図書館の魔女 第一巻・第二巻/高田大介


図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)
図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2016年4月刊。初出は講談社2013年8月刊。
第45回メフィスト賞受賞作を4分冊で文庫化。
権謀術数に長けた「図書館の魔女」マツリカと、話すことができない彼女の手話通訳となった少年キリヒトの物語。
「原稿用紙3000枚の超弩級ファンタジー」を売り文句としているだけあって、とても重厚な作品です(内容的にも物理的にも)
完全なファンタジー世界での権謀術数ものなのですが、情報量の膨大さに圧倒され(言語の話とかも難しい・・・)、第一巻は正直読むのがとても大変でした。
しかしそれらに慣れストーリーも動き始めていくにつれ、どんどんこの物語の面白さに惹き込まれいくことに。この読み応えは凄まじいものがあります。
声に持たずとも雄弁に語るマツリカと、鋭敏な感覚をもって彼女の「声」となっていくキリヒトの主従関係も好み。
彼らに待ち受ける運命とその行方が気になります。

☆あらすじ☆
鍛冶の里に生まれ育った少年キリヒトは、王宮の命により、史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女(ソルシエール)」マツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声を持たないうら若き少女だった。超弩級異世界ファンタジー全四巻、ここに始まる!

以下、ネタバレありの感想です。

 

史上最古の図書館の主である「高い塔の魔女」マツリカに仕えることになった少年キリヒト
物語は、図書館を巡る国内外の陰謀に立ち向かっていくマツリカの知略を描く一方で、次第に親密になっていくマツリカとキリヒトの主従関係に徐々にスポットを当てていきます。

 

個人的には、第一巻のハードルを乗り越えることができれば楽しめる物語なのではないかと思います。

というのも、第一巻はメインストーリーの合間に突っ込まれる情報量がハンパないのです。
必要な情報だとしても量があまりにも多すぎて処理しきれないうえに、そのたびにストーリーが中断されて話が進まないのはなかなか苦しかった・・・・・・。
その情報の内容も、内政・外交・言語解説などなど私の脳みそでは一読で理解困難なものが多くて頭から湯気が出そうでした。

あと度々入る「ここが伏線ですよ!」というアピール(予言めいた書き方というか)はあんまり好きじゃなかったかな。頻繁すぎて。
文章が歴史書っぽくて、なんとなく第一巻はエンタメ小説を読んでる気分が薄かったです。

 

地の文に苦戦しつつも、その内容自体は読み応えがあって面白く、読み飛ばすことを許さない雰囲気に従ってじっくりと読み進めた第一巻。
その中で癒やしとなったのは、少しずつ親密になっていくマツリカとキリヒトの主従関係でした。

特にマツリカが耳目に敏いキリヒトの特性に気づき、彼専用の手話を創造しようと思いついたあたりから、ふたりの関係の変化にワクワクしっぱなし。

膨大な知識と冴えた機転でもって、一ノ谷政界でも多島海諸国でも相手にひるまず策謀をめぐらせるマツリカ。
まさに「魔女」の呼び名にふさわしい彼女が、実は未だ成熟していない「少女」だということにたびたび気づかせるきっかけを作るのがキリヒトの存在なのです。

つないだ手の中で誰にも知られずに語り合うとか、手を取りあって暗闇を探検するとか、お忍びで下町を訪れて食い歩きしたりとか、なんかもうそんな意図はないかもしれないけど私の萌えポイントを突きすぎてにやけるw

 

そんな感じでふたりの関係性を微笑ましく見ていただけに、第二巻終盤の展開はとても切ない気持ちに(´・ω・`)
あそこの心理描写はすごく良かった。
気づかないふりをした涙と、気づかれなかった涙が印象的でした。

 

マツリカとキリヒトがどんな関係を作っていくのか、ふたりにどんな運命が待っているのかとても気になります。
マツリカを狙う「敵」たちも第二巻から派手に動き始めていましたし(実はあの時にすでに、という種明かしは予告されつつも面白かった)、今後さらに大きなうねりを見せてくれることに期待しています。

第三巻・第四巻が楽しみです!

 

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