ストライクフォール/長谷敏司


ストライクフォール (ガガガ文庫)
ストライクフォール (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2016年6月刊。
「円環少女」の長谷さんによる久しぶりの新作ライトノベル。
宇宙SF×スポ根。そして兄弟の絆の物語でした。
なかなか私には難しいところもあったけれど、それでもストーリーの面白さに心が沸き立ちます。
出来の良い弟と、弟を追いかける兄。ふたりの関係は最初に思っていたよりも熱く切なく美しいものへ。
単純なスポ根ものと見るには背景がきな臭いことや、人類に革新的な技術を持ち込んだ異邦人の存在など、壮大な宇宙SFとしても読み応え抜群。
これは素晴らしいシリーズになりそうな予感があります。続きがとても楽しみです。

☆あらすじ☆
SF界の俊英、ガガガ文庫に電撃参戦!近未来、人類は宇宙に進出し、惨禍のはてに戦争をやめた。……いや、正確には、形を変えた。代理戦争として発展した宇宙競技、ストライクフォール。広大な宇宙をフィールドに、敵のリーダーを屠るべく戦うチーム闘技に人々は熱狂した。万能の泥、チル・ウエポンによって作られたストライクシェルに身をつつみ、プレイヤーたちは宙を駆ける。故郷のため、栄誉のため、家族のため、あるいは己が夢のために……。鷹森雄星も、ストライクフォールに魅せられたひとりだ。弟は、トップリーグでのプロデビューが決まった若き天才、鷹森英俊。幼なじみの環のやさしさに見守られながらも、雄星は宇宙を目指すが――。「知ってるか、兄貴。宇宙では、あらゆるものが落ちている最中なんだ。――落ち続けるなら、オレはほしいものを手に入れる」なら、翔ぶ。翔んで、宇宙に手を伸ばす。これは、宇宙を「掴む」兄弟の物語。SF界の俊英が放つ新たなライトSFエンタテイメント!

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語の舞台となるのは、《宇宙の王》と呼ばれる異邦人がもたらした技術「チル・ウエポン」によって、人類が宇宙へフロンティアを求めた世界。
その世界での人気競技ストライクフォールのプロプレイヤーを目指す少年・鷹森雄星は、先にプロデビューが決まった弟・英俊に2年ぶりに再会し、忘れていた兄弟の約束を取り戻すことになるのです。

 

地上でくすぶっていた努力家の兄と、がむしゃらに上を目指す天才の弟。
同じ競技に夢中になり、同じ少女に恋をする、たった2人だけの兄弟。
そんな兄弟の絆を描く、不器用で青くてひたむきな物語でした。
前半は兄弟の青春ドラマに魅せられ、彼らの衝突にハラハラしつつも約束を取り戻した熱いファイトに胸が高鳴りっぱなし。
弟に劣等感を抱きつつもどこか誇らしげな兄と、兄を評価しているからこそ苛立ちながら発破をかける弟の関係がすごく良い。尊い。

 

しかし後半の「事故」から、物語はまさに急転直下の展開へ。
運命の渦の中に落ちていくかのように、ストライクフィールのフィールドに立つことになった雄星。
そこからの雄星の怒濤の戦いぶりは壮絶で、全く目をそらすことができませんでした。
戦い自体は熱く、抱える想いは切なく、それでもストライクフォールを楽しんでしまうことへの高揚感にはゾクっと。
ああ、本当に彼はこの競技が好きなのだと、悲しいくらいに伝わってくるのです。ここでもまた魅せられる。

 

そういえば宇宙を「掴む」ってそのままの意味なんですね。
一瞬どういうこと!? とびっくりしたけれど、あれは宇宙空間ではまさしくチートだなぁw

 

そしてこれ、色んな方が言っていた通りまさしく宇宙版タッ●ですね。ある意味ネタバレだったのか。
先にその評価を聞いていたせいで、「死んでるのにさ・・・・・・」のセリフでアレがフラッシュバックしてつらかったです。
兄弟で頂点を目指して切磋琢磨していくものだと思っていたのに。そんな物語も見たかったなぁ(´;ω;`)

 

さて、見事に英俊の名をストライクフォールの世界に轟かせた雄星。
その代償がどうなるのか心配です・・・・・・。
ストライクフォール自体もきな臭さ満点ですしね。今のところ代理戦争という態ではあるけれど、いつ本当の戦争が始まってもおかしくない緊張をはらんでいるのがとても怖い。

 

《門》、《宇宙の王》、そして雄星が出会った(?)仮面の男など、ミステリアスな宇宙SFとしても面白くなりそうで期待しています。

 

そして雄星、環、アデーレの三角関係も気になるところ。
1巻は兄弟の物語という趣が強かったのですが、合間に挟まれる三角関係の芽吹きを感じる展開にニヤニヤw 楽しみだなぁww
幼なじみ好きとしては環に頑張ってほしいけれど、アデーレとストライクフォールでバディ(っぽいもの)を組んでも面白そう。

 

2巻もとても楽しみです!

 

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