血と霧2 無名の英雄/多崎礼


血と霧 2 無名の英雄 (ハヤカワ文庫JA)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2016年7月刊。
吸血鬼×スチームパンク×探偵譚の第2巻。
まさかこんな結末を迎えるなんて・・・・・・。
読後しばらく立ち直れないほど落ち込みました。でも面白かったです。すごく面白かったけれど辛い。

☆あらすじ☆
ロイスが救った少年ルークはオルタナ王家の王子だった。彼に、4年前に行方不明になった娘ミリアムの面影を見るロイス。一方ルークもまた血の分析官になるという夢を抱きはじめる。そうして穏やかな日々を取り戻したふたりだったが、女王シルヴィアと反勢力の対立に巻き込まれたことで状況は一変する。ロイスとルークの過去に秘められた、残酷な真実とは? 血に支配された国で葛藤する者たちを描く、贖罪と祈りの完結篇。

以下、ネタバレありの感想です。

 

序盤からモノローグが不穏すぎるよぉ・・・(ノД`) とは思っていましたが、中盤からの展開はまさに急転直下。
なぜかミリアムを知っているらしきルークを相手に、激昂したロイスが攻撃したのも衝撃だったのですが、そこから導かれていく真実が本当に残酷すぎて立ち直れない。

 

ルークが失った過去と、彼の血に隠された秘密。
そしてあくまで自分を利用とする女王を慕いながらも「覚悟」を決めるルーク。

ルークとミリアムの関係に驚く余裕もないくらい、後半の展開が悲劇を突き進みすぎてとても辛かったです。
それでもどうにかハッピーエンドがこないものかと願っていたのに・・・・・・!

 

最後の「なぁ、子供達。お前達は出来すぎだ。そんないい子でなくてもよかったんだ。」っていうロイスのモノローグに涙腺決壊ですよ。
残酷な運命に打ちのめされながら、それでも誇り高く立ち向かった子供達が愛しすぎる。

 

悲劇的な物語ではあるけれど感動せずにいられないのは、さすがの多崎礼作品だなとも思ったり。
そういえば「夢の上」シリーズでも、悲劇に打ちのめされながらも物語に魅了されたんだよなぁ。

 

悲しく辛い物語であっても、その根底に優しくあたたかい愛情が流れているために物語に惹かれてやまないのでしょう。
今回、ロイスとグローリアのなれそめと純愛がしっかりと描かれたことで、グローリアからミリアム、そしてルークへと、ロイスに対する愛情が受け継がれていく様をしっかりと心に焼き付けられました。それにただただ救われる。

 

とても面白い作品でした。
多崎礼さんのブログによると「シーズン1」らしいので(多崎礼 公式ブログ「霧笛と灯台」)、シーズン2の開幕を楽しみに待ちたいと思います。ギィの掘り下げがあるといいなぁー。

 

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