紅霞後宮物語 第四幕/雪村花菜


紅霞後宮物語 第四幕 (富士見L文庫)
紅霞後宮物語 第四幕 (富士見L文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2016年6月刊。
今回も面白かったです。3巻と合わせて上下巻構成な感じかな。
軽快なテンポで話を進めつつ、最後にドロッとした感情を混ぜ込んで締めるのも相変わらずお上手で・・・・・・(吐血)

☆あらすじ☆
――このままでは終わらせない。小玉、誓いの戦い
小玉に差し出された帳簿に不自然に出てくる「維山」という地名。それが鄒王の死、さらには明慧の死に繋がるものと見た文林は、小玉に直接調査を託す。陳校尉として彼の地に乗り込んだ小玉が目にしたものとは――!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

今回はずばり明慧追悼回。
3巻、4巻で上下巻構成な感じだったんですね。

 

鄒王の裏にいた存在を探るため、皇后の行啓という名目で遠地へと調査に赴くことになった小玉。
そこで彼女はどこか奇妙な街の雰囲気に違和感を覚え・・・・・・という感じでストーリーが進む第4巻。

相変わらず小玉は快活、キャラの掛け合いは軽快、展開もサクサクと進む面白い1冊でした。
あまりのテンポの良さに面白い〜〜という興奮が頂点に達したところで、一気に叩き落とすのも相変わらずですね。水戸黄門的なお約束を踏まないのは残念だったけど小玉らしかったw

 

真相自体は狂気を孕んでいるものの、本当に怖いのは平凡な悪党というのがまた後味が悪い。
そして事件を通して小玉が少なからずシンパシーを感じたことについても、何とも言えない気分になります。

神格化した狂気の金母と欲のバケモノのような端。そんな彼らによって簡単に悪にも善にも転ぶ「彼ら」。
対して、自分の信じ望む方向に進むために他者を使う小玉と、文林の命によって彼の望む方向に清濁併せのんで進んでいく小玉。

うーん、きっつい皮肉ですね・・・・・・。
今回も文林のやり口のエグさを見せつけられただけに、余計にそう感じてしまうのでしょうけれど。

 

文林にもう少し清廉なところがあればまだマシだったのかもしれませんが、彼は徹底して「皇帝」なんですよね。
公人として外道になるのが致し方ないとしても、私人としても救えないレベルで歪んでるから、もう!あんたは!もう!!ってなります。

だって文林、今回もほんとひどかったですから(´・ω・`)
小玉に内緒で進めていた件については、国のため(というより小玉に活躍させるためなんだろうけど)に仕方ないとして、鴻に「母后陛下」呼びを教えたシーンは本当に本当にこいつどうしようもないなって愕然としました悔しいけど超笑った!
小玉の初恋相手同伴に内心ぐぬぬったり、自分へのお手紙がないことにぐぬぬったり、いつも通り不憫だった文林。
でも、もうこの人、報われないくらいが丁度良いよ・・・って想いが巻を重ねるごとに増していく・・・・・・。

 

鴻といえば、少しずつ成長しているのが可愛くて良かったです。
小玉の愛情表現も、頑なな「正しさ」は相変わらずだけど、そこにどうしようもなく愛しいと思う気持ちが見え隠れするのが好ましい。
父親は相変わらずダメダメな分、母の愛はたっぷり注いであげてもいいと思うんですよね。

 

まぁ、色々言いましたが、なんだかんだで以心伝心な仲良し夫婦(「あいつ殴る!」「俺殴られる・・・」の流れがすごく好き)。
文句たっぷり言い合った後に寄り添うふたりの姿にちょっと救われる気持ちになるのも事実です。

 

とはいえ、最後しれっと明かされた文林と謝月枝の秘められた一幕には思わずグエッと唸りましたけどね。
おまえ、潔白訴えてたくせに!後出しジャンケンか!
そしてなんというヤンデレ同盟。不毛すぎる。それだけに虚しくて切ない。

 

その文林の歪んだ野望が大きく一歩進んだ今回のお話。
いよいよ小玉が自らの軍を率いて隣国に攻め入る展開に入るのでしょうか。
次巻からの展開も面白くなりそうで期待が高まります。

 

それと、そろそろエピソードも貯まってきたみたいだし、カクヨムの方の外伝も読まなきゃなぁ。

紅霞後宮物語 第零幕 ~小玉伝~/雪村花菜(カクヨム)

こちらも読むのが楽しみです。

 

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