魔女が死なない童話 林檎の魔女の診療簿/長尾彩子


魔女が死なない童話 林檎の魔女の診療簿 (コバルト文庫)
魔女が死なない童話 林檎の魔女の診療簿 (コバルト文庫)

評価:★★★☆☆
2016年7月刊。
魔女と同じ容姿をしているため父に疎まれた少女と、忌み子として王宮から追い出された王子のラブロマンス。
博物学者で理屈っぽいヒーローが、ヒロインに対して理屈のぶっ飛んだ病的愛情をぶつけまくるのが楽しい作品でしたw
雑誌掲載の本編、後日談的な番外編、エピローグ的な掌編の構成で、1冊で綺麗に終わっているから単巻ものなのでしょう(最近のコバルトの傾向的にシリーズ化するかもしれないけど)
ちょっと腑に落ちない部分もあったけれど、ヤンデレ好的にニヨニヨ楽しめたので満足です(つ∀`*)

☆あらすじ☆
辺境の小さな村にひとりで暮らす樹木医のレナーテ。村人たちは彼女を慕ってくれるが、自分の容姿が魔女の特徴とされる桜色の髪と黄金色の瞳であることを悲しく思っていた。そんなある日、レナーテを捨てた貴族の父に王都へ呼び出され、政略結婚に利用されそうになる―が、突然現れた第二王子に救われる。その場で求婚されるのだが、彼はなぜレナーテを知っているのか。2人の接点とは…!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

宗教的に忌み嫌われる「魔女」と同じ色の髪と眼をもつ少女・レナーテ
父に利用されたあげく殺されかけたところを第二王子・メルヒオールに救われたレナーテは、そのまま彼に求婚され、メルの城で一緒に暮らすことになり・・・・・・という感じで物語は始まります。

 

レナーテとメルが出会い、再会し、想いを通じ合わせるという流れがとてもロマンチックに描かれていて、そこにスパイスとして(?)メルの病的に暗い執着が見えるのが楽しい作品でした。
うわぁヤンデレ・・・・・・と何度思ったことか。
途中で黒死病テロをほのめかしたシーン、レナーテは演技だと思ったみたいだけど半分以上は本気だったと思うな。

 

レナーテとメルを時に助け、時に掻き回す妖精達も良いキャラでした。
クラウディアは可愛い白猫妖精だと思ったら、口が悪い感じでびっくり。うじうじするレナーテに活を入れたくなるのも分かりますけどねw
そしてイラッとしつつも可愛かった黒うさぎの告げ口妖精。「空色の髪とガーネットの瞳」には騙されました。いやいや分かるか!

 

レナーテをお世話するヘンゼルとグレーテルも可愛いかったです。ふたりのコスチュームの全身が見たかった・・・!

 

そんな感じで本編は良かったのですが、個人的にウーンとなってしまったのは書き下ろしの番外編。
容姿コンプレックスをこじらせたレナーテの悩みを、メルがどうにか解消しようとする話ではあったのですが・・・・・・。
青薔薇をこんな詐欺まがいの手口で作り出しちゃって「レナーテはすごいんです!」っていうオチはちょっとどうなんだろうか。
共同だとかいってもレナーテほぼ無関係だし。

うーん、なんか「これから青薔薇をつくりたい」というレナーテの夢を横取りしたあげくに台無しにしただけのようなモヤモヤ感。
レナーテのありのままの姿を周囲にも受け入れさせたいというメルの想い自体は素敵なのですが(´・ω・`)

 

本編は文句なしに面白かったし、番外編も途中までは糖度高めで良かったのに、オチだけが本当に残念。
まぁ、うん、メルは病気だからね・・・・・・。

 

ただ、最後の掌編の甘いエピローグのおかげで、モヤモヤした気分を後引くことなく読み終えることができました。
家族に恵まれなかった2人だからこそ幸せな家庭を築いてほしいものです。

 

さて、最近のコバルトは世界観と登場人物を共有したオムニバス的なシリーズを作ることが多いですが、これはどうなるかな?
妖精たちが可愛かったし、続きが出たら買うと思います。

 

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