侍女ですが恋されなければ窮地です/倉下青


侍女ですが恋されなければ窮地です (一迅社文庫アイリス)
侍女ですが恋されなければ窮地です (一迅社文庫アイリス)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2016年10月刊。
New-Generationアイリス少女小説大賞「銀賞」受賞作。
詐欺師の才能があると太鼓判を押された侍女が、駆け落ちした姫の代わりに傭兵隊長をタラシ込もうとがんばる身代わりラブコメ。
全体的にテンポは良いのですが、脇キャラが魅力的すぎるのも考えものかなと思ったり。
侍女と傭兵隊長のラブコメより、侍女と公妃の腹黒コメディの方が楽しかったんですよね。まぁ面白かったし良いか!

☆あらすじ☆
傭兵隊との契約更新のための結婚? 大切な姫様を野蛮な傭兵隊長になんて渡せません! 公国の姫に、継母から持ち込まれた傭兵隊長との政略結婚。侍女マリアダは、秘密裏に姫を恋人と駆け落ちさせることに成功!――したものの、怒った公妃から姫のふりをして傭兵隊長を誘惑し契約更新を取り付けるよう命じられる。姫の幸せを守るため、マリアダはしぶしぶ身代わりとなるが……。侍女と敏腕傭兵隊長の身代わりラブファンタジー★

以下、ネタバレありの感想です。

 

継母である公妃からイジメをうけてきた公姫を、無事に駆け落ちさせることに成功した忠義の侍女・マリアダ
しかし見返してやろうとした公妃テレーザから、国のために傭兵隊長・ジルヴィーノを誘惑して引き止めろと命令されてしまったため自身は逃亡に失敗。
仕方なくマリアダは侍女としてジルヴィーノの好みを調べつつ、公姫のフリをして彼をタラシ込もうと奮闘するが・・・・・・というストーリー。

 

髪の色を変えたり化粧や目薬で顔の印象を変えたところで、あれだけ侍女として遠慮なくやりあってたら、そりゃバレるだろ・・・・・・とか思うんですけど、どうなんでしょう。
まぁこういう疑問は入れ替わりモノにおいては無粋なんですけど。分かってるけど気になっちゃう。

 

それはさておき、本作はとにかくキャラが良かったと思います。

 

まず主人公のマリアダの小賢しさが好きでした。憎々しいテレーザにざまぁしてやろうとするところとか、なかなかの腹黒さ。
主筋にあたるはずテレーザとの嫌味合戦は最高でしたしね。もう少しオブラートに包もうよ!と思いつつもニヤニヤ。こういう慇懃無礼キャラは良いものです。

ただ惜しむらくは、ジルヴィーノに振り回されているうちに普通の女の子になっていってしまったところ。
冒頭の「悪魔の微笑」キャラをもっと前面に押し出してほしかったなぁ。腹黒と純情は両立すると思うので、どちらも目立たせつつギャップで魅せてほしかったです。

 

対して、敵対関係にあるはずのテレーザはどんどん魅力的な存在になっていったと思います。
計算高くて人を利用することを何とも思わないんだけど、そのくせ愛嬌があって憎めない。
ラストの機転をきかせるシーンとか普通に格好良かったですから。
マリアダの魅力を最大限に引き出せるのがジルヴィーノじゃなくてテレーザなのはどうかと思いましたが、それでもふたりの喧嘩仲間みたいな息の合った掛け合いは楽しかったです。

 

二人に比べると少し劣る存在感だったのは、ヒーローであるジルヴィーノ。
うーん、やってることも言ってることも格好いいはずなんですが・・・・・・テレーザよりはいまいち目立てなかったかなぁ。というかテレーザが目立ちすぎなのか。
もうちょっと傭兵隊長らしい強かさがあると良かったかもしれません。マリアダを侍女のままもらってましたけど、公妃夫妻の養女にしろ!くらいな交渉はしてもよかったのでは(そういう話が冒頭に出てなかったっけ?)

 

色々引っかかる部分はあれど、全体的なテンポが良くてサクサク楽しめるラブコメでした。
新人さんなので、今後にも期待したいと思います。

 

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