クシエルの使徒 全3巻(クシエルの遺産シリーズ2)/ジャクリーン・ケアリー


クシエルの使徒〈1〉深紅の衣 (ハヤカワ文庫FT)
クシエルの使徒〈1〉深紅の衣 (ハヤカワ文庫FT)

前巻の感想はこちらから


総評:★★★★★
めちゃくちゃ面白かったー!!
神と女王に仕える高級娼婦フェードルの謀略と冒険と愛を描く歴史ファンタジー第2部。
敬愛する女王の玉座を守るため、再び宿敵に立ち向かうことを決めたフェードル。
1部の苦難を乗り越えて一回り大きく成長した彼女の、したたかで蠱惑的な娼婦としての顔と、ままならない愛に苦しむ女の顔がどちらもすごく魅力的でした。
肉体的にも精神的にもボロボロになりつつ、それにすら甘美な悦びを感じちゃうフェードのドMっぷりは健在。
陰謀劇&冒険活劇としても安定の高水準。特に2巻以降の急転直下な展開の連続には読む手を休める暇がありませんでした。

☆1巻「深紅の衣」あらすじ☆
列国が激突したトロワイエ・ルモンの戦いは幕を閉じ、若き女王イサンドルのもとテールダンジュに一時の平和が訪れた。だが、女伯爵として所領で穏やかに日々を送るフェードルの心からは、処刑前夜に逃亡した謀反人メリザンドと、彼女がよこした血糊墨のマントのことが消えなかった―悲劇と権謀術数の渦をしなやかに乗り越えるヒロインの新たな旅が始まる。壮大な歴史を描きローカス賞を受賞した傑作シリーズ、新章開幕。

以下、各巻のネタバレあり感想です。

 

2009年12月刊。
第2部開幕。
せっかく貴族になって田舎で愛のある生活を手に入れたはずが、メリザンドの挑発を受けて立ち再び宮廷陰謀劇の渦中へ身を投じたフェードル。

やっぱり娼婦に戻るんですね。貴族になったしジョスランと恋人にもなったし、もうご奉仕はやめるのかな?とちょっと思っていたのに。
おかげでジョスランとの関係がとても胃が痛いものになってるじゃないですかぁ。つらい。打ちひしがれてやさぐれるジョスランが不憫すぎて辛い。メリザンドの情報を集めるためにスパイ娼婦に戻るのは仕方ないけれど、恋人にそんなことしてほしくないっていうジョスランの気持ちのほうが痛いくらい共感できるので・・・・・・。え、でもあなた改宗しちゃうんです??

そんな修羅場すら甘美な痛みとか思っちゃうフェードルはどこまでもドM。
それにしてもなぜ彼らは「私の性癖が」「きみの性癖のせいで」とか、性癖の話ばっかりしてるんだろう。スパイってとこより性癖ってとこが問題なのか?(問題か)

性癖といえば、SMシーンでもフェードルは相変わらずハードにドMでした。お客さんたち、特殊性癖のひとが多すぎてw

1巻はまだ内容的に地味だけどフェードル自ら策謀を巡らし糸を垂らす姿にワクワク。
ジョスランとの関係、メリザンドの行方、そしてヒアシンス救出の鍵がどこにあるのか、今後の展開がとても楽しみです。

 

☆あらすじ☆
謀反人メリザンドの行方をひそかに追うため、女王イサンドルとの反目をよそおいラ・セレニッシマ都市国にやってきたフェードル。豪奢な文化が花咲くその地では、老いた統領の後継者を決める選挙を前に貴族間の緊張が高まっていた。フェードルは旧知の貴族青年セヴェリオをたより、女王の大叔父にあたるベネディクト王子、および統領に面会を図るが、やがてある危険な真実に近づいてしまう…人気シリーズ、驚愕の急展開。

2010年2月刊。
めちゃくちゃ面白かった!
ついにジョスランと決定的にお別れか・・・と思ったところからの急転直下な展開。さすがメリザンド。登場するだけで鳥肌が立ちます。

そこから投獄、脱獄、海賊の捕虜と、今回もフェードルの運命は波瀾万丈。そのなかでふとこぼれるヒアシンスやジョスランへの想いが痛々しくも切なかったです。

しかしフェードルとメリザンドの関係って、政敵とか恩師の仇とかそういうところを飛び越えた愛憎劇って感じがびしびしと伝わってきて面白いですね。フェードルへのメリザンドの執着も異常だもんなぁ。なんだかんだで殺さずに手元に置こうとするし。

脱獄シーンでヒーローさながらのジョスラン登場には大興奮だったのに、まさかのニアミス。無事に再会できるのでしょうか。
そして最後のあれはどういうこと??

巻末の解説がとても復習に役立ったところで最終巻に挑みましょう。

 

☆あらすじ☆
フェードルは、驚くべき姿を隠れ蓑にしていたメリザンドとついに対面した。王位を得るため女王を亡き者にする計画を語るメリザンド。暗殺の場となるのは、各国の王が一堂に会する君主会盟だ。危険を知らせねばと焦るフェードルだが、孤島の監獄に幽閉されてしまう。一度は絶望したが、奇跡の脱獄劇のすえイリュリアの海賊船に助けられた彼女は、人質交換を申し出る手紙を出すが…。華麗なる歴史絵巻、激動の完結篇。

2010年4月刊。
最高に面白かった!
最初から最後までジェットコースターの如き興奮をくれた冒険活劇。
ミノス王家の神秘的なエピソードから始まり、地中海をぐるりと回って仲間を得て決戦の地に向かう旅路に心が躍りました。

前半でパートナーを務めた海賊カザンも素敵。
立ち直ってからの小粋なところとか、なにげに紳士的なところとか。フェードルを拾ってくれたのが彼で良かったなぁ。

でもやっぱりフェードルにはジョスラン!
中盤以降のジョスランが本当に格好良かったです。
2部開幕以降心を折られまくった結果、人格変わったんじゃないか??と疑うくらい丸くなりましたよね。客をとってもいいから!と石頭のキャシリーヌに言わせちゃうあたり、愛って偉大だ。

フェードルとジョスランの関係は2部の間じゅう胃をキリキリさせてくれたけど、無事に溝を乗り越えてくれてホッと安心しました。

そして肝心のメリザンドの陰謀への反撃はとても痛快だったけれど、これで終わらないのがやっぱり流石のメリザンド。
3部は彼女の息子がキーパーソンになるのでしょうか。予言では10年の平穏が約束されてるし、それって赤ん坊が育つのを待つってことですよね・・・・・・。

 

 

読んでいる間、私のテンションの乱高下が激しくて疲弊しましたが(ジョスランに感情移入して心が粉砕されそうだった)、それくらい面白い第2部でした。
これは第3部への期待が高まる! 読むのがとても楽しみです。

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。