ギデオンの恋人/石和仙衣


ギデオンの恋人 (講談社X文庫ホワイトハート)
ギデオンの恋人 (講談社X文庫ホワイトハート)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2011年2月刊。
魔法とサーカスによって出会った、お転婆な少女と無口な青年の恋の物語。
最初から最後まで切なくて、胸がぎゅっと締め付けられるような作品でした。二人とも一途すぎるくらい一途なところがまた切ない。
小粋に喋るライオン・ギデオンも魅力的。
ラストはぽろっと泣けてしまったけれど、幸せな夢を見たような気持ちの良い読後感に満足しました。こういう少女小説ってほんと好きだ・・・!

☆あらすじ☆
舞台は聖歴20世紀初頭のアンゲリア王国。裕福な生まれのメリッサ・クリマイヤーは、初めて訪れたサーカスで、無口な綱渡りの青年リンドウと、人間の言葉を話す不思議なライオン、ギデオンに出会う。ある時、メリッサはリンドウとギデオンがまったく歳をとらないことに気がつく。それは、かれらが交わしているという魔法の契約のせいだった――。切なくて思わず涙する、珠玉のラブストーリー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

裕福な資産家の家庭に生まれながら、理由の分からない「飢え」に突き動かされ、誰かに寄り添うために看護師となったメリッサ
徴収された戦地で窮地に立たされたメリッサは、ミステリアスな青年・リンドウと人の言葉を喋るライオン・ギデオンによって命を救われることに。
彼らのことを何も知らないのに、なぜメリッサは強烈にリンドウに惹かれるのか。
その疑問から始まり、記憶から失われてしまったメリッサの恋がどういうものだったのかを時間を遡って紐解いていく物語でした。

 

少しずつ語られていくメリッサとリンドウの恋があまりにも切ない。
魔法によって歳をとらないリンドウが、メリッサを拒絶するシーンが本当に悲しくて、けれどそれ以上に一途に互いを想い合う2人の姿に胸が高鳴ってしまうのです

 

これはまさに、魔法と恋とサーカスの物語。
3つの要素が密接に絡み合って、どこか夢見心地にさせるロマンチックなラブストーリーに仕上がっていたと思います。
冒頭の「恋は夏のサーカスに似ている。」って言葉がすごく良いんですよねぇ。
キラキラとしているけれど、そこにあるのは一瞬の儚さ。その刹那の輝きにどうしようもなく心が惹かれてしまいます。
時間が止まったままのリンドウと時間が進んでいくメリッサの恋は、とてもロマンチックで素敵。そして簡単に崩れそうなその脆さにこそ、どうしようもなくときめいてしまうのかもしれません。

 

あまりにも儚くて、このまま悲劇でもおかしくないなぁと心配していたのですが、ハッピーエンドでとても安心しました。エピローグを読んでいる間、ぐっと胸が詰まって思わずぽろりと泣けてしまうほど。
メリッサの歓喜に心を震わせずにいられないのです。

・・・・・・ラストシーンのあれって解釈が分かれそうな気がするんですけど、この後も二人は幸せに生きていくんですよね?フェードアウトした後で魔法が解けるなんてことはないよね・・・・・・?

 

魔法を使うライオン・ギデオンが引き合わせた二人の恋。
ギデオン自身も小粋で素敵なライオンだったので、彼自身も報われてくれて本当に良かったです。

 

良い少女小説でした。
やっぱり石和仙衣さんの文章って好きだなぁと再確認。新作を楽しみに待ちたいと思います。

 

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