やがて恋するヴィヴィ・レイン1/犬村小六


やがて恋するヴィヴィ・レイン 1 (ガガガ文庫)
やがて恋するヴィヴィ・レイン 1 (ガガガ文庫)

評価:★★★★☆
2016年9月刊。
「とある飛空士」シリーズの犬村小六先生の最新作。
妹の願いを叶えるためにヴィヴィ・レインを探す少年の物語です。
前作は「恋と空戦」の物語だったけれど、今作は「恋と会戦」の物語。
ロボットが躍動する過酷な戦場をメインに描きながら、背景にある中世的な世界観とファンタジーあふれる設定の調和がお見事でした。
激動の時代のはじまりを予感させるなか、主人公や彼の周囲の人々にどんな運命が待ち受けているのかとても楽しみです。

☆あらすじ☆
「ヴィヴィ・レインを見つけて」。義妹の願いを胸に、スラム街の少年は旅に出る。限られた命を生きる人造の少女と意志を持つ機械兵。滅びゆく王国の姫、性別不詳の天才操縦士、皇帝に捨てられた侍女の子ども…。旅の途中、それぞれの傷を抱えた仲間たちと出会い、やがて少年は「災厄の魔王」と称され、楽園に支配された世界へ反逆の旗を翻す。ヴィヴィ・レインを捜す、ただそれだけだった小さな旅はいつしか時代のうねりとなり、世界を変革する戦いへ―。傷だらけの少年少女が織りなす恋と会戦の物語、開幕。

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語の舞台となるのは、エデン、グレイスランド、ジュデッカの三界が存在する世界。
この第1巻では三界の中心にあるグレイスランドのガルメンディア王国とテラノーラ事前同盟の戦争が描かれていきます。

 

まず面白かったのは、このグレイスランドの戦争にエデンの存在が大きく関わっていること。
グレイスランドの人間がエデンに行くことはできないけれど、エデン人は飛行戦艦に乗って物見高い雰囲気でグレイスランドにやってくることができる。
戦争を繰り広げる地上の様子を天上からニヤニヤと眺めるエデン人、という構図のようですね。とても感じが悪い。
しかも、会戦において重要な役割を果たす各種の機械兵(ロボット!!)はエデン人がポイントに応じて送りつけてくるものだったりして、戦争を弄んでいるような意地の悪さに思わず顔をしかめてしまいます。

 

でもエデンはグレイスランドの戦争をショーや賭けごととして楽しんでいるだけなのかな・・・・・・?
ジュデッカも含め、三界には更に大きな秘密がありそうな予感。ワクワクしますね!

 

戦争と言えば、この世界の戦争って随分と律儀?
あれしてはダメ、これしたら抗議、ルール違反は功労者も罰する。
条約を偉そうに振りかざす貴族たちには困惑してしまうほど。
もはや騎士道というよりスポーツマンシップに近い何かを感じてしまいましたが、そこから生まれるどうしようもない理不尽があまりにも不穏。これは火種になりそうな気が・・・・・・。

 

そんな戦争の中、王女ファニアによって近衛に取り立てられた主人公ルカ・バルカ
逃避行のなかで距離が近くなっていく二人の関係がすごく甘酸っぱくてドキドキしました。でもラストが不穏すぎて泣きそう。犬村さんだもんなぁ。大丈夫かなぁ。

 

現在のルカにとって唯一にして最大の目的は、亡き妹シルフィの願いを叶えるために「ヴィヴィ・レイン」を探すというもの。
ただ、それだけに終わりそうにない雰囲気にハラハラするんですよね。「災厄の魔王」と「悲劇の王女」ってどういうこと・・・・・・悲恋なのかな?

 

そもそもヴィヴィ・レインとは何なのか。

人じゃない可能性も考えていたのですが、最後の一文であっさり否定されてしまいました。
うわーっ、このパターンかー!!とニヤニヤw

 

1冊をかけてようやくスタートラインについたシリーズですが、確実に面白くなりそうな設定に期待が高まっています。
ロボット大活躍な「会戦」も楽しみだし、ルカたちの「恋」もどうなるのか気になって仕方ありません。
次巻もとても楽しみです!

 

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