悪辣執事のなげやり人生/江本マシメサ


悪辣執事のなげやり人生 (レジーナブックス)
悪辣執事のなげやり人生 (レジーナブックス)

評価:★★★★☆
2016年10月刊。
とっても面白かった!
傍若無人な女執事が、家族関係が壊れた伯爵家を振り回していくうちに彼らを変えていく、というお仕事小説。
主家への忠誠心はなく、要領がよくて図太い性格。しかし仕事ぶりは有能。そして色っぽさは未亡人級、という女執事のキャラクターが最高に好みでした。
飄々とした物言いで相手を挑発してニヤッと笑うところなんか、こちらもつられてニヤニヤしてしまいますw
人生なげやりの女執事と人生やけくその元軍人伯爵のラブコメとして笑えて萌えて楽しい作品。特に伯爵のヘタレでやけくそ気味な奮闘は必見です。

☆あらすじ☆
貴族令嬢でありながら工場勤めをしている苦労人のアルベルタ。けれどある日、国内でも有数の大伯爵家からなぜか突然の呼び出しが……。てっきり厄介事に巻き込まれるのかと思いきや、なりゆきで使用人にならないかと持ちかけられる。その厚待遇に思わず引き受けたところ、よくよく聞くと、命じられたのは執事の仕事だった!
かくして女執事となったアルベルタだが、伯爵家の複雑なお家事情と気難し屋の旦那様に早くもうんざり!
あきらめモードで傍若無人に振る舞っていると、使用人らしからぬその態度が家人を振り回し、事態は思わぬ方向へ動き出し――?

以下、ネタバレありの感想です。

 

田舎の子爵令嬢だったが両親とそりが合わずに家を飛び出し、勤労少女として生きてきた26歳のアルベルタ
女中として可愛がってくれたガーディガン伯爵家の亡き大奥様が遺した手紙をきっかけに、アルベルタはガーディガン伯爵家の女執事として働くことになるが、そこは前当主の愛人問題のせいで家族関係が崩壊した家で・・・・・・という感じに物語はスタート。

 

この女執事アルベルタの言動がとても痛快。
仕事は期間限定と割り切っているから熱意もやる気もなく、手を抜けるところはばっさり手を抜き、朝食を取る時間がなければ伯爵の余り物をこっそりもぐもぐし、ふさがった両手の代わりに足でドアを押さえつける。これは見つかったら怒られる!って行動を平気でするし、見つかってもしれっと澄まし顔。
自分を無視する当主には笑顔で挑発、勤務内容を超えた要求には酒で取引。

「(休暇願いを通すために)旦那様の言うことをなんでも聞きますので」
「普通、使用人は主人の言うことをなんでも聞くものだろうが」
「あ、そうでしたね」

っていう会話に伯爵家の主従関係があらわれてますね。もっと敬ってあげて!
そのくせ仕事ぶりは有能で気配り上手。性根は真面目で優しいものだから、あくどい振る舞いですらなんだか憎めず全てが彼女の魅力となるのです。

 

あと色気たっぷりなのが良いですよね←
男装すると色気がこぼれ、ドレスアップすると色気があふれ・・・・・・。
色っぽすぎて未亡人のようだと言われるヒロインってww

 

そんな型破りな女執事に振り回されるガーディガン伯爵家。
最初は伯爵家の重すぎる家庭事情にドン引きしていたのですが、アルベルタのペースに巻き込まれて徐々に変わっていく伯爵家にワクワクしました。
特にツンデレ令嬢イザドラは可愛くなったなぁ。まぁこんなヅカ的イケメン執事に懐いていたら普通の恋ができなくなるのでは・・・という別の心配が浮かんできましたが(巻末短編的にシスコン兄も出来たようだし?)

 

なにより、最も大きく変わったのは伯爵家当主であるヴィクターでしょう。
家族関係にうんざりしている上に戦争帰りでピリピリしていて、序盤なんてセリフ皆無なくらい無口だったのに、最終的にはなんとも立派なヘタレ様になっちゃって・・・・・・w
ヴィクターがアルベルタに振り回されて一喜一憂する姿が楽しすぎてニヤニヤしてしまいました(。-艸-。)
あと個人的に、「初対面だけど実はこういう縁があったんだよ」っていう設定が大好物なんですよね。
ふたりの初恋を思うときゅんきゅんするし、現在のすれちがいに大いにムズムズさせられました。

 

アルベルタとヴィクターのラブコメはどこを切り取っても面白いけれど、特にお気に入りは金貨で取引(してしまった)シーン。
ヴィクターのやけくそ気味な奮闘に笑ったし、それを軽くいなしたように見えたアルベルタの直後の姿にはきゅん死にするかと_(:3 」∠ )_
お互い、早く素直になればいいのに!

 

主人公のキャラは魅力的だし、お仕事小説としてもラブコメ小説としても最高に楽しい作品でした。

アルベルタがようやくヴィクターを眼中に入れたイイところで終わってしまったので、ぜひ!ぜひ!この続きが読みたいです!
ちゃんと続刊が出ることを切望しつつ、なんでWEB掲載時に読んでおかなかったんだと自分に腹を立ててます。

お願いだから2巻をはやく〜〜〜!!(*´Д`*)ノ))

 

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