王女フェリの幸せな試練/時田とおる


王女フェリの幸せな試練 (角川ビーンズ文庫)
王女フェリの幸せな試練 (角川ビーンズ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2016年8月刊。
与えられた「祝福」のせいで人の好意を信じることができなくなり、自信喪失して引きこもりになった王女。
そんな彼女が隣国の王子によって連れ出された他国で、王子の手伝いをしたりドレスを作ったりトラブルに巻き込まれたりするうちに、少しずつ変わっていくというストーリーです。
ラブとコメディのバランスが良くて軽快に楽しめるし、ネガティブな性格だけど一生懸命頑張る主人公も健気で好み。
初恋要素も押さえる隙のなさで、これぞ少女小説って感じの可愛さを堪能できました( *´艸`)
一応1冊で綺麗に話がまとまっているけれど、できればシリーズ化してほしいなぁ。期待しています。

☆あらすじ☆
誰からも愛される美しい王女――とは、かりそめの姿。生まれてすぐ「祝福の魔法」を掛けられた王女フェリは、無条件に人を魅了する力の持ち主。しかし『自分自身』を見てもらえない空しさから超絶後ろ向きな性格になったフェリは、お城にひきこもり大好きなドレスや装飾品を作る日々。彼女の作った物を身につけると幸せになれるという噂が広まる中、それを聞きつけた隣国の王子ベルホルトの登場で事態は急展開して……?

以下、ネタバレありの感想です。

 

生まれてすぐにかけられた「祝福の魔法」によって「相手の好意は自分ではなく魔法のおかげ」と自信を失って引きこもりになっていた王女フェリシア

「祝福」によって顔を見ただけで誰彼かまわずフェリを女神のように崇拝してくるわけですが、これがなかなかに勢いがすごい。
顔を見た直後の手のひら返しも鮮やかすぎて、本人は自分の力で頑張ろうとしているだけに正当に評価されていない感じが強烈なんです。
これを繰り返されていたら、「私なんか」が口癖のネガティブ思考になっても仕方なさそう・・・・・不憫だ。

「祝福」もここまでくると呪いだなぁと思っていたら、元々の設定では『呪い』だったとか。呪いじゃ暗いから祝ってやれ! って発想は嫌いじゃないw

 

そんなフェリのドレス作りの腕を見込んで、彼女を自分の国に連れ出した隣国の王子ベルホルト
ベルホルトはなぜかフェリの「祝福」が効かない人間というお約束設定だったわけですが、そこに「祝福」の例外条件とか過去の淡い初恋エピソードとかがうまく絡んで甘い王道ラブロマンスに仕上がっていたと思います。
ほんとベタな展開なんだけど、それが良い。あまりにも可愛くてニヨニヨしまくりでした。

 

「祝福」の例外条件といえば、フェリの従者アロイスも美味しいポジション。
三角関係まではいけてない負け幼なじみっぽさと、過保護なお兄ちゃん(従兄だけど)のハイブリッド。これは不憫萌えキャラですね。
フェリとベルの間に割って入ってべりべりと引き剥がしにかかるアロイスが楽しかったですw

 

キャラ同士の掛け合いはテンポ良く楽しめるし、フェリの成長物語としても綺麗にまとまっている作品だと思います。
なかでも、祝福を使わずに自分の力で頑張ろうとするフェリと、彼女の支えとなり背中を押すベルの関係がすごく好き。
スタートは自己評価が底辺を這いつくばっていたフェリも、ラストでは自分にちょっと自信を持って「祝福」のことも前向きに捉えてくれたおかげで読後感も爽やかでしたしね。

 

うーん、なんというか、少女小説的にこれが欲しいなぁという要素を網羅して、過不足なく料理して仕上げた感じのある作品だった気がします。
隙がなくて減点がないというか。変にクセがある作品よりも断然楽しめて良かったです。

 

トラブルは全て解決したし恋愛的にも積み残しは少ないようですが、ぜひシリーズ化してほしいなぁ。
娘を溺愛するパパ王とベルの対決を見てみたいし、アロイスにもまだまだお邪魔虫してもらいたいw

 

余談ですがエミーリアとフォルカーのカップルも何気に好きでした。「放牧が一番」に吹いた。

 

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