カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語/丸木文華


カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語 (集英社オレンジ文庫)
カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語 (集英社オレンジ文庫)

評価:★★★☆☆
2016年6月刊。
坂上田村麻呂の血をひく伯爵家令嬢と、甦った悪路王がコンビを組む大正浪漫綺譚。
意外にヘタレ弟っぽい感じの悪路王が可愛く、退屈を持て余すヒロインのほの暗いキャラクターも魅力的でした。
ストーリー的にはまだ色々と謎が多くて、シリーズ開幕の1冊という感じ。
主役コンビがとても好みだったので今後に期待しています!

☆あらすじ☆
時は大正。坂之上伯爵家の令嬢・香澄は、退屈な日常にうんざりしていた。そこへ現れたのは、代々祀ってきた悪路王。香澄は彼に朧という名を与えることで、主従関係を結んでしまった。少年の姿をした朧は、世の中にはびこる鬼を喰らって力を得るという。腹をすかせた朧のために、香澄は街へ出かけてみたのだが…?煌びやかな華族世界を舞台に描く、あやかし事件簿!

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公は、坂上田村麻呂と鬼女・鈴鹿御前の血筋を受け継ぐ坂之上伯爵家の令嬢・香澄
そして、霊力の高い香澄が名前をつけて無理矢理主従関係を結んだのが、坂之上家が代々祀ってきた悪路王・
物語は、文明が開化するにつれて古い封印が壊され、妖が増えていく大正時代を舞台に、香澄と朧が妖絡みのトラブルに首を突っ込んでいく姿を描いていきます。

 

妖怪退治的なストーリーも面白かったのですが、一番良かったのは香澄と朧の関係性
凄腕霊能者の少女と鬼の少年のバディものになっていくのでしょうか。
香澄が動きを止めて朧がトドメを刺すっていう二人の戦闘スタイル、これは結構好きなやつですね!

 

香澄と朧のキャラもそれぞれ魅力的でした。
「〜じゃ」という老人口調の朧のキャラとか、封印を解くと大人化するとか、ちょっと懐かしい雰囲気を感じてニヨニヨ。
悪路王とか言って全然怖くないしむしろ無邪気な羊羹大好きオニさんじゃん!とか思っていたら、二話目で「好いた者のために道化を演じるのは楽しいものじゃ」とか言い始めたのでめっちゃテンションあがりましたw
なるほどー。Mっぽいのはフリでしたか。いや、M自体は真性か。香澄も真性ドSっぽいし。

 

朧がニコニコと付き従う香澄の正体も気になるところ。
本当に鈴鹿御前の生まれ変わりなのかな?
なぜ鈴鹿御前が悪路王を裏切ったのかとか、鬼なのに転生していることとか、このあたりはまだ謎のまま。どんな真相が隠されているのか楽しみです。

 

そんな香澄が最後のエピソードでみせた歪みも良かった。
あのやり口は潔癖な性格だけのせいじゃない気がするんですけど。さすが鬼女。
さりげなく「朧はいつも思うが、香澄の笑顔はちょっと怖い」と書かれているのには笑いましたw
香澄が綺麗に笑える日はくるのかな。

 

最後のエピソードといえば、糸が本当に「穢れない心」を持っていたのかどうか結局よく分からなかったような。
色んなモノが見えるはずの香澄は綺麗だと言っていたけれど・・・・・・竹の意見や朧の直感を考えると、本当はどんな女だったのやら怪しいものです。
とりあえずパパが最低なことだけは分かりましたけどね!(当時は妾を持つのが普通だとしても限度がある!)

 

なかなか面白いシリーズが始まったと思います。
香澄&朧のコンビがもっと見たいので、次巻も期待しています!

 

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