空棺の烏(八咫烏シリーズ4)/阿部智里


空棺の烏
空棺の烏【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★★
2015年7月刊。
統一感あるデザインの文庫版で揃えたいなぁと思いつつ、先が気になりすぎて単行本に手を出しました。後悔はしてないし文庫版も買います。
今回は雪哉が山内衆となるために訓練学校に入学するというストーリー。学園ものならではの青春&友情要素がありつつ、シリーズ全体の話もどんどん動き出す読み応え満点の1冊でした。
雪哉の性格の悪さにワクワクせずにいられないし、コミカルなノリも楽しくてずっとにやけながら読んでいた気がしますw

☆あらすじ☆
人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界=山内を舞台とする、大人気「八咫烏」シリーズの第4弾。
本作の舞台はこの世界を統治する宗家の近衛集団「山内衆」を養成するための訓練学校「勁草院」である。15歳から17歳の少年たちが集められ、全寮制で上級武官になることを目指した、厳しい生活が待ち受けている。前作の『黄金の烏』で突如出現した人を喰う大猿へ立ち向かうため、次の日嗣の御子である若宮へ忠誠を誓った雪哉も新入生の一人。若宮の近習であった経歴や自らの経歴はあえて明かさず、勁草院での日々がはじまったものの、そこに待ち受けていたのは、若宮の母の実家である西家の御曹司・明留を中心とする若宮派のグループと、廃太子された若宮の兄・長束を再び皇太子へと推す南家系統の公近グループの激しい対立、さらに兄弟の父である金烏代の意向を重視する教授陣――間近と見られていた、若宮の即位が神官たちによって延期が決まるという不穏な空気の中で事件は次々に起こる。
実力主義が前提の学内で、貴族階級出身の宮烏と庶民階級出身の山烏の身分格差が歴然となるにつけ、山烏出身で雪哉と同室となった茂丸、あらゆる武術で天才的な腕をみせる千早らもこの争いに絡んでくる。果たして身体が誰より小柄な雪哉は、頸草院での争いを勝ち抜くことができるのか? そして若宮の即位はなるのか……。雪哉、明留、茂丸、千早という四人の少年たちのビルディングス・ストーリーとしての要素も強く打ち出し、友情あり、冒険ありの一冊!

以下、ネタバレありの感想です。

 

公式あらすじめっちゃ詳しいなー。というわけでシリーズ第4弾は学園ものでした。
舞台となる勁草院は近衛である山内衆の養成学校であるため、そこでの生活はひたすら体を鍛えると言うよりも、兵を率いる将校を育成するという感じ。
特に後半のターニングポイントとなる「兵術」の盤上訓練なんて、ああ士官学校ものっぽい・・・!と密かにテンションが上がっていましたw

 

頭も体も鍛えながら進んでいく雪哉の勁草院生活。
シリーズ的には、今後雪哉と共に戦い、若宮に仕えることになる未来の同僚達の掘り下げパートの役目も果たしていたのでしょう。
庶民出身の茂丸、武術の天才・千早、西家の御曹司・明留といったメインキャラが続々と登場したことでシリーズそのものの雰囲気が格段に賑やかになってきました。

 

そしてどのキャラもとても魅力的なんですよねぇ。
個人的にはダントツで明留くんが好み。鼻持ちならない坊ちゃんからイジり甲斐のある坊先生への変貌がすごく楽しかったのでw
明留の素直なツンデレみたいなキャラ、すごく良いわ〜〜とニヨニヨ。そういえば真赭の薄の弟なんですよね。さもありなん。

茂丸と千早も明留に負けず劣らず好青年。
この二人に関しては宮烏と山烏の間に存在する溝を象徴するかのようでもありました。
そういえば、そのへんの話は今回いちばん掘り下げられたんですよね。「斬足」の刑罰が怖すぎるとプルプル・・・・・・。

あと、市柳草牙もなにげにお気に入りキャラだったんですけど、彼は無事に山内衆になれたのだろうか。

 

明留たち3人を順に掘り下げつつ、勁草院内での派閥争いを描いていく今回のストーリー。
最初から雪哉が何かしでかすんだろうなぁとドキドキしていたのですが、被っていた猫を全力で相手に叩きつけるかのような後半の雪哉に笑いが止まりませんでした。もうほんとこの子は人が悪い!!
乱闘シーンなんか茂丸すらドン引きしてるじゃないですか。「大丈夫ですか。痛いですか。それは大変ですね」とか、ほんと楽しそうに煽るなぁ!

そんな雪哉と明留たち3人の間に生まれ育っていく友情も青春っぽくて素敵でした。
これまで雪哉と対等な立場の仲間っていなかったんだなぁ、と改めて思ったり。終盤の雪哉と茂丸の会話にすごく心があたたかくなりました。雪哉の腹黒さも受け入れる友情って素晴らしい。

 

雪哉KOEEEな学園ものでしたが、その裏では若宮への譲位に待ったがかかり「金烏」にまつわる秘密が明らかになるなど、シリーズ全体の動きも全く鈍ることはありませんでした。
金烏の記憶に隠された謎が気になるところだけど、これについては次巻以降かな。
100年前に一体何があったのか。それは猿との戦いにどう関係しているのか。

次巻もとても楽しみです。

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。