比類なき翠玉 上・下(時間旅行者の系譜3)/ケルスティン・ギア


比類なき翠玉〈上〉 (時間旅行者の系譜) (創元推理文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2016年5月刊。初出は東京創元社2013年8月刊。
女子高生タイムトラベラーの恋と冒険を描くファンタジー三部作の完結巻。
サンジェルマン伯爵の陰謀はもちろん、自分の心にすら翻弄されるグウェンドリンの奮闘をミステリアスかつコミカルに描いた楽しい作品でした。
帯にも書いてあった「用意は良いかい?」「あなたがよければね」の掛け合いが狂おしいほど好き。ほんと、最終巻にして良いコンビになったものです。とても面白かった!

☆あらすじ☆
「あたしのハートはルビーで、ギデオンはそれを粉々にしたのよ!」――サンジェルマン伯爵から告げられた残酷な真実に、グウェンドリンの恋心は荒れ模様。そんななか、ルーシーとポールが盗んだクロノグラフの隠し場所がついに明らかになる。〈監視団〉メンバーやいとこのシャーロットの目をかいくぐり、若き日の祖父の協力のもと伯爵の陰謀に迫ろうとするグウェンドリンだったが、相棒・ギデオンとの関係はこじれたまま。〈監視団〉はメンバーの中に潜む裏切り者の正体を暴くため、十八世紀の舞踏会に二人を送りこむ計画を進めていたが……。

以下、ネタバレありの感想です。

 

伯爵の陰謀を暴かないといけないはずなのに、ギデオンのハニトラ発覚のせいでそれどころじゃない心理状態のグウェンドリン。

さすが恋愛脳。
そこがグウェンのティーンらしい可愛さでもあるのですが、こんな状態のグウェンをしっかり相手してあげるレスリーはガチで良い友達だと思うんですよね。「マジパンのハート」のくだり、たとえが可愛すぎて死ぬかと思った!

 

ギデオンの心がどこにあるのかはともかく(一目瞭然だと思うけれど)、恋心に翻弄されっぱなしでは話が進まない。
というわけで、上巻では悲しみを引きずりながらもなんとかタイムトラベルを繰り返すグウェン。
その相棒となるのがおじいちゃんであるルーカスなのです。

上巻だけみると、ギデオンよりよっぽどグウェンのパートナーとして大活躍してました。
おじいちゃん、若いんだけどちゃんとおじいちゃんっぽい可愛さと包容力があって大好きですw

 

もっとも、下巻に入ってグウェンと想いを通じ合わせてからのギデオンの存在感は流石の一言。
互いに疑心暗鬼だったこれまでとは打って変わり、愛と信頼に支えられたバディっぷりに大興奮です。これが見たかったんだ!!
見たかったんだけど・・・・・・予想以上にいちゃいちゃしまくりで衝撃。所構わずキスしちゃって!けしからん(もっとやれ)

すごくニヤニヤしたけれど、グウェンの恋愛脳が暴走してる感じには、大丈夫かなこの子・・・って心配になりました(「あたしが変なキスをするせいなんでしょ?」のシーン。バカかお前そんな場合か!って素で突っ込んでた)。

 

それにしても味方になると本当に頼もしいなー、ギデオン。グウェンのメンタルケアまで完璧ですし。
恋愛脳こじらせまくった発言へのフォローすらイケメンとは恐れ入る。

 

グウェンとギデオンが完全なパートナーとなってからの大奮闘はすごく良かった。
あちこちの時間を超えて、伯爵の陰謀と予言の秘密に迫っていくふたり。
グウェンの出自に隠された秘密と彼女の特異性には驚きましたが、それも含めて下巻ではあれもこれも伏線だったのかと感嘆することが多かったです。もう一度最初から読み返さねば。
伯爵の正体を分かった上で彼の登場シーンとか、ギデオン負傷事件のくだりとか、伏線が回収された瞬間の爽快感が素晴らしかったです。

 

終盤はまさに怒濤の展開といった感じで、グウェンとギデオンの「天才的な計画」が成功するのかハラハラしっぱなし。
無事にハッピーエンドに着地できて本当に良かったです。
まぁ、ラストはややあっさりめでしたけどね。監視団のメンバーについてもうちょっとフォローがほしかったかも(ホワイト先生とか)

 

ユーモアにあふれた、とてもチャーミングなファンタジーでした。
海外ティーンエイジャーの恋の物語としてもすごく楽しかったです。次回作も翻訳されるといいなぁ。

 

余談。
特に何もフォローがなかったんですけど「不死身」=不老不死なんです?
あれしか方法がなかったとしてもギデオンの覚悟はすごいですね・・・・・・

 

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