令嬢鑑定士と画廊の悪魔/糸森環


令嬢鑑定士と画廊の悪魔 (角川ビーンズ文庫)
令嬢鑑定士と画廊の悪魔 (角川ビーンズ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2016年10月刊。
病弱令嬢と毒舌悪魔が、悪魔が潜む絵画を探すというファンタジー。
人外×美少女で、契約主従で、絵画に悪魔や宗教が絡むゴシックな雰囲気があり・・・・・・という、美味しいものが詰め込まれてますね!な作品でした。
主人公ふたりがローテンションな割に、掛け合いやノリがテンション高めなところがシュールな面白さを生んでいたと思います。
まだまだ序章な物語だけど、続けば更に面白くなりそうな予感。期待しています!

☆あらすじ☆
契約する。私に飼われなさい――令嬢と悪魔、秘密の関係とは……
絵画好きの伯爵令嬢リズは、叔父の画廊の臨時管理人ジョンから「あんたをくれ」と告げられる。それは恋ではなく、リズの持つ“絵画に棲む悪魔を見抜く目”が必要だから。実は悪魔のジョンに契約を迫られたリズは!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

あらすじを全然読んでなくて、ヒーローの偽名くささにギョッとしてしまいました。悪魔だったのか・・・・・・!

 

主人公である伯爵令嬢リズは、病弱で絵画好きで、コミュニケーション能力と表情筋が死んでいる系の美少女。
そんな彼女のもとに婚約話が舞い込む一方、リズは叔父の画廊で臨時管理人を務めるジョン・スミスが悪魔であることを知る。
ジョンが探しているのは、作家が無自覚に冒涜を描いた「歪画」に潜む、前契約者を殺した悪魔
歪画を見抜く「至聖の目」を欲したジョンと仕方なく契約を結んだリズは、彼と共に歪画を探すことになり・・・・・・というのが本作のストーリーです。

 

ヒロインのリズがローテンションな方向に突き抜けた変人で、そこがまず楽しかったw
人には見えないモノが見えるから孤独な幼少期を送ったというのは可哀想な過去だと思うのですが、それはそれとして変人なのは地だろう!と思わずにいられないんですよね。全く空気が読めないわけじゃないけれど(母のキレ具合は判断できるようだし)、空気を読むのが遅すぎるw
表情筋は死んでるのに無口ではなく、むしろ好きなものに対して饒舌なところも笑いました。あとジョンとの付き合いでたくさん驚くことが起こるのに、驚きすぎて一周回って無反応になるところとか。
これをクール系と呼ぶのだろうか・・・・・・いやいや、やっぱりただの変人だろうな・・・・・・。

 

そんなリズと主従契約を結ぶことになる悪魔のジョン。
口調はぞんざいで敬語も頻繁に忘れる基本毒舌なジョンですが、「愛するように仕える」という契約を律儀に履行してるところが楽しいヒーローでしたw
病弱お嬢様を甲斐甲斐しくお世話する従者かー。好きなやつだなー。
それでいて悪魔らしい妖しい魅力もあったりして。リズはジョンに懐柔されつつあることを気にしていたけれど、むしろ終盤の雰囲気はジョンのほうがリズに執着していたような? 悪魔の内心が気になるところでした。

 

どっちもどっちな変人主従が探す歪画を巡るストーリーもなかなか面白かったです。
最初ちょっと歪画関連の設定が呑み込めなくて戸惑ってしまったのですが、理解した次の巻は最初から楽しめるはず。
完全にファンタジーな世界観なので絵画関連の設定や解説も創作だとは思うのですが、それでも絵画の図像解釈は面白かったし、もっと読んでみたいです。でも歪画のイラストがほしいなー。

 

そしてちょっと気がかりだったリズの婚約者の件。
ヒーローはジョンになるんだろうし、そうすると婚約は最終的に解消するんだろうなぁと予想はしていたのですが、まさかこんなオチになるとは。
貴族と平民の身分差恋愛って響きだけはロマンチックだけど、オチをリアルに考えるとえげつないよなぁと苦い気分になりました。まぁでもエミルにとって都合のイイ話に終わらなかったことにスッとする気持ちもあったりw

 

さて、リズとジョンの歪画と悪魔探しはまだまだこれから。そもそもまだ「令嬢鑑定士」にもなってませんしね。
予定している物語を全て描ききってくれることを祈っています。次巻も期待!

 

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