桜嵐恋絵巻2〜10巻(完結巻)/深山くのえ


桜嵐恋絵巻―雨ひそか (ルルル文庫)
桜嵐恋絵巻―雨ひそか (ルルル文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

1巻の感想はこちらから


シリーズ総評:★★★★★
呪いと家の問題に翻弄される姫君と青年貴族の恋を情感豊かに描いた平安版ロミジュリなラブロマンス。
とても素晴らしかったです。こんな素敵な少女小説を一気読みできて幸せ。
桜のように美しく儚く見えたのに少しずつ強くなっていくヒロインも、そんな彼女を振り回す嵐のようなヒーローも、どちらもとても魅力的。
平安時代特有の面倒ごとに対するヒーローの型破りが爽快で、一度決めたことは絶対に貫き通す彼の信念が眩しい作品でした。そして、それを信じ支えるヒロインの健気な想いに胸を打たれるのです。
全10巻で間延びすることなくテンポ良く進む良質なシリーズでした。文句なしに名作入り!

以下、各巻の感想です。

☆あらすじ☆
家同士の軋轢の中、詞子を守るため雅遠は!左大臣家の源雅遠と右大臣派藤原家の詞子姫は、家同士の軋轢の中、密かに想い合う仲に。ある日、二人の関係が雅遠の乳兄弟に見つかる。鬼の呪い持ちの姫など許せないというが。雅遠は詞子を守るためある決心を…!?

2008年11月刊。
詞子は自分自身も呪いを少なからず信じていることが本当に痛々しいですね。それだけに迷信を吹き飛ばして快活に笑う雅遠にこちらまで救われた気持ちになるのですが。
「国中の呪いを背負ってたって」はとても素敵なセリフでした。
それにしても雅遠の出来損ない扱いにも裏がありそうな感じ?
ロミジュリなふたりの恋は雅遠自身の出世にかかっているというのは好みな展開でした。自分のことは諦め気味だった彼にもここらへんで是非とも頑張ってほしいところ。
そして保名と葛葉はやはりそうなるんですねー。もはや葛葉がほんとに狐だと言われても何も驚かない。

 

☆あらすじ☆
2人の想いは深まるばかり! 平安ラブロマン。源雅遠と詞子姫は、深い想いで結ばれているが周りには秘密の仲。家同士の軋轢と詞子にかけられた呪いのせいで。しかし雅遠は詞子を正式に妻にすべくついに出仕することに! そんな時、雅遠に結婚の話しが持ち上がり!?

2009年7月刊。
雅遠が出仕し始めたことにより、宮中へと舞台が広がって物語がさらに面白くなってきました。やっぱり政争や陰謀が絡むと読み応えが出てきて良いですね。
縁談撃破に燃える雅遠は格好良かったし、父に頼らない出世の道もみえてきてさらに面白くなりそうな予感。
雅遠と詞子も互いを支えあいつつ糖度増しててにやけてしまいました。
しかし、弟はもしかしなくてもツンデレなのか…?

 

☆あらすじ☆
甘い愛がいっぱい平安恋絵巻!予言がびたりと当たるという美僧が現れ、都中の女房が彼の虜に。そんな中、今度は母から雅遠に結婚話が持ち上がった。詞子に内緒のまま破談に持ち込もうとするのだが…。一方、艶子が詞子に真実を教えろと迫り…!?

2009年10月刊。
またも雅遠が縁談クラッシャーに。
父より母が強すぎてどうなることかと思ったものの、そもそもロクな縁談が残ってないから問題なかったという・・・・・・。えぇー・・・。
そして宮様の縁談分析がすごすぎて正直引きましたw 良い人なんだけどなぁ。宮様。
美僧の話は真相にやるせない気持ちに。この作品に出てくる父親どもは本当に最低揃いですね。
それにしてもあれだけ憎たらしかった妹と弟がだんだん可愛く見えてきたぞ?和解できるのでしょうか。

 

☆あらすじ☆
詞子(ことこ)と雅遠(まさとお)が桜の下で出会ってから1年。秘する恋とはいえ互いに愛しさは増すばかりで、雅遠は本気で結婚を申し入れていた。だが、詞子は鬼の呪いがある以上結婚は無理だと頑(かたく)ななままで……。その頃、宮廷では左大臣と右大臣の権力争いが激しくなり、詞子と雅遠の家の確執は深まる一方。そんな中、雅遠は詞子を呪いから解放すべくある秘策を講じた! 2人に幸せな愛の進展はあるのか……!?

2009年12月刊。
季節が一巡。ここで結婚なんですね。
もうちょっとかかるかと思っていましたがシリーズ的には良いテンポなのではないでしょうか。
それにしても艶子との縁切りシーンはなんだか切ない。このまま断絶は寂しいのでどこかで関係を修復できないものか。
雅遠と利雅の方は弟からブラコンっぽさが滲みでてきたのできっと大丈夫なのでしょうけれど。
それにしても今まで以上に糖度高かったです(当然か)。冒頭で雅遠をからかえるくらい強くなった詞子は微笑ましかったし、覚悟を決めたことでサッパリした感じも素敵。良い夫婦になりそうだけど障害はまだ多い様子。
一瞬名前が出てきた叔父の存在がなんだか不穏・・・・・・

 

☆あらすじ☆
互いの家に秘密とはいえ、やっと結婚した詞子と雅遠。 妻、旦那様と呼び、愛し合う幸せをかみしめる二人のもとに、詞子の叔父が乗り込んできた! 愛を貫き詞子を守ろうとする雅遠の身にも思わぬことが起き…!?

2010年4月刊。
上下巻構成の上巻。
いよいよ淡路の話かと思いきやまさかの急展開でした。
そこで認めちゃうのかと冷や汗ものでしたが、偽りたくなかった雅遠の気持ちを考えると愚かだとは言えないなぁ。そこが彼の魅力なわけですしね。
しかし予想以上に親バレが早かったのも事実。もうちょっと新婚の甘さを満喫できるかと思ったのに容赦ないですね。
途中の泣きそうな雅遠につられて私まで半泣きになったじゃないですか。なんだかんだいっても雅遠が家族に期待するのは仕方ないとも思えるし・・・・・・。
最後の展開がまた衝撃的。どうなるんですかこれ。もうほんと親父は呪われてくれないですかねぇ。
瑠璃と玻璃の有能さが地味に癒やしでした。

 

☆あらすじ☆
思いを成就させた詞子と雅遠に、暗雲立ちこめる!?なんと、詞子が、何者かに拉致されてしまったのだ。詞子が、どこに行ったのか見当もつかない雅遠と、自分がどこに閉じ込められているのか、まったく分からない詞子。二人を引き裂きたい詞子の父親の仕業なのか…!? そんなある日、詞子は、自分が遠く伊勢に送られてしまうことを、聞いてしまう。このままでは、雅遠と引き離されたまま一生会えなくなってしまう可能性も出てきてしまったのだ。雅遠に見つけてもらえなければならないのに、何の手立てもないまま日は過ぎて行き…。

2010年7月刊。
面白かった!!
本当に呪われていたのは誰なのか良く分かる内容でしたね。というか自業自得すぎる。
ロクでなしの親としょうもない親バカのコンビに最高にイライラしたものの(もちろんワガママ姫にも)、これまで雅遠と詞子が作ってきた縁がふたりの窮地を救ってくれるというのにとても感慨深くなりました。人柄って大事だよなぁ。
ふたりの再会シーンとエピローグの甘々新婚生活にほっと安堵。
詞子側の問題はクリアしたから残すは右大臣と東宮問題でしょうか。
そして爽信さんはやはり還俗するのか。出家したら縁が増えたっていうのは笑いましたw

 

☆あらすじ☆
ルルル文庫人気ナンバー1シリーズ「桜嵐恋絵巻」の第8弾!いよいよクライマックス!!親の反対を押し切って結婚した詞子と雅遠。周りに左右されず穏やかに愛をはぐくんでいく。そんな中、雅遠の父親が詞子に会うことに。いよいよ、二人の結婚は、許されるのか・・・?それとも茨の道は、まだまだ続くのか・・・? そして、右大臣家、左大臣家の勢力争いに決着がつく!?。雅遠と詞子の運命を決める大事件が起こるのだが・・・。

2010年11月刊。
クライマックス突入と言うことで一気に話が進みました。今回も面白かった。
もはや不憫に思えるくらいしょんぼりする父親たちになんだか苦笑い。
あれだけ手強い親世代をどうするのかと思っていたけど、まぁガードが緩んだときに一気呵成に攻め込むしかないですよね。
そして利雅は兄と似たようなシチュエーションで・・・・・・。そうか。美人に弱いのは親子3人揃ってそうなんだなぁと普通に笑っちゃいました。
とりあえず五の宮の「美人だったから丸め込まれたのだろう」という推測は大正解としか言いようがないですね。さすがです。

 

☆あらすじ☆
大人気シリーズ最終巻!感動のラスト時は平安。きらびやかな貴族文化が花開く時代。詞子と雅遠の恋は、大輪の花を咲かせられるのか・・・?あらゆる困難を乗り越えてきた詞子と雅遠。最後に待ち受ける大きな壁は、雅遠の母親と姉妹に詞子との結婚を認めさせること。せっかく温めてきた運命の恋だから、みんなに祝福されて結ばれたい・・・。 しかし、そんな折り、ナゾの人物による陰謀が雅遠の前に立ちはだかる。なんと宴の最中に屋敷に矢が放たれたのだ。危うく雅遠に刺さるところだった、その矢。いったい何者の仕業・・・?詞子にかけられた「呪い」のせいで、雅遠と詞子は、幸せになれないのか? 最後まで息をつかせぬドラマチックな物語!2人に待ち受ける感動のラストは、必見です!!

2011年2月刊。
素晴らしい大団円。
五の宮から雅遠を任す言葉に詞子が涙ぐむシーンは私も涙ぐんでしまいました。
大変な道のりを歩んできたからこそ、幸せな結末にあたたかい気持ちになれるものですね。
呪い関連も色々と真相が発覚。最後まで本当に父親の愚かさが残念でした。というか、いくらなんでもそそっかしすぎる。
一方で、兄姉への葛藤を抱えた弟妹の変化に作中での時間の流れを感じたり。あんなに穏やかに「振り回されたね」と笑い合えるなんてなぁ。感慨深い。
利雅の苦手意識の理由にちょっと笑ったけれどこの二人もうまくいくといいですね。次の短編集に期待。

 

☆あらすじ☆
大人気シリーズ「桜嵐恋絵巻」の番外編。9つの恋物語を収録した短編集。恋がはじまったばかりの詞子と雅遠のちょっぴりドキドキのエピソードや、詞子に一途に仕えてきた女房・葛葉と雅遠の乳兄弟・保名の恋、そしてあの平安の色男・敦時が、いよいよ年貢を納めるのか・・・?桜嵐を彩った魅力的な登場人物達が織りなす煌めく恋の物語たち。詞子と雅遠は、「ただ2人寄り添い幸せに生きていくこと」という願っても届かなかった想いを叶え、幸せな家庭を築いていたーー。詞子と雅遠の後日の話は桜嵐ファン必見!穏やかな、何気ない日常、それが最高の幸せだと気づかされます。一つ一つの物語が胸にしみる、短編集。これが「桜嵐恋絵巻」の本当の最終巻です。

2011年5月刊。
しっかり大団円を迎えた本編のその後を描く後日談短編集。良い余韻を味わえて大満足の1冊でした。
「絵遊び」「猫と勝負と膝枕」「蛍のゆめ」「夏衣」
結婚前の詞子と雅遠を描く4本の短編。甘々です。この糖度がとても美味しい。あとがきで「夏衣」の収録に物議をかもしたと書いてありましたが、うん、なんか、納得。とても色っぽいです。というかこれ結婚前の話ですよね?確かに一緒に寝てたけど、寝てたってそういうことだったの???
「今日をその日と」
気になっていた葛葉と保名の恋についてやっとフォロー。この二人、良い感じなのに全然関係が進まないと思っていたら、まさかのすれ違いっぷりに驚きでした。葛葉がそのつもりだったなら、そりゃ関係も進まないよねって。
「初雪」
恋が多すぎて地味にトラブルメーカーだった敦時のその後を描いた短編。
宮様、以外にもあの一件は心に傷を受けてたんですね。1巻で恋について雅遠に講釈垂れてた人の変わりっぷりにも、このシリーズの中での時の流れを感じました。
「昔語り」
五の宮と左大臣の結婚裏話。
左大臣、終盤で一気に好感度あげてきて憎めないキャラになったの、本当に意外でした。
五の宮の「だから見栄っ張りは困る」発言は笑うしかないですね。
「わかくさの」
艶子と利雅のエピソードきたーーー!!
気になっていた二人だったので、恋の結末を読めて嬉しいです。そしてこちらもロマンチックで素敵。
一夫多妻が基本で、割と恋に奔放だったらしい平安京だからこそ、「結婚」という言葉の重みには個人差がありそうですよねぇ。
詞子や雅遠と同じくらい親によって色々と大変だった二人なので、幸せになってほしいものです。
「花のころ」
子どもが大きくなった未来の話。
色々思うところはあれど、とりあえず子どもたちの幼名はそれでよかったんですかww
雅遠は「鬼」という響きを気に入っちゃったのではないか(中二的に)と思わずにいられない。

 

最初から最後まで余すところなく楽しめる素敵な少女小説でした。
私の中で名作入り。本当に面白かったです。

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