バビロン2 死/野崎まど


バビロン 2 ―死― (講談社タイガ)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2016年7月刊。
スリリングに狂気的な事件の真相を追う刑事サスペンス第2弾。
「自殺」について様々な角度での議論を興味深く眺めつつ、事件の背後で蠢く女の影に怯えてしまうストーリーでした。
最後がやっぱり恐すぎる・・・!

☆あらすじ☆
64人の同時飛び降り自殺――が、超都市圏構想“新域”の長・齋開化による、自死の権利を認める「自殺法」宣言直後に発生!暴走する齋の行方を追い、東京地検特捜部検事・正崎善を筆頭に、法務省・検察庁・警視庁をまたいだ、機密捜査班が組織される。人々に拡散し始める死への誘惑。鍵を握る“最悪の女”曲世愛がもたらす、さらなる絶望。自殺は罪か、それとも赦しなのか――。

以下、ネタバレありの感想です。

 

域長・斎開化により宣言された「自殺法」。そして同時発生した64人の飛び降り自殺と、それに続いて多発する自殺。
こんな事態を引き起こした斎の暴走を早急に止めるべきだと思わずにいられないのに、法では彼を裁けないかもしれないというジレンマを徹底的に描かれる第2巻でした。

 

そもそも「自殺」は悪なのか、罪なのか、という議論が(不謹慎だけど)面白い。
この議論そのものについては中高生の頃から割と馴染みがあるのですが(嫌いだったなぁ、この手のテーマのディベート)、「自殺法」の存在という異常事態のもとにあるとグッと熱量を増して新鮮に感じられるものですね。

 

個人的にはその時のコンディション次第で意見が変わってしまうのであまり突っ込みたくないテーマなのですが、作中の意見は非常に面白かったです。よく整理されてエンタメ小説の中に落とし込んであるところに作者の力量を感じます。

 

なので、その点に関してフンフンと気軽に読んでいたのですが、最後のどんでん返しは衝撃的でした。
一体いつから仕組まれていたのか・・・・・・斎開化のジャイアントキリングは力技のように思えて、そこから着地した意見に思わず頷きたくなる説得力を感じてしまうのです。すごい、というか巧い。

 

そんな「自殺関連」を巡る新域の域議選挙の狂騒を描きつつ、その一方で正崎は事件の鍵を握る女・曲世愛の素性に迫っていくことに。
曲世愛の「手を出してはいけないナニカ」という不気味なオーラが本当に恐い。
そんなナニカに手を出してしまった捜査班の末路は悲惨の一言だし、最後の直線と破線が・・・・・・!
点々がつながるだけでなんでこんなに恐怖を煽れるんですか!勘弁して!!

 

まさに悪夢に出そうなラストシーン。
こんなバケモノを相手に、味方を失った正崎がこれからどうやって立ち向かっていくのでしょうか。とりあえずワンシーンだけ出てきた奥さんの安全は早めに確保したほうがいいと思うのだけど。

 

続きを読むのが恐いけれど、早く続きが読みたいです。
3巻も期待しています。

 

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