黒猫邸の晩餐会/嬉野君


黒猫邸の晩餐会 (講談社文庫)
黒猫邸の晩餐会 (講談社文庫)

評価:★★★☆☆
2016年11月刊。
老婦人と謎の和服青年が新婚夫婦のように暮らす家に、奇妙な謎が持ち込まれていく物語。
あらすじで押すほどの「おいしさ」や「ほっこり」はあんまりなかったような・・・・・・。
ただ、探偵役の青年が解き明かす数々の謎めいたエピソードはとても面白かったです。
ラストでちょっと奇妙な世界に迷い込んだような不思議なオチがついたりして、そこも結構お気に入り。

☆あらすじ☆
地味リケジョの律を夕食に迎えたのは、和服イケメンの竜弥とほんわか老女の文絵。謎めいた話を聞き出す竜弥と、五十年前から時が止まっている文絵が交わす会話はまるで夫婦!?見つめるだけで料理をおいしくする不思議な黒猫・フミエも怪しい。おいしさと切なさに溢れるほっこり系ミステリ。

以下、ネタバレありの感想です。

 

破格の奨学金を与えてくれた恩人から、晩餐会に招待された研究者の小窪律
しかしそこに待っていたのは、自分を20代だと思い込む老婦人・楢本文絵と、彼女の死んだ夫と同じ顔で同じ名前を名乗る青年・楢本竜弥だった。

 

・・・・・・文絵さんは認知症だとして、竜弥は誰だよ!?ということでまずギョッとした本作。

「竜弥」の正体は「死に際の祖父から文絵を託された孫息子」だと説明されても、それだけでは納得できないようなミステリアスな雰囲気が気になって仕方がありませんでした。
結局、彼の正体は最後に明らかになるわけだけど、うーん、最後の最後でなんともオカルティック。
こんなにも文絵さんを愛していたのに、どうして裏切ったりしたのか。男女の仲とはかくも摩訶不思議。

 

それはさておき。

 

物語は、竜弥を安楽椅子探偵として、律や今村の過去などの文絵が集めた謎を解いていく連作短編形式で進んでいきます。
この一つ一つの物語は短いながらどれもとても面白かったです。
個人的には律の中学時代の復讐の話がニヤニヤするくらい好き。びしょびしょになって笑う女子中学生2人に煌めく青春を感じます。
今村の話も、最初はすごく重いのだけど最終的には良い話にまとまって安堵。ブラコン可愛くて笑ったw

 

そんな感じで一つ一つのエピソードは良かったし、「竜弥」の正体が明らかになる最後のエピソードも緊迫感にハラハラして面白かったです。まぁ最後のオカルトなオチは、なんとも薄ら寒いものがあったけれど。

もっと分量多くても良かったかなぁと思うものの、帯に「黒猫邸シリーズ開幕」とあるからシリーズ化するのかも?
続刊に期待したいと思います。

 

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