謎好き乙女と奪われた青春/瀬川コウ


謎好き乙女と奪われた青春 (新潮文庫nex)
謎好き乙女と奪われた青春 (新潮文庫nex)

評価:★★★★☆
2015年2月刊。
面白かったー!!
ミステリを愛する少女と、彼女に目をつけられた少年が、周囲で起こる様々な謎を解き明かす学園青春ミステリ。
謎自体がとても興味を惹くものだったし、軽口叩き合う主役2人の関係性も好み。
ラストで明らかになる主人公の過去には苦い気持ちになりましたが、そこも含めて魅力的な作品でした。続きも読んでいきたいと思います。

☆あらすじ☆
藤ヶ崎高校一の美少女、早伊原(さいばら)樹里は恋愛に興味がない。友情にも興味がない。もちろん、部活にも。彼女が愛してやまないこと、それは日常に潜む謎。衆目の中ですり替えられた花束。学年全員に突如送られた告発メール。教室の反対側からの不可能カンニング。やがて僕の過去が明らかになるとき、「事件」の様相は一変し……。彼女と「僕」が織りなす、切なくほろ苦い青春ミステリ。

以下、ネタバレありの感想です。

 

「事件を呼び寄せる体質」を持つことから早伊原樹里に目をつけられた主人公・矢斗春一
謎を愛し謎を求める早伊原と偽の恋人関係となった春一は、彼女が自身の「体質」の秘密を暴くのではないかと不安に思いながらも、周囲で起こる様々な事件に巻き込まれていくことになるのです。

 

人の話を聞かない上に押しの強い性格の早伊原と、彼女に押されているようにみえて底知れなさが気になる春一。
なんだかんだで息ぴったりな二人のテンポの良い掛け合いがかなり好きでした。W探偵役なところも素敵。腹黒×腹黒って感じがすごく楽しいw
なので、閑話「伊佐原との日常」も本編に負けず劣らずラブコメ的に楽しかったです。まぁラブはほとんどないんですけど。いつかラブが出てきたりするのだろうか(でも早伊原は恋愛なんてクソくらえなスタンスだからなぁ)

 

そんな2人組が挑むのは、春一の周辺で起こる様々な謎。
どれも謎かけ段階ですでに楽しいし、謎解きに移ってからの「あれが伏線だったの!?」とか「うわぁ騙されたー!」って感覚が小気味よくて良かったです。
とくにカンニング事件の冒頭は完全に見落としていました。あれは本当に悔しかった・・・・・・!

 

後半からは春一の「体質」に隠された秘密を巡り、彼の過去が掘り下げられていくわけですが、五章の仕掛けもなかなか面白かったです。こういう叙述トリックを種明かしの前に見破れると爽快感がありますが、私が何かおかしいと慌てたのは最後の方になってからだったので、やっぱり悔しい・・・・・・!

 

春一の過去とその決着については意外にも苦いものでした。
そもそも拗れた原因の一端は春一の歪んだ価値観にあるわけだし、さらに和解することを放り投げて断絶を選ぶっていうのも後味が悪い。
でもこの毒気の強い作品の中ではそんな結末もアリなのかなと思えてしまいました。
個人的には正面からぶつかってわだかまりを解消する青春なラストが好きなんですけどね。この作品にはそういう展開は似合わない気がする。

 

面白い青春ミステリでした。
次巻以降も読んでいきたいと思います!

 

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