ふあゆ/今慈ムジナ


ふあゆ (ガガガ文庫)
ふあゆ (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2016年5月刊。
第10回小学館ライトノベル大賞「優秀賞」受賞作。
もうこれめっちゃ好きなやつじゃないですかー!!
ハシビロコウ頭の怪人が引き起こす連続惨殺事件に、他人の顔を認識できない少年が巻き込まれていくという内容の現代怪異譚。
予想がつかない展開の数々は最後までハラハラさせて面白かったし、軽薄に見えて繊細な主人公をはじめとしてキャラもすごく良かったです。
そして主人公の恋に関してはピンポイントで好きなアレだ!
嵌まる人はめちゃくちゃ嵌まるタイプの作品で、私はめちゃくちゃ嵌まった人ですね。
物語は一応綺麗に終わっていますが、シリーズ化に期待しています。

☆あらすじ☆
本当の自分を探す、新時代の黄昏怪異譚。心因性相貌誤認症――他人の顔を誤認識してしまう病を抱えた少年・龍胆ツクシ。曖昧な世界を生きる彼だが、犬頭の祖父、ガゼル頭の幼馴染、絵画頭のクラス委員長、貝類頭の後輩に囲まれながら、平和な日々を送っていた。ひょんなことから、ツクシは連続猟奇殺人事件の現場を目撃してしまう。そこに佇んでいたのは、ハシビロコウ頭の怪人。もちろん警察に通報するのだが、彼の証言が信用されるはずがなかった。自身の役立たずぶりを改めて実感しながらも、彼は「自分にできることはなにか」を考え始める。そんなとき、夕焼け色をした怪異の少女が目の前に現れる。ツクシが久しぶりに認識した自分以外の顔は、記憶の中のとある少女と瓜二つのものだった。奇妙に思いつつも、懐かしいその顔に、彼はつい気を許してしまう。「ジブンタチはジブンになりたいのー、なのでジブンを教えてください!」本当の自分を探すという怪異の少女との出会いをきっかけに、彼の世界は徐々に変化していく――。ゲスト審査員に渡 航を迎えた、第10回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。気鋭のクリエイター・しづがイラストを担当。自我と認識の問題を巡る、新時代の黄昏怪異譚がここに。

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公は、人の顔を犬や貝や絵として認識してしまう心因性相貌誤認症を抱える高校生・龍胆ツクシ
そんなツクシの目から見たシュールな世界の中を物語は進んでいきます。

 

現代怪異譚というだけでも好きなやつなのに、この物語は私の好きな要素がぎゅっと詰め込まれていて本当に最高でした。

 

まず、怪異が引き起こす連続猟奇殺人事件の謎を追う物語としてスリリングで面白かったです。
ハシビロコウ頭の怪人が次々に生み出していく惨殺死体の山。
そこに主人公の親しい人が加わってからの展開はまさにジェットコースターさながらでした。
どこで「まっちゃう、まっちゃう」のセリフが聞こえてくるのかと終始ビクビク。
「八百万対策課」の登場でいざ反撃開始!と思った直後の惨劇とか、一度本を閉じましたもん。あ、これヤバイ展開だ・・・っていう冷や汗をぬぐうために。

 

そして中盤から徐々に存在感を増していき、最後は盛大に狂気を振りまいた事件の黒幕も凄かった。
なんて歪な動機なのか・・・・・・。お爺ちゃんの件が酷すぎてまた涙。
こんな奴を相手にどんな結末を迎えるのか全く予想できず、最後まで本当にハラハラさせられました。

 

そんな残酷な怪異事件を必死に駆け抜けたツクシはとても魅力的な主人公。
ダジャレまじりの軽薄な語り口は苦手なときもあるのですが、この作品は大丈夫でした。むしろ独特のリズムが心地よかった。
テキトーすぎる言葉の裏にツクシが必死に隠し込んでいた感情が透けて見えて、そのギャップがまた印象的で好みなんですよねぇ。
ジュゲムと初めて出会うシーンで、彼女の姿を見て涙がぽろりと零れるところとか、後で読み返すとまた感慨深い・・・・・・。
飄々とした彼のセンチメンタルな部分が見えるたびに胸が締め付けられそうでした。

 

ツクシとジュゲムのコンビも可愛くて良かった。
人を認識できないツクシと、人に認識されないジュゲム。
互いの性質が良く噛み合っていて、コンビとしてうまく回っていたと思います。
それが最後のオチにつながるところも纏め方が綺麗で良し。
泣き虫なツクシに寄り添うジュゲムの天真爛漫さが、残酷にエグい物語の中で数少ないオアシスでした。

 

そして何より忘れてはならないのが幼なじみモノとして最高だったこと!!
「大好きなあの子と同じ顔」のジュゲムを見て、タクミが「なんでジュゲムは、」と言った瞬間にテンション跳ね上がりました。
あと病気に対するツクシの焦りにある本当の理由が分かったときにも萌え転がざるを得なかった。将来に不安を感じていたのはそういうことかと!
もうなにこれ、私がすごく好きなやつじゃないですか。大好きな幼なじみのために頑張る主人公とか。最高ですか。ありがとうございます。

 

ヒロインのタクミがまた格好いいんですよねぇ。
良いタイミングで登場して、抜群の理解力と包容力をみせて、クールに去って行くんですよ・・・・・・イケメンすぎる。
たっくんにあしらわれて幸せそうにするツクシを見ているだけで和みました(幸せそうに笑いつつ寂しそうなところもまた良い)

 

あまりにもツクシがたっくん大好きだったので、これはもしやフラグかと最後まで不安だったんですけどね。
「最悪は、最悪だと思ったあとにやってくる」という言葉がさらに不安を煽るので・・・・・・。

 

でも良かった。本当に救いのない「最悪」は防げて本当に良かった。言葉の続きが沁みますね。
完全なハッピーエンドとまではいかなくても、未来の可能性を感じる結末を読んでようやく肩の力を抜くことができました。

 

とても面白かったです。これシリーズ化するかな?
ここで終わっても綺麗ではありますが、続きが出たら嬉々として買うと思います。続くならぜひジュゲム復活を・・・!
次回作でも楽しみです(^▽^)

 

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「ふあゆ/今慈ムジナ」への4件のフィードバック

  1. 記事には関係ないですが報告です!
    今日はアニメ版のカバー目当てでリゼロの1巻を買ってきました(笑)

    いまのところ1巻は大丈夫ですが、これから?もweb版を読まなくても大丈夫ですかね?(汗)

    あと、アニメのエミリアたんまじでE.M.T(合ってるのか……)ですね

    1. 茶一こりんさん、コメントありがとうございます。

      アニメ版のカバー!そんなものがあったんですね!!

      「WEB版を読まなくても」というのは書籍版のみで大丈夫か、ということでしょうか??
      私は書籍版のみでWEB版未読ですが、最新刊まで読んでる感じだと問題ないですよ〜(^^)

      アニメはまだ2話までしか見れていないのですが、エミリアの可愛さは本当にやばいですよね!
      エミリアたん・マジ・天使(E.M.T)で合ってますよw

      1. 書籍のみでということであってます!
        ありがとうございました!
        夜遅くにすいません(泣)

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