宝石商リチャード氏の謎鑑定3 天使のアクアマリン/辻村七子


宝石商リチャード氏の謎鑑定 (集英社オレンジ文庫)
宝石商リチャード氏の謎鑑定 (集英社オレンジ文庫)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2016年11月刊。
美貌の宝石商と正義漢な大学生が宝石にまつわる謎を解き明かすミステリー第3弾。
今回は謎めくリチャードの過去がどんどん掘り下げられ、正義との関係にも動きが。
ラストに「あああ・・・!」となったので次巻が待ち遠しいです。

☆あらすじ☆
美貌の敏腕宝石商・リチャードの店でバイト中の大学生・正義。
その夫婦は、結婚三十年記念に作る指輪のための宝石を探しているという。だが、二人の想いにはズレがあるようで?(求めるトパーズ)
正義が好意を寄せている谷本晶子が、お見合いをすると告げてきた。自分に止める権利があるのかと悩む正義の背中を、リチャードは押してくれて?(天使のアクアマリン)
宝石を通して見えてくる、数々の人間模様。そして、リチャードの過去が次第に明らかに!

以下、ネタバレありの感想です。

 

今回もいつも通りの連作短編形式。
ただし、いつもとは少し異なる様子のリチャード氏を見せつつ、徐々に彼の過去にピントを合わせていく第3巻でした。

 

トパーズの指輪を買いに来た熟年夫婦の痴話喧嘩に巻き込まれるエピソード。

あそこでリチャードが疲れたような顔をしていたのは過去の自分の失恋を思い出したからだったのでしょうか。
良いところも悪いところも全部知っていて、相手が変わらないとわかっているから言いたいことは飲み込んで、だけどそれが嫌じゃないと言う夫人。
素敵な夫婦のありかたの一つだと思うけれど、それをなんてことなく30年も続けられるのは眩しくて憂鬱になるくらい羨ましいものなのかも。
特に、本当にそうなるのかどうかも分からない未来への不安を一方的に突きつけられて破局したリチャードにはきつかったのでは・・・・・・。

 

リチャードと正義が仮装して、宝石を利用した詐欺集団のところに殴り込み。

リチャードが修羅場慣れしているのはなんとなく察していたけど、キレたらあそこまで冷静に爆走するとは・・・・・・あんなに目立つ顔をさらけだして突っ込んでいくリチャードはたしかに危うい。どこか投げやりな雰囲気を感じますし。
「意思の力を我欲のためにだけ使う人間への憎悪」の根源はどこにあるんだろう。
イギリスの遺産相続の話と関係しているのか、それともドヴルピアンの方での因縁なのか。

 

そういえば今回の表紙はオークションイメージなんですね。
リチャード氏の過去を知る同業者が登場したりする話のはずが、それよりも資生堂パーラーの2回引き返したお姉さんが印象的すぎて笑うw あと伊藤氏の動揺もww
ていうか、おめかしして正義の褒め言葉を要求するリチャード氏はちょっと可愛すぎじゃないですかねぇ!

 

まさかの谷本さんお見合い回。
彼女の結婚観、意外に闇が深くて驚きました・・・・・・これは正義には色んな意味で難敵すぎない?
まぁ、リチャードからヘタレっぷりを懇切丁寧に分析された上、これだけ背中押されてお膳立てされてなお肝心の一言が言えない正義はそもそも救いようがないんですけど・・・・・・。

さて、てっきりここで不毛な片想いが終わってリチャード氏とのラブコメ(?)が始まるのかと思っていたのに、そう単純な話にはならない様子。谷本さん√も一応は残ってる、のかな?

そういえばリチャードの身の上話でかつての恋人との破局が語られた際、「その人」としか言われてないのに男性だって思い込んでいました。でもこれ私だけじゃないのでは。

自身の美貌を呪いだと思うリチャードにとって、「顔を気にしない」と言い放った「その人」と、ストレートに綺麗だの美しいだのぶつけてくる正義って、どういう感じで対比されてるのかな。言ってることは対照的だけど根っこに通じるものを感じるのは、どちらにも気楽な無頓着さがあるからでしょうか。似ている部分を見出してしまうと、過去のきつい思い出までも繋げてしまって複雑な気分になりそう。
シリーズが続けば「その人」が登場したりもするのでしょうか。

その前に、いろんな人に好意を察しされてるリチャード氏が高飛びしてしまったので、まずは彼が戻ってくるところからですが。

 

ほんとにどこへ行ってしまうのか。帰ってくるのか・・・・・・

4巻はやく!

 

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