少年Nのいない世界 01/石川宏千花


少年Nのいない世界 01 (講談社タイガ)
少年Nのいない世界 01 (講談社タイガ)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2016年9月刊。
異世界にバラバラに飛ばされた7人の(元)小学生が、苦難にまみれた5年を経て再会していく物語。・・・・・・なのかな。
この1巻は序章的で群像劇のように少しずつ描かれていくため、なかなか全容が見えてこないんですよね。
ただ、戸惑いながらも再会を喜ぶ少年少女の心情や、その再会の裏に感じる不穏な気配など、物語の続きを知りたくなる魅力をもった作品だと思います。
予想外にSFテイストの強い異世界(宇宙SFとみても良さそう)だったのも面白かったし、これは続きに期待できそうな新作。
YA! ENTERTAINMENTでスタートするシリーズ「少年Nの長い長い旅」とどの程度関連があるかは分かりませんが、そちらもチェックしなければ!

☆あらすじ☆
猫を十三匹殺して、その首を村田ビルディングの屋上から投げ落としたあと、自らもダイブすれば、異世界にいくことができる。この都市伝説は真実となってしまった――。最果ての地に飛ばされながらも、誰も知らない世界で居場所を見つけ、なんとか生き残ったクラスメイトの一人・糸川音色。かつての級友たちは、無事なのか、いったい今どこで何をしているのか。後悔と孤独を抱える音色のもとに、過去を知る人物が現れるが……。

以下、ネタバレありの感想です。

 

都市伝説「猫殺し13きっぷ」の犯人を追っている最中、異世界に落ちてしまった7人の小学生たち。
3つの太陽と複数の居住型惑星が存在する異世界に、バラバラに飛ばされた彼らは、その後の5年間を言葉も分からない世界で孤独に生き抜くことになる。
しかし、魚住二葉によって探し出された仲間たちは少しずつ再会を果たしていき・・・・・・という感じにストーリーが進んでいきます。

 

まず驚いたのはスケールの大きな宇宙が舞台となっていたこと。
たくさんの居住可能惑星が存在し、惑星間を自由に行き来できるほど科学文明が進んだ世界。
この各惑星間には文明レベルに明確な差があり、古代レベルから近未来レベルまで多様。そして遅れた文明に先進技術を持ち込んではならないことが厳格なルールとなっている。
なので、この異世界にバラバラに落とされた小学生たちの境遇もまた多様になってしまうのです。
古代文明に落ちた子もいれば、SF世界に落ちた子もいる。
この違いが彼らの5年間に及ぼす影響は大きいのですが、いずれにとっても過酷な試練となったことが共通しているのが切ない・・・・・・。

 

魚住二葉が再会を果たしていく順に、少しずつ少年少女たちの5年間が描かれていくわけですが、最初に悲惨だと思った岩田波留斗の人生は比較的マシな方だったとは。
栄光をつかんでいるかに見えた糸川音色の過去とか衝撃でした。目を付けた相手がタチ悪すぎる。菅沼文乃が置かれている環境も酷いですしね・・・・・・。

 

過酷な人生のなかで希望だったはずの再会。
それを素直に喜びながらも戸惑いを抱いてしまうというのが、彼らの心についてしまった傷の深さを思わせるようでした。

 

さて、全員が登場しないまま1巻は終わってしまいましたが、タイトル的に五島野依の登場はないのでしょうか?
彼の存在感はひときわ大きかったのですが、野依が主人公となるのは「少年Nの長い長い旅」の方でしょうし。個人的には音色と過ごした日々がどんなものだったのか詳しく知りたいのですが、そこらへんも書かれているかな?

 

「少年Nのいない世界」に野依が登場するのかは分かりませんが、とりあえず気になるのは何か裏がありそうな二葉の行動の理由。
この再会は悪意によって仕組まれたものだったりするのでしょうか。彼女に対して仲間たちが抱いた違和感が何を意味するのか・・・・・・。

 

続きがとても気になります。

 

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