公爵令嬢の嗜み 1・2/澪亜


公爵令嬢の嗜み (カドカワBOOKS)
公爵令嬢の嗜み (カドカワBOOKS)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
1巻:2015年11月刊、2巻:2016年4月刊。
面白かった!
悪役令嬢転生のテンプレに添いつつも、バッドエンドからスタートして内政モノへと移行する物語。
政治も経済も華麗にこなす公爵令嬢の有能さが爽快で楽しく、テンポの良い話運びも好みでした。
万能な働きをみせる一方で、傷ついた心を抱えるヒロインの再生の物語としても良かった本作。
ほのかに漂うラブロマンスに救いを求めつつ、3巻以降も楽しみでしかたないシリーズです。

☆あらすじ☆
バッドエンドから始まる、公爵令嬢の逆転劇――!!
「これって乙女ゲームのエンディングシーン?」前世の記憶が甦ったのは、床に押さえつけられた公爵令嬢(私)が婚約者の王子に婚約破棄をされる場面。設定通りだと、この後は教会に幽閉というバッドエンドで――!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

前世でプレイした乙女ゲームの悪役令嬢に転生していたアイリス
しかしそれに気づいたのはゲームエンディングの断罪シーン。
婚約者である第二王子に捨てられ、学園と社交界から追放されたアイリスは、領地に戻り、父の意向で領主代行を務めることに。そこから前世の知識を存分に活かしたアイリスの領地改革が始まることになる、という感じのストーリーでした。

 

このアイリスの超人的な働きぶりがとにかく凄まじい。
領主代行として財政や教育などの様々な内政改革に取り組み一方、商会を創設して新商品を次々と世に送り出す。
政治も経済も同時進行でトップを張って成功を収めるってどんな超人ですか。しかもリンスや美容品を再現できてしまう女子力の高さ。万能すぎる・・・・・・!

 

もちろんどれだけ有能でも生身の人間なので、働いたら働いたぶんだけ身体に負荷がかかっていくわけです。
いつ倒れてもおかしくないハードワークと、取り憑かれたようなワーカーホリックぶりに震えるしかありませんでした。ヒロインが過労死しそうだってハラハラする作品ってw

 

人間離れした働きをみせる一方で、傷つきやすく繊細な内面を秘めている人間的な顔ももつアイリス。そのギャップが魅力的なヒロインでした。
中毒状態で仕事にのめり込む理由が切ないんですよね。彼女は何も悪くなくて、ただ立ち回りがまずかっただけなのに・・・・・・。
アホ王子一派にイライラしつつも味方が多いことが救いだったのに、アホ王子のせいでその味方にすら心を預けることができない孤独。誰か彼女を救ってあげて、と祈らずにいられない不憫さでした。

 

アイリスはどうすれば報われるんだろう?
今の仕事が成功しても(そのゴールもよく分からないけれど)、それが彼女の心を本当に救ってくれるのか疑わしい。

鍵を握るのはディーンとの関係になるのでしょうか。
失恋の傷を癒やすのは新しい恋!とか言いたいのではなく、誰かを心から信じてもいいとアイリスが思えないことには彼女の心が救われたとは言えないだろうし、その相手は今のところディーンしかいないので。
ディーンとの関係は話が進むにつれて少しずつ甘さを感じるようになってきているし(2巻で感情を爆発させるシーンが最高だった)、今後の展開にはとても期待したいところ。ただまぁ気がかりなのはディーンの思惑ですが・・・・・・さて、どうなっていくのだろうか。

 

アイリスとディーンの関係だけでなく、彼らを取り巻く情勢が次第に不穏な気配を漂わせているのも気になるところです。
特にゲームヒロインであるユーリの得体の知れなさが怖い。彼女の無邪気にみえる言動に意味はあるのかないのか。
国内も国外も荒れそうな空気のなか、アイリスの領地改革はどうなっていくのでしょうか。

3巻以降の展開も楽しみです。

 

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