異世界詐欺師のなんちゃって経営術/宮地拓海


異世界詐欺師のなんちゃって経営術 (角川スニーカー文庫)
異世界詐欺師のなんちゃって経営術 (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2016年5月刊。
嘘をついたらカエルに変えられる異世界に転生した詐欺師の物語。
嘘はつかずにいかに都合良く相手の勘違いを引き出すか、というのは楽しいですねw こういうの好きです。
この巻は序章的な感じで「経営術」要素は薄かったものの、クズい思考で実は良い人な詐欺師主人公が魅力的な作品でした。

☆あらすじ☆
「パイオツ、カイデー!」
日本にその名を轟かせた大詐欺師のヤシロ。悪運尽きた彼が16歳の少年として転生したのは『嘘が吐けない巨大都市』だった。嘘を嫌う『精霊神』により嘘吐きは【カエル】にされてしまう世界だという。偽造通貨所持を疑われ、衛兵に追われて粗末な店に飛び込んだヤシロは、息をのむような巨乳の美少女ジネットになぜか歓待されて――!?
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以下、ネタバレありの感想です。

 

復讐のために詐欺師となり、恨みを買って殺された凄腕詐欺師ヤシロ
そんな彼が転生した先は、精霊神の力によって嘘をつくとカエルに変えられてしまう異世界。そこで食堂を営む美少女ジネットと出会ったヤシロは、彼女の善意を利用しつつ異世界での足がかりにしようと目論んで・・・・・・という感じに物語はスタートします。

 

本作で面白いのは、嘘をついていればカエルに変えてしまう「精霊の審判」と、これまでの全ての会話を参照できる「会話記録」という2つの設定。
「会話記録」によって決して言い逃れは許さず、迂闊なことを口にしたら最後、「精霊の審判」を盾に何でも言うこと聞かせ放題・・・・・・潔癖すぎて悪辣に感じてしまう精霊神のやり口が怖い。私は絶対にこの異世界は嫌だ((((;´・ω・`)))
そんな感じでものすごくゲーム的で逆に詐欺師に都合良すぎない?と思ってしまう設定ではあるものの、これを上手い具合に利用していくヤシロの活躍には心が躍りました。

 

ヤシロの詐術が楽しいのは、ヤシロ自身がなんだかんだで良い人だからでもあるんだろうなぁ。
彼が詐欺師になった理由は十分に同情できるものだし、人の善意を利用しているようにみえて、肝心な部分で善意を踏みにじれないヤシロの程良い甘さが憎めないキャラなんですよね。
もしかしたら転生ついでに若返ったことで甘さが生まれてるのかも(凄腕詐欺師というには非情になりきれていない気がするので)
彼の内心も36歳というには若すぎる気がしますし。
セクハラ発言からはすごくオッサン臭がするんですけど、それでも年齢相応の(経歴を鑑みても)渋みは感じられないというか。

 

そんなヤシロを拾ったジネット。
お人好しが一周回ると詐欺師にだって勝てるのかも?と思わせるラストの彼女の純真さが素敵でした。
まぁそんなんで生きていけるのかとハラハラもしますけど、この子はきっと周囲に助けてくれる人を集められるタイプだから大丈夫に違いない。

 

今回はヤシロがジネットのところで腰を据えるまでを描く序章的なストーリーで、「詐欺」も「経営術」もどちらもあっさりめ。
詐欺については敵が小物すぎるせいかな?もう少し手応えのある敵が登場することを期待したいです。
「経営術」についてはまだまだこれからなのでしょう。次巻以降で貧乏食堂の大改革に挑んだりするのだろうか。

 

何はともあれ2巻を楽しみに待ちたいと思います。

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