幸せ二世帯同居計画 妖精さんのお話/五十嵐雄策


幸せ二世帯同居計画 ~妖精さんのお話~ (電撃文庫)
幸せ二世帯同居計画 ~妖精さんのお話~ (電撃文庫)

評価:★★★★☆
2016年11月刊。
「家族」に恵まれなかった少年少女が、一つ屋根の下で「家族」として絆を育てるハートフルストーリー。
主人公達の抱える事情は重くて暗いものだけど、そんな人生の中で掴んだ幸せを大切に抱きしめる彼らの姿に切なくも温かい気持ちになるお話でした。
こういう話、とても好きです。
奇をてらうことなくストレートな展開ではあるけれど、じんわりと優しさを伝えてくる感じに癒やされました。
あと、ヒロインと「妖精さん」の関係がすごく好み。深夜のお茶会、可愛いなぁ。

☆あらすじ☆
とある事情により家を失って公園でサバイバル生活を送っていた俺たち兄妹は、近所で発見した空き家にこっそり移住することに。でも実はそこには同級生の女の子がたった一人で生活していて!?「まさか…まさか、“妖精さん”!?」そしてなぜか“妖精さん”と勘違いされてしまった俺たちは、彼女から隠れたまま奇妙な同居生活を始めることになったんだ。やがて一緒に暮らすうちに、彼女が抱える悩みを知った俺は―。「“妖精さん”はいつでもお前の味方なんだよ!」五十嵐雄策が贈る、新しい“家族”のハートフルストーリー開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

両親を亡くして親戚をたらい回しにされた結果、ようやく手に入れたボロアパートを火事で失いホームレスとなった瀬尾兄妹(ところで主人公は名無しなんですね)
偶然見つけた空き家に勝手に住み着いたところ、実はそこは同級生の成瀬莉緒が一人暮らしをしている家で・・・・・・という感じに物語はスタート。

 

莉緒に気づかれないようにこっそりと始まる「幸せ二世帯同居計画」。
そんな奇妙で一方的な同居生活のなか、主人公は「妖精さん」として、あるいは同級生として、莉緒の抱える問題に関わっていくことになるのです。

 

真夜中に始まる「妖精さん」とのお茶会ってシチュエーションがすごく可愛い!
よく考えたら不審者(と言われても仕方ない男)と美少女が壁越しに語り合っているというホラーな状況だけど、おとぎ話を素直に受け入れる莉緒の素直さにほっこりしてしまいました。ツンデレなのにたまに夢見がちな乙女思考がもれちゃうところが可愛すぎるw

 

まぁでも、あのときの莉緒は謎の妖精さんにしか心を開けない状況だったのかもしれないし、そうだとすると胸が痛むのですが。

 

主人公兄妹も、莉緒も、途中で(いや最初から?)同居に加わった中学生・佐藤向日葵も、同居する4人はそれぞれが普通の人よりも苦しい人生を歩んできた少年少女。
最初は「保護者を持たない未成年だけで一軒家暮らし」という状況に少し引っかかりを覚えていたのですが、これってそういう状況に周囲の大人が追い込んだってことですよね・・・・・・。
主人公と莉緒がフードコートで見た「泣き叫んでいるのに周囲から無視されている子ども」が、彼ら自身の人生を表しているように思えて、あのシーンは地味に印象的でした。

 

そういう暗い境遇を思うと哀しくなるものの、基本的にはこの作品は優しくて温かみのあるハートフルな物語。
それぞれが「家族」に恵まれてこなかっただけに、人一倍「家族」という絆を大切に想っていることがすごく伝わってくるし、それを大事に守っていこうとする姿にじんわりと感動しました。
家を守ろうと頑張る最後のエピソードはすごく良かったけれど、小春の授業参観ですでに涙腺がゆるゆるだったんですよね。いつまでも幸せに暮らしてほしい・・・・・・。

 

一応きれいに話はおわっているけれど、もしシリーズ化するならぜひ続きが読みたいです。

 

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「幸せ二世帯同居計画 妖精さんのお話/五十嵐雄策」への2件のフィードバック

    1. ちゃーこりんさん、コメントありがとうございます。

      ラブコメ!ありますよ!!
      主人公と表紙ヒロインがデート行ったりしますし、かなり良い雰囲気になりします。ラブコメ度数は高めかと。

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