無欲の聖女1/中村颯希


無欲の聖女 1 (ヒーロー文庫)
無欲の聖女 1 (ヒーロー文庫)

評価:★★★☆☆
2016年7月刊。
孤児の守銭奴少年が、体が入れ替わってしまった少女の代わりに貴族令嬢として魔法学校に入学するという物語。
周囲の勘違いと妄想によって、実態からかけ離れた「聖女像」を押しつけられていく少年の学園生活を面白おかしく描いたコメディでした。
シリーズの方向性はまだあまり見えてこないのですが、とにかく勢いがあったので今後に期待したい作品です。

☆あらすじ☆
孤児のレオは筋金入りの守銭奴。ある日、路上に何かを描いていた美少女の頭上に屋根の重石が降りかかろうとしているのを見つけ、その少女を救う。しかしその結果、少女の描いていた魔法陣に足を踏み入れ、二人の体が入れ替わってしまう。少女は貴族社会を追われた侯爵令嬢の娘・レーナ。貴族の集う学院に招集されてしまうのが嫌で魔術を使って逃亡を試みていたが、それを邪魔したレオは魔術を掛けられ、片言でしか会話できなくなってしまう。腹を立てるレオだが報奨の金貨につられて学校に行くことに。二人は契約を交わし、それぞれ学院生活と孤児院生活を送るのだが―。

以下、ネタバレありの感想です。

 

不幸なアクシデントによって、美少女・レーナと体が入れ替わってしまった孤児の少年・レオ
実は侯爵の孫娘だったレーナの代わりに貴族たちの学校へ行くことになったレオは、そこで周囲から勘違いされまくった結果、まるで「聖女」であるかのように崇められていく・・・・・・というのが本作のストーリー。

 

おまえら空気を深読みしすぎだろ!!と突っ込まずにはいられない勘違いの連続がとても面白い。
ちょっとその勘違いは強引すぎない?という部分も結構あるのですが、それを押し流す勢いがあるのが良いんです。

 

斜め上の勘違いで聖女化されていく一方、当のレオの頭の中はお金のことでいっぱい。
その実態と虚構の乖離っぷりがまた楽しい作品でした。
周囲は色々な出来事を通してレオを尊敬していくけど、レオ自身はあまり物事に頓着せずに我が道を突き進む感じ? 彼にとって学校生活はどうでもいいものだからなのかな。
そもそもレオにとってこの学園生活は短期限定なわけだし、周囲への対応が適当になるのは仕方ない。真面目にレーナのフリをするつもりがないから入れ替わモノでよくあるような正体バレのハラハラ感もないですしね。そういう展開が好きな私としては、ちょっと惜しかったのですが。

 

一方、レオに代わって孤児となったレーナの側でもトラブルだらけ。
この強烈な性格のレーナが貴族学校に乗り込む話でも面白かったような気がしますw
稀代の悪女になれる素質ある。間違いなくある。
そんなレーナが最初は衝突した孤児たちと徐々に仲良くなっていく姿にはほっこり。こちらはこちらでなかなか面白かったです。

 

この1巻は守銭奴少年を実態とは真逆の「無欲の聖女」として崇める周囲のおかしみを堪能する感じでしたが、今後はどう進んでいくのでしょうか。
物語の指針的なものがまだ見えてこないのですが(貴族と反貴族の対立が描かれていたけれど、それがメインになるのだろうか)、とりあえずはレオに会いにレーナが学園に向かったことで何が起こるのか楽しみです。ラブコメ臭は今のところ皆無だけど、今後出てきたりするのかな??

とりあえず2巻にも期待してます!

 

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