雪侯爵の銀灯師 みせかけ夫婦と王宮の庭/白川紺子


雪侯爵の銀灯師 みせかけ夫婦と王宮の庭 (コバルト文庫 し 17-11)
雪侯爵の銀灯師 みせかけ夫婦と王宮の庭 (コバルト文庫 し 17-11)

前作の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2016年10月刊。
「公爵夫人は銀灯師」と同じ世界観で描かれるファンタジー。ただし前作と共通の人物が少し出てくるだけで、物語としては独立しています。
個人的には前作よりもこちらの方がとっても好み。
抱える秘密のため、互いに本当の想いを隠さなければならない偽装夫婦の切なくて焦れったい恋模様が素敵でした。
表題作以外の2本の短編も面白いのですが、最後の短編が特に素晴らしくてぜひ読んでほしい。

☆あらすじ☆
侯爵ヴィクトルは義兄の国王から結婚を催促され、銀灯師エミリアと偽装結婚することに。だが二人で王宮を訪れた夜、魔物が出現し、王国の秘密に関わることに!? 素直になれないじれラブ・ファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

 

兄王からの結婚話を避けるため、偽装結婚することになった「雪侯爵」ヴィクトルと彼のお抱え銀灯師エミリア

 

ヴィクトルへ想いを寄せながら、エミリアはこの「結婚」を喜ぶことができない。なぜなら彼女は彼を裏切っているから。
そしてヴィクトルもまた、自分の本当の気持ちをエミリアに伝えることができない。なぜなら彼は彼女の裏切りを知っているから。

 

うわぁ〜〜〜切ない〜〜〜〜って読みながらジタバタしました。
ニセ夫婦ものでこういう切ない恋心を描いた作品って最高ですね。なんかもう切なくて切なくて胸がぎゅっと締め付けられる感じ。
夫婦を演じる2人のやりとりは甘いのに、そこに痛みが伴うところがまた良いのです。

 

「秘密」がバレたらもう一緒にはいられなくて、でも一緒にいながら「秘密」を抱えることも辛い。
そうやって悩み苦しむエミリアの姿はとても切ないのだけど、全てを知りながら口をつぐむヴィクトルの内心が・・・・・・内心が・・・・・・。切ない恋心とほの暗い独占欲が素敵に混じり合っていて大変美味しかったです。これは悶えた。

 

そして最後は綺麗に大団円(これほんと大事)。
OKの返事に「ほんとうに?」「え、いいの?」って何度も確認しちゃうところとか、キスするたびにはにかむところとか、ようやく報われたヴィクトルの可愛さに撃ち抜かれましたw

 

 

ヴィクトルとエミリアの息子エリアーシュと、彼が見つけた雪狐のような少女の初恋を描いた短編。

「一人前になったら迎えに行く」っていうのは幼いカップルにしてほしい約束ナンバーワンですね。可愛すぎか。

まぁ迎えにいった先に待っていたのはたくましく育った少女なんですけど。
「不明確な約束をもとに人生設計なんてたてられないでしょ」には笑ったwたしかにw

 

 

表題作に登場した魔術師アロイスと、赤い髪のサラ王女の恋を描いた短編。

サラ王女の両親についてはスキップされてしまいました。いつか描かれるとおもってたのに。王様のデレが見たかった・・・・・・。

それはさておき、この話はとても短いのにめちゃくちゃ良かったです。
特にラストが本当に素敵。
最期の瞬間に報われる物語って、どうしてこんなに美しく感じるのでしょうか。

 

 

とても良い少女小説でした。
今までに読んだ白川紺子作品の中で一番好きかも。
白川さんの次回作にもとても期待しています!

 

 

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