青薔薇伯爵と男装の執事 全2巻/和泉統子


青薔薇伯爵と男装の執事~出逢いは最悪、しかして結末は~ (ウィングス・ノヴェル)
青薔薇伯爵と男装の執事~出逢いは最悪、しかして結末は~ (ウィングス・ノヴェル)

シリーズ総評:★★★★☆
「出会いは最悪、しかして結末は」2015年9月刊。
「発見された姫君、しかして結末は」2016年4月刊。
貧乏伯爵家を立て直そうとする新当主の奮闘を描きながら、女王が探す「青い薔薇」を巡る謎に迫っていく物語。
孤児院からやってきた新伯爵、男装して性別を隠す執事、その他主要な登場人物の多くが秘密を持っていて、そこにどんな真相が隠されているのかワクワクしました。
終盤になるにつれて少し話がややこしくなるものの、全ての真実が明らかになるとパズルが解けたみたいな不思議な達成感があったり。
毒舌伯爵と男装執事のカップルも可愛いかったです。
伯爵の煽りスキルが異様に高いし口調も独特でしたが、これが私にはとても楽しかったw

☆あらすじ☆
執事のアンがお仕えするローズベリー家。新当主となったアッシュは優秀で、アンは心浮き立つ。一方、アッシュは女王と謁見して早々、「青い薔薇のことで何か判ったら、報告するように」と命じられ…?

以下、ネタバレありの感想です。

 

前当主が「青い薔薇」に傾倒したため、借金がかさんで没落しかけているローズベリー青伯爵家。
そんな貧乏なローズベリー家の立て直しを図るのが、孤児院にいたローズベリー家の血をひくアッシュと、彼を見つけ出した男装の執事アン
物語は、期限内に莫大な借金を返済しなければならないという窮地から始まり、青伯爵家が抱える「青い薔薇」に絡む騒動を描いていきます。

 

アッシュが有能なので、借金問題については意外とすんなり解決した印象。
むしろそれはスタートでしかなくて、物語の本題は「青い薔薇」の正体とそれを中心とした複雑な人間模様でした。
「青い薔薇」が何を指すのかわからないまま、「青い薔薇」というより薔薇を求める女王の関心をひこうとする輩を撃退しなければならないアッシュたち。
一方で、アッシュ自身にも何やら素性に隠し事があったり、善人そのもののアンも口にできない事情があったりと、様々な「秘密」が錯綜する物語なのです。

 

それらの「秘密」は4つの国をまとめた光竜連合王国が抱える問題にまで派生していって、舞台設定をフルに活用した真相と展開がなかなかに読み応えのあるストーリーを作り出していたと思います。
しかし血縁関係は本当にややこしかったw
繋がったと思ったら偽物だったり、かと思えば意外なところと繋がったり、「血縁パズルかよ!」と理解を放棄したくなることもありましたが、複雑に絡み合った真相がほどけた瞬間の達成感と爽快感は素晴らしかったです。とても面白かった!

 

アッシュとアンの主従ラブも素敵でした。
「へっ、ええぇーーー?」と絶妙に煽ってくるアッシュと、さすがですご主人様!と盲目的に彼を崇拝するアン。
アッシュの傍にいることができるのはアンだけですね!
間延びした口調とオブラート消え失せた毒舌の相乗効果で、異様な煽りスキルを発揮してましたから。
遠くから見てると楽しいけど、傍にいると殴りたくなること必至。
天然の煽り耐性ってすごいな! とアンを見ながら何度も思いましたw

 

アッシュたち以外のキャラクターも魅力的。
特に双子のカラノラが天使すぎて・・・!
掌編で明かされた過去がさらっとエグいんですけど、名前を大事にさせようとするアッシュらしさに心があたたかくなりました。

あとはオリーブも好きですね。
なにげに一番アッシュの影響(口癖)を受けてるのに笑う。これはサイモンと夫婦げんかしたときに、夫を容赦なく煽っていくに違いない。
ラストで減る減らないの話をしていましたが、メンタルは確実に削られていくと思うんです。

 

ストーリーもラブコメも楽しい作品でした。
本誌(小説WINGS 2016年春号)のほうで番外編が載っているようなので、どうにかこれもゲットしようと思います。

 

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