チョコレート・ダンディ 〜可愛い恋人にはご用心〜/我鳥彩子


チョコレート・ダンディ 〜可愛い恋人にはご用心〜 (コバルト文庫)
チョコレート・ダンディ 〜可愛い恋人にはご用心〜 (コバルト文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2016年2月刊。
「あしながおじさん」をモチーフにした、青年貴族と孤児の少女の物語。
コミカルなシンデレラストーリーとして楽しめる作品でした。一見するとシリアスな展開も明るくサクサク進むのでとても読みやすかったです。
そして自立心が強くて前向きなヒロインに好感をもちつつ、こじらせ残念系のヒーローに不遜萌えw
この面倒くさい可愛さはクセになりそう。
6月発売予定の2巻も楽しみです!

☆あらすじ☆
公爵家の嫡男オスカーは、金と身分が目当ての女達に絶望していた。そんな折、友人のユーディに唆され、小説家志望の少女アデルを匿名で支援するという賭けに乗ってしまった。欲しい物をすべて与えて、アデルが堕落すればオスカーの勝ち。甘えずに夢を叶えたらユーディの勝ち。ところが、贈り物攻撃にまったく興味を示さないアデルに、オスカーは戸惑いながらも興味をひかれてしまい…?

以下、ネタバレありの感想です。

 

身分も財産も持っているために、ソレ目当ての女ばかりが寄ってきて女性不信をこじらせていた青年貴族オスカー
そんな彼を案じる友人ユーディによって、オスカーは孤児の少女アデルを援助し、アデルが贅沢に溺れるか自分を律することができるかという賭けをすることになるのです。

モチーフとなった「あしながおじさん」は遠い記憶すぎてあらすじしか覚えていないのですが、それはそれ、これはこれで楽しめる作品だったと思います。

 

第一話「賭け事にはご用心」はオスカー視点の物語。
アデルに惹かれそうになるたびに、これは計算なのではないかといちいち疑心暗鬼になるオスカーは本当に面倒くさい男だと思います。
たしかに純情なんだろうなぁ。女性に失望するたびに「こんな女はいやだ」という形で理想をこじらせているような・・・・・・これは確かに早くなんとかしないと。

 

そんなこじらせオスカーの心を開いていくアデルからの手紙。
内容はユーモアに溢れていて、彼女の魅力がぎっしりと詰まっているかのようでした。私もこんなお手紙が書けるようになれたらいいのに!
「チョコレートおじさま」というネーミングセンスが可愛すぎなんですよねぇ。

 

「チョコレートおじさま」という正体を隠したままアデルとの逢瀬を重ねていくオスカー。
彼の想いを理解するにはアデルはちょっと擦れていなさすぎるよなぁ、と思っていたらラストが斜め上の急展開で楽しくなってしまいましたw

この貪欲な作家根性は頼もしい。が、オスカーはきっと苦労するに違いない!

 

その予感が半分当たって半分外れることが分かる第二話「夏の恋にはご用心」第三話「家族愛にはご用心」もとても面白かったです。
どちらも童話モチーフらしいのですが第二話がシンデレラだとして、第三話は何だろう?同じくシンデレラ?「お守り=ガラスの靴」ということなのでしょうか。でも、もっと何か似たような童話があったような・・・・・・。

 

それはさておき、二話三話ではアデル視点が多くなり、彼女のポジティブさがよりはっきりと伝わってくるエピソードでした。
特に印象的だったのは偽家族が大量にわき出てきた第三話で

そうよ、人生において、こんなに大勢の家族が現れる人なんている? 私は不幸な孤児だけど、見方を変えれば、世界一大家族の娘だわ!

と発想を逆転させる場面。

どんなに落ち込むことがあっても全て小説のネタにしよう、不幸を不幸のままで終わらせるのは悔しいから、と前向きに物事にあたるアデルの姿勢には頭が下がるばかり。
それは彼女の強がりでもあるのかもしれませんが、そういう考え方を心がけて自分に馴染ませようとするアデルは強い女の子だと思うのです。誇り高さがとても素敵。

 

そんなアデルのポジティブさがあるから、厄介な身分をもったオスカーは振り回されつつも救われるのでしょうね。バランスのとれた良いカップルだよなぁ。

 

他国の革命でゴタゴタしたり、身分差の問題があったりと騒がしいトラブルを交えつつ、基本的に明るく楽しいラブコメだったと思います。
とても良い少女小説でした。

アデルとオスカーの恋は綺麗にまとまったと思うのですが(オスカーのレース編み未来までちらっと出てきましたしw)、6月に2巻が出るとのこと。
オスカーは話が続くほどに残念っぷりが増していきそうな期待予感がありますが、続編を楽しみに待ちたいと思います。

 

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「チョコレート・ダンディ 〜可愛い恋人にはご用心〜/我鳥彩子」への2件のフィードバック

  1. 3話目のモチーフは白雪姫ではないかとー
    継母(じゃなくて本妻ですが)に森にやられたけど命じられた森番がこっそり助けていた、くらいですが肝の部分ではあったので…
    他の本の感想から流れてこちらを見ておもしろそうだな読んでみましたら大変おもしろかった、ありがとうございました(・∀・)(←)

    1. 通りすがりさん、コメントありがとうございます。

      なるほど、そこに注目すると確かに「白雪姫」っぽいですね。
      「本物の家族」当てばかりに気を取られていたので思いつきませんでした(>_<)ブログの感想がお役に立てたなら嬉しいです〜。この本、面白いですよね! いよいよ明日、2巻が発売されるのでとても楽しみです(^o^)

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