幽霊伯爵の花嫁 全7巻/宮野美嘉


幽霊伯爵の花嫁 ルルル文庫 幽霊伯爵の花嫁
幽霊伯爵の花嫁 ルルル文庫 幽霊伯爵の花嫁【Amazon】【BOOK☆WALKER】

シリーズ総評:★★★★★

幽霊伯爵の17人目の花嫁として嫁いだ令嬢サアラの物語。
とても美しく賢く自信家で強かでヤンデレで恐ろしい、けれどキュートで最高に格好いい主人公でした。

そんなサアラが嫁いだのは、幽霊たちを管理する「墓守」の役目をもつ伯爵家。
「墓守」の仕事として持ち込まれる幽霊絡みの騒動は、毎巻とても凝ったストーリーで読み応えがありました。
加えて、トラブルに首を突っ込んでは微笑みながら優雅に我が道を突き進むサアラの姿に魅了されっぱなし。
合間にぽろっと零れるヤンデレな言動にガクブルしつつ、予測不可能なサアラの言動にハラハラするのがとても楽しかったですw

無口で無表情な幽霊伯爵ジェイクと、優美な肉食獣の如きサアラのラブロマンスも楽しい作品でした。
サアラに負けず劣らずジェイクも変な人で、他者の理解を超越したお似合いカップルだったと思います。

連れ子ありの再婚モノと聞いて苦手設定だなぁと放置していたのですが、読んでみたら予想以上に楽しくて楽しくて。もっと早く読めばよかった!

8月にシリーズの新作が発売されるそうですが、とりあえず本編は全7巻で綺麗に完結していますね。新作がどんな話になるのか楽しみです。

☆あらすじ☆
侯爵家の血を引く、天涯孤独の美少女サアラ。彼女は、身を寄せる遠縁の家の息子と婚約していたが、幽霊伯爵と呼ばれるコルドン伯爵の17人目の妻として嫁ぐことに! 更に嫁ぎ先は、墓地に囲まれ夜な夜な幽霊が現れるという場所で!? 妻に無関心な夫、何故かよそよそしい使用人達。ところが、サアラはのびのびと毎日を満喫し、逆に夫を翻弄して……!? 美しく強かに、少女は恋と幸せをつかみ取る!

以下、各巻のネタバレあり感想です。

 

2011年6月刊。
恐ろしい噂がある幽霊伯爵のところにやってきた花嫁が実は一番恐ろしかったという・・・・・・サアラ強い!!
自信をもって美しさを誇示するし、強かで共感を拒絶して台風みたいに人を翻弄するけれど、なんだか憎めないというか、次は何をするんだろうとワクワクさせるヒロインでした。悲惨な過去に負けず矜恃を貫く姿は本当に格好いい。
もっともラストでジェイクに狙いを定めてからの肉食っぷりに戦慄。これは喰われる(確信)(文字通りの意味で)
読む前に懸念した存在だったジェイクの息子エリオスもなかなか魅力的だったので安堵。
しかし無愛想な父にすら苦労していたのに恐ろしい義母まで登場するとは。彼の運命やいかに。

 

☆あらすじ☆
美しく傲慢に、恋する最強ヒロイン再臨!!サアラは退屈だった。コルドン伯爵家へ嫁いで2か月、夫のジェイクに恋したサアラは、やや一方的な新婚生活を心から満喫していた――10日前までは。仕事で領地を離れたジェイクに、サアラの機嫌は日に日に悪くなり……ついに領地を飛び出して!? 一方、首切り魔の幽霊を捕縛しに来たジェイクは、傍にいないサアラが何故か気にかかり? 「どうやら私はきみが好きらしい」暴走する花嫁と恋を自覚した夫の、予測不能な夫婦関係の行方は!?

2011年11月刊。
「常識」という言葉の概念が揺らぐけれど、サアラが強すぎてほんと爽快。
アシェリーゼとは親友みたいな雰囲気がでてきたし、賑やかで楽しい嫁姑関係が築けているようで何よりです。
首切り魔と首なし娘の関係はうっすら予想していたけれど、事実が明らかになると凄惨さに悲しくなりました。最初も最後も間違えてしまった2人の結末が切ない。
サアラとジェイクの関係については、もうちょっとジェイクが粘るかと思っていたのですが予想以上に早く両想い。ラストにめっちゃ萌え転がったー!
二人ともヤンデレ気味な変なカップルですが、これがなんだかクセになるのですw

 

☆あらすじ☆
乙女の戦いは、美しく強かでとっても過激!ある日、マッケニア伯爵家から届いた夜会の招待状。何故かサアラは、大好きなジェイクと離れることを承知で出かけて行く。その理由とは……? 一方、ある少女の幽霊を追ってマッケニア伯爵家に来たジェイクは、そこで驚くべき状況に遭遇して!? 華やかな夜会に隠された秘密と、少女の幽霊を縛る未練とは? 赤い糸ならぬ手錠で繋がれた夫婦の恋は、過激に進展中! 型破りな最強ヒロインは、恋も友情も予想外!!

2012年2月刊。
ひぃぃサイコパス・・・!!
サアラ怖すぎて涙目。
思考回路が不可解でヤンデレの鑑みたいなヒロインだけど、そこがすごく魅力的なんです。見てはいけない深淵をのぞき込んでる気分。
これは確かにジェイクじゃないと相手できないでしょうね。こんな二人を常に見せつけられるエリオスの健やかな成長を祈るしかありません。
今回はサアラの「お友だち」が登場ということでどんな類友が出てくるかと思いきや、あら意外に可愛い人。まぁ底知れなさは類友ですが。
もはやヒロインより可愛いアシェリーゼと合わせて仲良し3人娘みたいになるのでしょうか。
それはそうと、ラストの喰うか喰われるか的なキス描写がこのシリーズらしくて大好きです。

 

☆あらすじ☆
結婚から半年、今まで以上に仲睦まじいコルドン伯爵夫妻。そんな伯爵家に「怪人」と呼ばれる幽霊に命を狙われた二人の客人が現れる。しばらく屋敷に滞在することになった二人だが、それにより熱愛夫婦の間に思わぬ亀裂が……。なんと、客人の一人である美しい少女リゼットとジェイクが一夜を共に!? 最愛の夫の不貞疑惑に、最強花嫁のとった行動は? 家人も幽霊も巻き込んで、予測不能な夫婦喧嘩が勃発! 二人の愛が試される!?

2012年5月刊。
こんな恐いヤンデレ嫁がいるのに浮気するとか(違う)命が惜しくないのだろうか・・・と思いつつ、サアラがどんな報復行動に出るのかドキドキしながら楽しく読了。
ヤンデレは好きな人のどんなとこも愛し尽くしちゃうけどそれを自分で引き出そうとするから恐ろしいですね。とはいえ、今回はオチが可愛くてニヨニヨしてしまいました。
幽霊に狙われた少女の顛末は関係者全員性格が歪んでるな・・・と。振り回されたエリオスと伯爵家の使用人達が一番の被害者じゃないですか、これ。
サアラ、フィナ、アシェリーゼの3人娘は良い感じに仲良し悪友っぽさが素敵。

 

☆あらすじ☆
「きみは誰だ?」アスガント公爵領を騒がす幽霊と対峙したジェイクから、十年分の記憶が消えてしまった! 愛妻も成長した息子も忘れ、冷たく拒絶してくる夫に、サアラは艶然と誘惑を宣言し!? 同じ頃、騒動の原因である幽霊を追って、傲岸不遜な他家の墓守ギルが現れる。彼は、ジェイクの記憶喪失の原因を知りながら、決して協力しようとせず……? もう一度好きになって――。親子の絆を取り戻し不幸を蹴散らす、最強花嫁の愛!

2012年8月刊。
定番の記憶喪失回もサアラのポジティブにかかれば悲壮感はゼロ。
むしろ初々しさが戻ってきてニヤニヤしましたw
いつも奇怪な思考回路をしているサアラだけど、不幸になってやるものかという気概は本当に格好いいですね。
一方で今回(も)可哀想だったエリオスについては、この父を持ったゆえの苦労というか。最後ちょっと役得だったので良いのかもしれませんけどね(敵は作ったようだけど)。
今回は他の墓守の家が出てましたが、他から見てもサアラの能力は規格外な感じ? 何か秘密があるのでしょうか。
それにしてもバーンスタイン家の約束の作法は衝撃的・・・!

 

☆あらすじ☆
熱愛中のコルドン伯爵夫妻のもとに、ジェイクを父と呼ぶ幽霊の女の子が現れる! 騒然とする周囲をよそに、嬉々として母親宣言をするサアラだったが、ジェイクは頑なに少女へ近づくことを禁止して!?「私に隠し事をして、なんて酷い旦那様でしょう」愛する夫を悩ませるものは徹底排除! 過去の秘事を暴く最強花嫁の決意とは?ジェイクとエリオスの母親である最初の妻との関係や、知られざるサアラとの出会いも明らかに!

2012年11月刊。
ジェイクに隠し子(ただし幽霊)発覚!?な第6巻。サアラの対応が彼女らしくて笑いました。
ジェイクの隠し事に腹を割いて内側を暴きたいとか、そういう血生臭いことを言っちゃうヤンデレっぷりがほんと怖楽しいヒロインです。
少女と骸骨の騒動について、「彼」のことはすっかり忘れていたのでなるほどと思ったり。ただ、少女の正体はちょっと切なかったなぁ。
最後の、アシェリーゼに知らせないサアラの優しさにほっこり。奇怪で恐い部分が目立ちますが、こういう温かみを見せるからサアラのことが大好きなんです。

 

☆あらすじ☆
サアラの妊娠を喜ぶコルドン家に、魔女と呼ばれる悪霊復活の報せが。ひとり対処に向かったジェイクは、隠されたある事実に気づく。しかし、追ってきたサアラを魔女の生贄に要求され!?様々な思惑が錯綜する中、鉄壁の無表情で心を隠すジェイクにサアラは不満を募らせて……?「愛しい旦那様は、自分の手で繋ぎ止めなければなりません」悩める息子と他家の墓守親子も巻き込んで、高らかに愛を謳歌する最強花嫁物語、堂々完結!

2013年2月刊。
完結巻。とても面白かった!
サアラは最後までブレることなく我が道を突き進むヒロインで、彼女の活躍はシリーズを通して本当に爽快でした。
最終巻の魔女騒動は二転三転するストーリーが読み応えあったし、ようやく登場したジェイク父はさらに面白かったです。
ジェイクに輪をかけて話が噛み合わない惚けたお父さん・・・・・・。言葉が足りない上に出てきた言葉すら間違っているのは遺伝だったんですね。
まぁアシェリーゼと違ってサアラは足りない言葉を自分で補えるから問題ないのだけど。
メインストーリーの横で、父の連れ子という微妙な立ち位置だったエリオスの心境をかなり掘り下げていったのも印象的。そしてそこからのシスコン爆発にはほっこりしましいた。でも待って待って。バーンスタイン家の約束の作法が引き継がれてるだと!?

 

 

面白くて夢中で一気読みしてしまうシリーズでした。最高!
こういう少女小説に出会えると幸せな気分になります。

さて、本編は綺麗に完結しているようだけど、新作はどんな話になるのでしょう?
エリオス主人公の次世代編とか? それか、結局明らかにならなかったサアラの「幽霊に懐かれる能力」の秘密とか?
サアラの才能って「サアラだから」で納得できてしまうんですけど、そこが掘り下げられても良かったかなぁとは思ったり。

まぁ、どんな内容にせよ新作を楽しみに待ちたいと思います!

 

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