異人街シネマの料理人1・2/嬉野君


異人街シネマの料理人(1) (ウィングス・ノヴェル)
異人街シネマの料理人(1) (ウィングス・ノヴェル)

総評:★★★★☆
1巻:2016年1月刊、2巻:2016年7月刊。
「金星特急」の嬉野君さんの最新作。期待通り、とても面白かった!
祖父が遺したミニシアターを守りたい女子高生と、彼女の前に現れた「兄」を名乗る2人の男。
家族になった三兄妹が、名作映画を鑑賞し、劇中に登場する料理を食し、そして様々な謎を解き明かしていく物語です。
サスペンス色の強いミステリーは面白かったし、映画の小ネタが随所にふんだんに散りばめられているのも楽しい。
何より、ヒロインを中心とするミステリアスな人間関係に目が離せません。
才能の原石を秘めた映画好きのヒロイン、優しげに見えて食えない実業家の異母兄、そして過去が分からない養子の次兄。
彼らの関係に一体どんな秘密が隠されているのか。今後の展開もすごく楽しみです。

☆あらすじ☆
育ての祖父が急逝し、彼の映画館を取り戻す為働くつもりの桃の元に兄と名乗る二人の男が現れて…?シネマティック・ミステリー開幕!

以下、1巻・2巻のネタバレあり感想です。

 

育ての祖父が急逝し、天涯孤独となった少女・矢水桃
祖父の遺した「異人街シネマ」を守ろうとしてピンチに陥ったところを異母兄・三ツ野冬基と養子の次兄・カイに救われた桃は、そのまま彼らに引き取られ三ツ野家で暮らすことになる。しかし桃の出生やカイの素性には何らかの秘密があり・・・・・・というのがメインストーリーとなる本作。

 

謎めいたカイの過去や、行方知れずの桃と冬基の実父、そして桃が矢水家に預けられた理由など、少しずつ真相に近づいてはまた謎が浮かび上がる人間関係がとてもミステリアスで好奇心を刺激する物語でした。
シリーズを通して少しずつ真実に近づいていくのかな。どんな秘密が隠されているのかとてもワクワクします。

 

謎めく人間関係をほのめかしていく一方で、各エピソードは三ツ野家の三兄妹に起こる様々な謎を解き明かす連作ミステリー。
これがまた面白かった。
どのミステリーもハラハラさせるサスペンス色が強いところは好みだし(なんといっても開幕早々銃撃を避けて窓からダイブ!)、そのなかに様々な映画ネタがふんだんに盛り込まれているところも興味深い。

取り戻した異人街シネマで映画を上映したり、三人だけの晩餐会で名作映画に登場する料理をカイが再現したり。映画だけでなく飯テロ系としても優秀なんですよね。

そして桃の豊富な映画知識から飛び出してくる名作映画のタイトルは知ってるものもあれば知らないものもあって、劇中のワンシーンが語られる度にTSUTA●Aに駆け込みたくなってしまいます。いや、映画館に行くべきなのか。

 

ミステリー自体も読み応えがあるけれど、話が進むにつれて三兄妹の連携がとれてくる姿を見るのもとても楽しい作品でした。
特に桃と冬基の人たらし兄妹には血のつながりを感じて思わずニヤニヤw

2巻の誘拐事件のオチがいいんだよなぁ。涙のハグからの「これぐらいでいいですか?」っていう桃のセリフに鳥肌。最初は世間知らずな泣き虫少女だったのに、いつの間にこんなにしたたかに育ったのか。
冬基の教育でどんどん開花していく桃の才能が怖いし、それ以上に楽しみです。

真礼をたらし込んだり、カイの心を少しずつ開かせたりしながらも今はまだ自分の行動に無自覚な桃。だけど意識してこれをコントロールできるようになったら、見た目が可愛い少女なだけに冬基とは違う方向でインパクトある人物になりそうです。というか桃は女優としてもやっていけそう・・・・・・。

冬基自身も飄々としてクセの強い食わせモノだし(そこが本作で1番好きなキャラなのですがw)、末恐ろしい兄妹ですね。魅力的すぎてクラクラします。

 

桃とカイの関係がどうなるのかも気になるところ。
「金星特急」で素敵な恋をたくさん見せてくれた嬉野君さんの作品だけに、本作でもどこかに恋が生まれないかなぁと期待しているんですよねぇ。
恋愛要素は今のところないものの、カイの過去と桃の過去には共通の何かがありそうだし、それが二人の関係に影響していったりするのではないかと推察(妄想)。どんな方向に進むとしても、ただただ楽しみです。

 

はやく3巻が読みたいなぁ!
楽しみに待ってます(^o^)

 

あ、そういえば2巻で月氏が出ましたね。金星特急ファンへのサービスなのかな?

 

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