魔法使いと僕1/十文字青


魔法使いと僕1 (オーバーラップ文庫)
魔法使いと僕1 (オーバーラップ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2016年8月刊。
「灰と幻想のグリムガル」の十文字青先生の新シリーズ開幕。
亜人が虐げられる国で出会った少年と少女の旅を描く物語、になるのでしょうか。
私が今まで読んだ十文字青作品に比べると、アクがそこまで強くなくて柔らかい雰囲気のお話だった気がします(あくまで比較的)
今回は「これぞボーイ・ミーツ・ガールものの序章!」って感じの内容でしたし(伝われ)、色々と興味深い伏線が張られているので無事に続けば面白いシリーズに育つはず。
期待しています!

☆あらすじ☆
少年は故郷と同胞を奪われ一人だった。少女は旅の荷物さえ失い行き倒れていた。カルルとエルシー。貪るように拡大を続ける「帝國」の辺土で二人は出会う――。人と亜人。名も無き小村で身を寄せあい暮らすひとびと。命は散り、花は咲く。コルタポ。辺土の商都。そこではひとがひとを売りさばき、ひとがひとを所有する。逆らいがたきその現実。引き離される二人。果たしてそれは運命なのか。巻き起こる騒乱。糸を引く者。引かれる者。あらがう者。うつむく者。前を向く者。
「ひとを救うのって、簡単じゃないよ。きっと」「死ぬなんて、だめです!」
少年と少女が“生きる”意味を求めて旅する珠玉のファンタジー、ここに開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

イラストがアニメ版グリムガルのキャラデザを担当した細居さんだったのでグリムガルのスピンオフかと思っていたのですが、完全に独立した別シリーズのようですね(たぶん)。

 

物語の舞台となるのは、亜人が奴隷や貧民として虐げられる帝國。
そこで出会ったカルルエルシーは、訪れた街で亜人と人の騒乱に巻き込まれてしまい・・・・・・という感じにストーリーが進んでいきます。

 

全体的にちょっとあっさりめな雰囲気の作品だったかな。
たぶん、薔薇マリやグリムガルみたいな、主人公の思考がグルグルと回転するモノローグがないからそういう印象になるのでしょう。エルシーは普通の女の子だし、カルルもかなりフラットな性格ですしね。つまり十文字青作品にしてはキャラのアクが強くない方だと言えるかも。私見ですけど。

 

内容的には、虐げる者と虐げられる者の衝突が引き起こす争乱を中心に描いていくことになるのでしょうか。
どれだけ優位に立っていても侮っているうちに形勢が逆転することがあるというのはカルルの種族が滅ぼされた事例で示唆されているわけで、帝國内で不満を募らせる亜人の反旗が今後さらに大きくなっていくのかもしれません。問題はそれにカルルたちがどう巻き込まれていくのか、ですが、そのあたりをどの程度描かれていくのかは今後に期待したいところです。

 

亜人と人が憎み合う殺伐とした世界で、優しい心をもって死を忌避してヒトを救いたいと願うエルシー。
甘えたことを言ってるけれど、その甘さをカルルが守っていけたらいいなぁ。
とはいえ、そのエルシーのワケありっぽさが不安ではあるのですが。
ハーデン・ルゲイが完成させろと求める「最後の魔法」ってどんなものなのでしょうか。それが完成したらエルシーに何が起こるのだろう。
二重人格?の「ルーシェ」が何者なのかも気になります。エルシー自身よりもエルシーのことを知ってそうな感じ?

 

最後の展開は、「ボーイ・ミーツ・ガールものの序章といったらこれだよね」と一人でうんうん頷いていました。
でもタイトルはそういうことだったのかー。「魔法使いとボク」だと思ってた・・・・・・。いや、「ボクの魔法」らしいから読み方は合ってるのか??「僕」の意味が予想外だっただけで。

 

騒乱を乗り越え、共に第弐帝都へ向かうことを決めたカルルとエルシー。
二人の旅路がどんなものになっていくのか。亜人の不満がくすぶる帝國で、二人にどんな運命が待っているのか。
二人に目をつけたっぽいキツツキ革命結社アリス、出世を目指すジュスト中尉の存在も気になるところ。
次巻以降の展開がとても楽しみです。

 

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