄絶過激な魔王の狂宴、堂々開幕!

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月とライカと吸血姫/牧野圭祐

月とライカと吸血姫 (ガガガ文庫)
月とライカと吸血姫 (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2016年12月刊。
とても良かった!
宇宙へ憧れる宇宙飛行士候補生の青年と、人類未到達の宇宙に実験体として送り込まれる吸血鬼の少女のボーイ・ミーツ・ガール。
米ソの宇宙開発競争をベースとした物語で、史実にかなり忠実とのこと。背景がしっかりしているためか、まだ見ぬ宇宙への純粋な憧れと競争意識による焦躁は真に迫っていて、とても読み応えがありました。
そんな場所で出会い、種族を超えて絆を深めていく主人公とヒロイン。異色の青春小説としても本当に面白かったです。

☆あらすじ☆
宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女の物語。
人類史上初の宇宙飛行士は、吸血鬼の少女だった――。
いまだ有人宇宙飛行が成功していなかった時代。共和国の最高指導者は、ロケットで人間を軌道上に送り込む計画を発令。『連合王国よりも先に、人類を宇宙へ到達させよ!』と息巻いていた。その裏では、共和国の雪原の果て、秘密都市<ライカ44>において、ロケットの実験飛行に人間の身代わりとして吸血鬼を使う『ノスフェラトゥ計画』が進行していた。とある事件をきっかけに、宇宙飛行士候補生<落第>を押されかけていたレフ・レプス中尉。彼は、ひょんなことから実験台に選ばれた吸血鬼の少女、イリナ・ルミネスクの監視係を命じられる。厳しい訓練。失敗続きの実験。本当に人類は宇宙にたどり着けるのか。チームがそんな空気に包まれた。
「誰よりも先に、私は宇宙を旅するの。誰も行ったことのないあの宇宙から月を見てみたいの」
イリナの確かな想い。彼らの胸にあるのは、宇宙への純粋な憧れ。上層部のエゴや時代の波に翻弄されながらも、命を懸けて遥か宇宙を目指す彼らがそこにはいた。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティがここに。

以下、ネタバレありの感想です。

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天使と鴉のプレセピオ 人狼×討伐のメソッド1/斜守モル

天使と鴉のプレセピオ -人狼×討伐のメソッドI- (MF文庫J)
天使と鴉のプレセピオ -人狼×討伐のメソッドI- (MF文庫J)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2016年12月刊。
第12回MF文庫J新人賞「佳作」受賞作。
人狼ゲームをモチーフとした、嘘吐きな人食い狼を追う討伐官たちの物語。
ハードボイルドなポリスアクション風のサスペンスになるのかな。怪物相手の捜査官モノです。
正直、荒削りなところは多々あるんだけど、私はこの作品、嫌いじゃないです。特に登場人物の悲哀の描き方はすごく好き。
暴いてはならない「真実」が明らかになっていく後半の静かな緊張感と、あっけなくも切ない幕切れが、心にとても焼き付けられる作品でした。
ちなみにプレセピオってクリスマスに飾るジオラマ模型のことらしい。そしてこの感想記事の更新は12月25日。メリー・クリスマース!

☆あらすじ☆
“人狼”、彼らは一年間に一人、人間を喰らわなくては、その命を保てない。カナガワIII区の新人討伐官・連野壮真は、人に化けて人を喰らう人狼を討伐するため、自らを天使と名乗る同僚の討伐官・篠崎樫乃と任務に励んでいる。共に両親を人狼の手によって失った二人。だが、二人は初めての囮捜査で偶然にも、樫乃の両親の仇である、遺体にV字の傷跡を残す・侵才の人狼《VOLF》の犯行の痕跡を発見する。しかし、樫乃が人狼の正体を見破ることができる《暴きの目》を発現させてしまったことで、二人の運命は大きく変わってゆくこととなり――!? 第12回MF文庫J新人賞受賞、鮮烈の小説デビュー作。これは――決して暴いてはならない真実の物語。

以下、ネタバレありの感想です。
ネタバレを知らない方が楽しめる作品なので、未読の方は要注意。

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カーリー1 黄金の尖塔の国とあひると小公女/高殿円

カーリー <1.黄金の尖塔の国とあひると小公女> (講談社文庫)
カーリー <1.黄金の尖塔の国とあひると小公女> (講談社文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2012年10月刊。初出はファミ通文庫2006年4月刊。
以前から気になっていた「カーリー」シリーズ。
いざ読んでみると、本当に素敵な少女小説として最高でした。
第二次世界大戦という波乱の時代を生きる少女達の、繊細で輝かしい青春を描いた作品。
英国文化とインド社会が混ざり合う不思議な異国情緒に心惹かれつつ、運命と出会った少女の恋と友情から目が離せません。
そして不意打ちで突っ込まれたスパイ&怪盗要素が堪らない・・・!

☆あらすじ☆
第二次世界大戦前夜、故郷ロンドンを離れ、英国統治下のインドへと渡った14歳のシャーロット。駐在英国人の子女が通うオルガ女学院の寄宿舎で出会ったのは、神秘的な美少女・カーリーガードと個性豊かな仲間たちだった。時代に翻弄されながらも懸命に生きる少女たちの姿を描き、熱狂的なファンを生んだシリーズ第一作。

以下、ネタバレありの感想です。

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なんちゃってシンデレラ2 王宮陰謀編 旦那様の専属お菓子係、はじめました。/汐邑雛

なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 旦那様の専属お菓子係、はじめました。 (ビーズログ文庫)
なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 旦那様の専属お菓子係、はじめました。 (ビーズログ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★☆☆
2016年12月刊。
異世界転生&宮廷陰謀劇第2弾。
あんまり話が進まなかったかなぁ。もうちょっとテンポよく展開してほしいかも。
ただ、王太子夫妻が仲良しになっていく姿は、ほのぼのによによできてとても良かったです。

☆あらすじ☆
王太子餌付け作戦甘さ増量で進行中!! 転生幼妻(@33歳)の奮闘第2弾
夫の胃袋をつかむべく、日々おいしいお菓子を作る12歳の幼妻アルティリエ(中身は33歳)。政略結婚の夫との間には、恋愛感情なんて生まれるはずもないと思っていたのに、彼は案外独占欲が強かったようで!?そんななか、王妃主催のお茶会に招かれたアルティリエは、その席でまたも命を狙われ……!?
夫の愛情と共に危険も増量!? 元お菓子職人の餌付け計画第2弾!

以下、ネタバレありの感想です。

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