女子高生探偵シャーロット・ホームズの冒険 上・下/ブリタニー・カヴァッラーロ


女子高生探偵シャーロット・ホームズの冒険 上 (竹書房文庫)
女子高生探偵シャーロット・ホームズの冒険 上 (竹書房文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2016年9月刊。
シャーロック・ホームズとワトスン博士の子孫である2人の高校生が、学校で起こった連続事件の容疑者となり、その冤罪を晴らすためにコンビを組んで謎に挑むミステリー。
ホームズの子孫がヒロインの女子高生なのですが、彼女がホームズの悪癖まで受け継いでいたのは読んでいて辛いものがありました。というか、ヒロインのキャラや物語での扱い方が、この可愛い表紙からは想像できなかった・・・・・・。
それはさておき、原作を模倣した事件の数々や、シャーロットとジェームズの不安定だけどドキドキする相棒関係など見所の多い作品です。個人的にはミステリーというよりも青春小説として特に推したいところ。
未熟で孤独な天才少女と、ずっと憧れてきた彼女に近づきたい少年のボーイ・ミーツ・ガールものとして楽しめました。

☆あらすじ☆
ワトスン博士から数えて6代目の子孫、ジェームズ・ワトスンはロンドンからアメリカのシェリングフォード高校へ転校した。そこにはホームズ家の5代目にして女子高生探偵シャーロット・ホームズがいた! 美しい黒髪とグレーの瞳を持ち、推理と実験と薬に耽弱するシャーロットと、彼女の“相棒”になりたいジェームズ。……運命のようにふたりは出会い、そして事件は起こった。男子学生が殺され、傍らには蛇が――。 《まだらの紐(ひも)》になぞらえられた殺人事件の第一容疑者になったのはシャーロットとジェームズ……! ふたりはこの謎を解くことができるのか!?

以下、上下巻まとめてのネタバレあり感想です。

 

物語の語り手は、シャーロック・ホームズの相棒・ワトスン博士の子孫であるジェームズ・ワトスン
幼い頃から同い年であるホームズの子孫・シャーロット・ホームズに憧れを抱いていたジェームズは、アメリカの全寮制高校で念願叶って彼女との出会いを果たす。しかし、直後にシャーロットとジェームズの両方に因縁のある男子学生が殺害され、容疑者とされた二人は協力して事件の謎に挑むことになるのです。

 

探偵役のシャーロットが良くも悪くも刺激的な作品でした。
「シャーロットと死んだ男子学生の因縁」に初っぱなからビックリした上に、彼女は重度のドラッグ中毒(そこはご先祖に似なくてもよかったよ・・・)。
個人的にはまさかのヒロイン像でした。表紙的にちょっと油断してた。
さらに下巻で明かされたシャーロットの過去が衝撃的。
動機があまりにも・・・・・・うーん。感情に振り回される天才の厄介さをしみじみ感じたり。
未熟なのは16歳だから仕方ないのかもしれないけれど、シャーロットは能力と精神が釣り合ってない感じにひどくハラハラしました。

 

そんなシャーロットの無二の相棒となっていくジェームズ。
彼もまた未熟なところが多くて、何度もシャーロットと衝突するし、頭に血が上りやすいのか割と暴走しがちな少年。
そんな彼を語り手として物語が綴られていくわけですが、憧れてきたシャーロットの相棒として認められようと必死になりながらも、高まっていく彼女への不信感に懊悩するジェームズの内心描写はとても読み応えがありました。
全てを教えてくれないくせにジェームズにだけはシャーロットも年相応な顔をみせるから(「ダンスをするためだね?」には笑ったw)、彼がシャーロットにどんどんハマっていくのも分かるんですよねぇ。
ミステリアスで孤高の美少女が自分だけに懐くっていうシチュに燃えない少年はいないはず。私も萌えた←

 

衝突と和解を繰り返し、やがてお互いがいないと生きていけないレベルになっていくジェームズとシャーロット。
雪のなかで抱き合うシーンはうっかりときめいてしまいました。世界で二人きり的な雰囲気は素敵すぎる。美味しい。

ラストの会話とか本当にバカップルだし、エピローグのシャーロットはノロケてるとしか思えなかったし、最初のギスギスした関係からよくもまぁここまで仲良しになれたものです。こんなのニヤニヤする以外にどうしろと。

 

シャーロットとジェームズの関係にハラハラドキドキさせる一方で、ミステリーについては期待したものからはズレていたかな、という印象。
「シャーロック・ホームズ物語を模倣した連続事件」から抱いた最初のワクワク感は段々と尻すぼみになってしまいました。モリアーティの名前が出てきたときはテンションがあがったのに。模倣の意味も事件の真相も驚きがなかったんですよね。謎が解き明かされる爽快感がもう少しほしかった。

 

さて、大きな事件を乗り越えたシャーロットとジェームズは、今後どんな活躍をしていくことになるのでしょうか。
彼らは「シャーロック・ホームズとジョン・ワトスンじゃない」というのはまさしくその通りだと思うので、先祖とは違う新たな関係を築いていく二人の今後に期待しています。
でも舞台はアメリカのままなのかー。ロンドンは舞台にならないのかなー。

続刊の日本発売がいつになるか分かりませんが、楽しみに待ちたいと思います。

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。