外資系オタク秘書 ハセガワノブコの華麗なる日常/泉ハナ


外資系オタク秘書 ハセガワノブコの華麗なる日常 (祥伝社文庫)
外資系オタク秘書 ハセガワノブコの華麗なる日常 (祥伝社文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2015年6月刊。
外資系銀行に勤める腐女子な秘書が主人公のオタク日常コメディ。
主人公のディープなオタク脳っぷりにめちゃくちゃ笑いました。華麗なるキャリアを支えたオタクコンテンツへの愛には感動するしかないw
オタクな交友関係を満喫しながらもセレブの世界に顔を出したりするノブコによって、様々な価値観が浮き彫りになってくるのも楽しい作品。
ラストのフラグブレイクにびっくりしたけれど、それも含めてとても楽しい1冊でした。

☆あらすじ☆
アメリカの名門大学卒にして、外資系銀行秘書のハセガワノブコ。華麗なる帰国子女の正体は、筋金入りのオタクだった!婚活より、イケメンより、ブランド品より、アニメ鑑賞や、オタ友とイベントに繰り出すのが至福の時間。なのに、最近公私ともにトラブル&バトルが…。今こそ真のオタク魂(だましい)が試される!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

生粋のオタクにもかかわらず、父親の転勤によって強制的にアメリカに連行され、そのまま大学卒業までアメリカで過ごしたハセガワノブコ
念願叶って帰国を果たし、外資系銀行で秘書となったノブコは、会社やセレブの友達絡みでハイソなお付き合いを(嫌々)しつつも、従兄弟・タツオや個性豊かなオタ友たちと一緒に楽しく賑やかなオタク人生を満喫するのだった・・・・・・という感じのストーリー。

WEB小説に親和性がありそうな語り口と構成で、小さなエピソードを積み重ねながらノブコの日常生活を描いていく作品でした。

 

まずなにより、この主人公のオタクマインドがとっても楽しかった!
途中でタツオから「お前の人生におけるプライオリティの付け方は、ちょっと問題がある」との指摘があるように、色々と人生における優先順位がおかしいノブコ。
マンガ、アニメ、同人誌がない世界(外国)には二度と行きたくない、全部揃ってる日本万歳!なノブコの頭の中はディープなオタクっぷりが本当に酷くて、読んでるだけで笑えてくるのです。
いやー、ここまで何かに夢中になれたら人生幸せだろう。いっそ清々しい。
彼女の優先順位について他人は眉をひそめるかもしれないけれど、私は「それ・・・ほんとそれ・・・わかる・・・・・・」と深々と頷いてしまう部分がとても多かったですw

 

そういう経緯から外資系秘書とオタク腐女子の2つの顔をもつに至ったノブコ。
物語では、彼女のライフスタイルに合わせ、会社絡みのエピソードとオタク絡みのエピソードが交互に描かれていきます。

片やセレブなパーティーやイケメン外国人が数多く登場するきらびやかな世界、片やアニメやBL同人に対する熱烈な話題が飛び交うディープな世界。

あまりにもかけ離れた2つの世界が「外資系オタク秘書」であるノブコを介して1つの物語の中で繋がってしまうのです。
水と油とまでは言わないけれど、ひとつの物語のなかでこの2つの世界が同じような大きさで存在できているって実は結構珍しい作品なのでは。

 

そんなかけ離れた2つの世界が同時に描かれているなかで、強く印象に残ったのは「他人と自分の価値観の違い」でした。

 

オタクとして人生を充実させることしか眼中にないノブコ。
しかし外から見た彼女は、帰国子女で英語ぺらぺら、友人には自慢になるようなすごい人がたくさんいて、ノブコ狙いのイケメンも数多くいる。
それはノブコ自身にとっては特に価値があるものではないけれど、他人にとってはとても価値があることだったりするわけで。
そのために彼女は嫉妬されたり攻撃されたりするのだけど、価値が理解できないノブコには「なぜ嫉妬されるのか」がよくわからないのです。

個人的にはノブコに嫉妬する女性たちの気持ちも分かってしまうので(だってノブコの境遇は普通に憧れるし)、ノブコの空気の読めなさというか鈍感さにイラっとする場面もあったのですが、こればかりは仕方ないよなぁ。だって分からないんだから。

 

結局、人間って自分の築き上げてきた価値観で物事をみるしかないのだし、そこから生まれる「常識」に基づいた行動をとるしかないのかも。
そうすると「それを他人に許容されるかされないか、他人のそれを許容できるかできないか」ってことが問題になるわけだけど、それは時と場合と人にもよるから判断がとても難しい。

押しかけ厨とかカオリさんとかエンドウさんみたいに、他人に攻撃的な価値観や常識をもっている人は不快感しかないから分かりやすく受け入れられないけれど、一方で、エピローグのヒサコさんみたいにぶっ飛んだ価値観を持っていても相性次第では相手に受け入れられることもあるわけですしね。

 

こういう感じで、色んな価値観が登場しては衝突するのが面白い作品でした。
極端に離れた2つの世界をノブコを介してつなげることで、価値観の多様性に幅が出ていたんじゃないだろうか。オタク主人公の使い方が新鮮で良かったです。

 

そういえば寡聞にして知らなかったのですが、押しかけ厨って怖いんですね・・・・・・。
ググったら「G県厨」っていうのが出てきて、これがもう怖面白すぎて震えながら夢中で読んでしまいました。狂ったオタクこわい。

 

この押しかけ厨エピソードのときにすごくイケメンヒーローな存在感を発揮していた岡田氏
だからてっきり彼とフラグが立ったと思っていたのに、なぜかラストで急転直下にオーレとくっついて衝撃を受けました。
一体どこにオーレフラグがあったんだよ・・・・・・丁寧にフラグ立てする少女小説に馴染んでいるとこういうの本当にびっくりするんですけど・・・・・・。オタクなんだからフラグ大事にして!
いやむしろソウルメイトタツオとそのまま仲良し老後生活するんじゃないかとまで思っていたんですけどね。イケメン外人と国際交際ですかそうですか。

 

やっぱりノブコの人生羨ましすぎる! こんなん嫉妬するに決まってるでしょ!

 

ラストの超展開も含め、全編通して面白かったです。笑ったー!
2巻も出ているそうなので、引き続き読もうと思います(^o^)

 

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