クシエルの啓示 全3巻(クシエルの遺産シリーズ3)/ジャクリーン・ケアリー


クシエルの啓示〈1〉流浪の王子 (ハヤカワ文庫FT)
クシエルの啓示〈1〉流浪の王子 (ハヤカワ文庫FT)

前巻の感想はこちらから


総評:★★★★★
「クシエルの矢」から始まった神娼フェードルの物語、三部作の最終章。
宮廷陰謀劇が繰り広げられた前二作から一転し、この第三部では神話を紐解いていく壮大で神秘的な世界観に魅了されました。
ファンタジーって素晴らしい!と改めて強く実感。恍惚とするくらい満足しました。
様々な形の愛の物語としても堪能。フェードルとジョスランが大好きすぎて胸が苦しいのですが・・・!
このシリーズ、今まで読んだファンタジーの中でも1、2を争う面白さでした。これから何度でも読み返していきたい作品です。

☆「クシエルの啓示1 流浪の王子」あらすじ☆
フェードルが二度にわたり国家転覆の陰謀を防いでから、はや十年。女伯爵として栄える彼女だが、旧友ヒアシンスを救えずにいることだけが心残りだった。そして、かつて神託が告げた平和な十年間が過ぎた日、フェードルのもとに幽閉中のメリザンドから便りが届く。それは最愛の友とひとりの高貴な少年を救いだすための、想像をはるかに超えた長い旅のはじまりであった…絢爛たる歴史絵巻の掉尾を飾る第三部、いよいよ開幕。

以下、各巻のネタバレあり感想です。

 

2010年6月刊。
第三部開幕。
第二部ラストから10年が経ち、正式に伴侶となったフェードルとジョスランの関係も安定した様子。ていうかめっちゃイチャイチャしてる!糖度が!糖度が!!

ほんと、このシリーズで一番変わったのってジョスランですよね。相変わらず強いし、イケメンだし、理解力と忍耐力あるし、そこに更に包容力が加わるとかどんだけだよ・・・最高かよ・・・・・・。

一方で、この幸せはフラグか?と思うほど不穏な空気が立ちこめていたり。
行方不明扱いされていたメリザンドの息子・イムリールが何者かによって攫われてしまい、彼を探す旅に出ることになったフェードルとジョスラン。
「母」の顔を見せるメリザンドを意外に思いつつ、なんだかんだ言ってもいつもの如く陰謀だと予想していたのに・・・・・・。

肝心のヒアシンス救出の手がかりも確かなものがないまま次巻に続いてしまいました。
あとがきで三部作中一番暗いと予告されているのが真剣に怖いんですけど。誰も欠けることなく結末を迎えてほしいものです。

 

☆あらすじ☆
謀反人メリザンドの息子にして王家の血をひく少年イムリールがさらわれた。長旅のすえメネケットで国王に面会したフェードルは、少年が遠くドルージャンに連れ去られたことを知る。だが、その地は闇の神アングラ・マンユを奉じる狂気の王が統べ、恐怖に支配されていた…。幼馴染みヒアシンスの解放をも目指すフェードルにさらなる苛烈な運命がふりかかる―刺激にみちた歴史絵巻、かつてない衝撃とカタルシスの第2巻。

2010年8月刊。
イムリを追って異国の後宮に潜入したフェードル。
テールダンジュも性に奔放すぎるところが色々とアレだと思っていたのですが、背徳的すぎるドルージャンに比べたらむしろ清らかなのかもしれません。というかドルージャンの闇が深すぎるよ・・・・・・。

この第三部、ストーリーが進むにつれてエルーアやクシエルなどの神々の意思を強く感じるんですよね。今までは背景設定にすぎなかった「天使の末裔」であることの意味を改めて考えてしまいました。「神に仕える娼婦」っていうフェードルの肩書きが、まさしくそのままの意味になってきたなぁと。

そんな中で、フェードルが神を呪い、死にたいと嘆く姿が強烈に印象に残りました。試練が過酷すぎるよエルーア様・・・・・・。

そして今回もジョスランが道連れでボロボロ。そういえば今まで目の前でのネトラレ展開ってなかったんでしたっけ。つらい。つらいぞ・・・!!
それでも2部よりは胃が痛くなかったのはジョスランの愛を感じるからでしょうか。なんかもうジョスランの愛って身を削ってるよなぁ。

ようやく登場したイムリは最初こそツンケンしていたものの、徐々に愛嬌が出てきて終盤ではかなり好きなキャラに。
フェードルとジョスランは子供を作る気がないみたいだし、もう三人で家族になっちゃえばいいのに。

いよいよ次で最終巻。フェードルが途中で願ったように「結末が愛で終わりますように」と私も祈っています。

 

☆あらすじ☆
残虐なドルージャン王の後宮から無事イムリールを救出したフェードル。そして一行は“唯一の神”の御名をもとめ、目的地を南の辺境サバへとさだめた。しかし厳しい自然環境と異邦の古き民にはばまれ、旅は想像を絶する過酷なものとなる。はたしてフェードルは御名を手に入れて天使ラハブの呪いを解き、旧友ヒアシンスを解放できるのか―荘厳なるクライマックスが待ち受ける、話題の歴史ファンタジイ・シリーズ完結篇。

2010年10月刊。
三部作完結巻。
長い旅が復路に入り、物語も大詰めに向かってどんどん進んでいきます。この第三部で広げられた壮大で神秘的な世界観に魅了されずにはいられません。

神話の世界に触れる旅の果てにその神秘を内に預かり、そうして悲しい神話に終止符を打つ物語となった第三部最終巻。
アフリカ大陸で神話を紐解いていく姿に高揚したし、そんなフェードルの命がけの冒険が報われた瞬間の感動といったら!ああ、ヒアシンス!!

結末が愛で終わってくれて本当に良かった。胸がいっぱいになる大団円でした。

フェードルとジョスランとイムリの家族愛にも何度も泣かされそうになりましたしね。3人とも大好きだ!
フェードルとジョスランが仲良しすると幸せそうにニコニコするイムリが可愛すぎる。なんて素敵親子。

まだ翻訳されていないものの、次作はイムリール主役の三部作になるんですよね?めっちゃ読みたいんですけど!!
フェードル仕込みの権謀術数とジョスラン仕込みの剣術、そしてメリザンドそっくりの美貌って最強ハイスペックすぎません・・・?

養親のフェードル&ジョスランも登場するらしいし、早く日本でも刊行されるといいのですが。

 

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