ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン11/宇野朴人


ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXI (電撃文庫)
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXI (電撃文庫)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2016年11月刊。
天才という名の劇薬を投下する第11巻。
ほぼ内政回だけど、これまでの人間関係をいったん整理する話でもある感じ?
最後の展開にめちゃくちゃワクワクしたので次巻がとても楽しみです。

☆あらすじ☆
イクタ・ソロークの推挙によって、三等文官として国政に携わることになる少女ヴァッキェ。アナライ博士の弟子で、イクタの妹弟子でもある彼女は、たしかに尋常な人材ではなかった。国政の場では、誰もが畏れる女帝が相手であっても理路整然と反論を声高に唱えて周囲を凍りつかせ、日常生活では、シャミーユの食事の場に乗り込んでいって「一緒に楽しく食べよう!」と女帝の顔をひきつらせる…。その無邪気さと人懐っこさと狂気を発揮する彼女によって、硬直した帝国や女帝シャミーユは、どのように変わっていくのだろうか―。

以下、ネタバレありの感想です。

 

第11巻は、イクタ自ら「迷人事」だとのたまう天才少女・ヴァッキェの登場回。
天才を起用して内政を丸投げかなぁ?と思っていたら、それ以上に重要な彼女の役割はシャミーユの精神面のケアにある様子。もちろん内政面でも活躍しててそこも面白かったんですけどね。特に帝政のありかたを示す会議シーンが良かった。

あと、もしかしてヴァッキェはトリスナイのケアもするの?? この組み合わせはアクが強い・・・・・・!

 

天真爛漫でずけずけとモノを言う同世代の少女を相手に、なんだかようやくシャミーユが普通の女の子の顔を見せてくれた気がします。
今までは君主としての強ばった顔か、イクタへの情念がドロドロした女の顔ばかりでしたもんね・・・・・・これじゃあ確かに可哀想だ。

 

ヴァッキェの登場とイクタ自身がちょっと落ち着いたこともあって、今後はシャミーユの心の闇もどんどん掘り下げていく感じになるのかな。
彼女が本当の意味で救われるのはこのシリーズが終わるときになるのかもしれないけれど、ヴァッキェという喧嘩友達の存在が少しは負担を軽くしてくれるといいと祈ってしまいます。

 

それはそれとして、シャミーユとイクタの関係は、正直、ちょっと不安かもしれません。
壊れそうなシャミーユの心を守るようにイクタは溺愛してるけれど、それぞれが抱く感情にはズレを感じるんですよね。親とか子とか言う割にいちゃいちゃしてる描写は過剰に異性愛っぽい感じで(シャミーユ視点だから?)、そこが私には少し気持ち悪く思える。このズレがいつか亀裂にならないといいけれど・・・・・・。

 

イクタのことはさておき、前巻でちょっと引っかかっていたハロについては今回で落とし前をつける形に。
あの拷問シーンは容赦なさ過ぎて震える。いくら禊ぎだからって・・・・・・。
でもシャミーユのためにも自分のためにも、今までの自分に真正面から向き合ったハロはとても素敵でした。生き残ってくれてよかった。

 

内政担当の新キャラと人間関係の整理に終始しつつ、ラストは三国会議という新展開に突入。
キオカのトップとようやく顔合わせかと思ったら、最後に登場した空気読まない天才の元締めに全てを持っていかれたw
次巻も期待しています!

 

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