戦女神の婚礼/沙藤菫


戦女神の婚礼 (講談社X文庫)
戦女神の婚礼 (講談社X文庫)

評価:★★★☆☆
2016年8月刊。
神格化されて戦地を駆け抜けた「戦女神」が、戦後、大国の皇帝と政略結婚をすることになるという物語。
女神として兵を率いてきた凜々しい顔と、少女としての優しい素顔を持つ主人公のギャップがなかなか好み。
そこを詳しく書いてほしかった! と残念に思う部分はあったけれど、王道ラブロマンスとしてテンポの良い展開を楽しめる作品でした。

☆あらすじ☆
アイリーンは、アスセナ国の戦女神として、兵士を率いて戦場を駆け廻る生活を送っていた。だが、そんな彼女に突然、国王より嫁入りの命が下る。その嫁ぎ先は、先進の文化を誇る大国、ヴォールグ帝国。花婿は「死神王」と恐れられる冷酷な皇帝・オルランドだったのだ!
鎧をウェディングドレスに着替え、アイリーンは望まぬ愛の誓いを立てる・・・・・・。

以下、ネタバレありの感想です。

 

戦女神として神格を得て、兵を率いて祖国のために戦争に明け暮れていた少女・アイリーン
祖国の勝利で戦争が終わったことに安堵したのも束の間、アイリーンは大国ヴォールグ帝国の皇帝・オルランドと政略結婚させられることになる、というのが本作のストーリー。

 

蛮国出身の皇妃と侮られる上に、皇帝派と皇弟派の政争に巻き込まれながらも、努力と誇りを武器に宮廷内に居場所を作り出そうとするアイリーン。
なんとか周囲から認められてきたなぁと思ったところで突き落とされる展開にびっくりしつつ、前半後半とテンポの良い展開は飽きることなく楽しめました。

 

皇弟アルバーノとの対決は意外な共犯者を得て大事になっていくわけですが、そのなかで「戦女神」という設定がちゃんと使い尽くされたのは良かった。
「戦女神」はアイリーンにとって重荷でもあり誇りでもあったわけで、彼女という人間を形づくる根底に疑問を抱いていくという展開は好みでしたしね。妹の視点に目からウロコなアイリーンが可愛かったけれど、よく考えなくても酷い制度ですからちゃんと掘り下げてくれて満足しました。

 

アイリーンとオルランドのラブロマンスに関してはまさに王道!
朴訥としたオルランドのキャラは個人的に結構予想外だったのですが(あだ名が似合わないw)、ポツポツと優しい言葉をかけていくオルランドと、緊張MAX状態から次第に彼に心を許して惹かれていくアイリーンの恋はとても素敵でした。
ただ少し残念だったのは肝心のなれそめシーンが省略されていたこと。初対面だと思っていた相手が実は、って展開はすごく好きなのになぁ。ここの詳しい回想シーンを入れてもよかったのでは・・・・・・。

 

そんな感じで惜しい部分もありましたが、1冊で綺麗にまとまっているし、キャラも魅力的な作品だと思います。
個人的には腹黒策士なアレクがすごくお気に入り。
シリルとの修羅場を入れたせいで出番を削られた感じがあり「それなら従者キャラをアレクひとりに絞ってくれてもよかったな・・・」とか思ってしまうくらいのアレク押しです。まぁシリルも純情一途な感じが可愛くはあるんですけど。

 

積み残しなく大団円だし、読み切り作品かな?
沙藤さんってCノベで書いてらっしゃる作家さんですよね。他作も興味が出てきたので折を見て読んでみようと思います。

 

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