倫敦千夜一夜物語2 ふたりの城の夢のまた夢/久賀理世


倫敦千夜一夜物語 ふたりの城の夢のまた夢 (集英社オレンジ文庫)
倫敦千夜一夜物語 ふたりの城の夢のまた夢 (集英社オレンジ文庫)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2016年4月刊。
1年以上間が空いたので心配していたのですが、続きが出てくれて良かった。
貸本屋を営むワケあり兄妹が謎を解き明かすヴィクトリアン・ミステリー第2弾。
前巻よりさらに面白くなってきました。特にラストには思わずニヤリと。

☆あらすじ☆
19世紀末、英国。兄アルフレッドとともに貸本屋“千夜一夜”を営むサラの毎日は、ささやかな謎に満ちている。消える蔵書票。店の片隅でひとり涙する少年。そして兄の旧友ヴィクターとともにでかけたピクニックで若い女性の遺体を発見したサラは、やがてロンドンを騒がせる連続殺人事件に深く関わることになり!?名作文学が鍵を握る、ヴィクトリアン・ミステリー!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

3本立ての第2巻は第一話「夢みる少女と恋する青年」第二話「仔犬と狼のあいだ」を導入として、第三話「ふたりの城の夢のまた夢」で急展開を迎える、という構成。

最初の2本が前振りとなって第三話に続くわけですが、第一話・第二話自体もとても面白かったです。
今も読み継がれる名著が作中のリアルタイムで登場するのも本作の魅力だよなぁと再確認。当時の人々がその本をどう受け止めてきたのかが垣間見えるのは興味深いものです。

 

そんなほっこり系のライトミステリを導入として始まる緊迫の第三話。これが本当に面白かった!

獣に食い荒らされたかのような姿となって、女性が凄惨に殺されていく「ルー・ガルー事件」。
偶然、その死体の発見者となったサラたちが事件に巻き込まれていく姿を描いていくわけですが、このオカルト混じりでスリリングな猟奇サスペンスこそ、まさにヴィクトリアンミステリーという感じでとてもハラハラ楽しく読みました。

 

しかし今回の最大の爆弾は「ルー・ガルー事件」そのものではないんですよね・・・・・・。

歪んだ兄妹の姿を間近でみて、その妹の想いに共感を寄せるサラ。
ラストのサラの心情がとてもほの暗くて、普段の明るく穏やかな彼女との違いにドキッとしてしまいました。

そして、そこから明かされる一つの事実に「うおおおやっぱりそうくるかぁーーー!!!」とテンション爆上げ。

こういう良いどんでん返しを用意してくれるのが久賀理世さんですよね。信じていました。

 

前巻を読み終わった段階では愛し合いすぎな兄妹関係に疑惑の目を持っていたのですが、今回はヴィクターが物語のポジション的に大きなウエイトを占めているようにも見えて「あれ?ヒーローはこっちなの?」と戸惑ってしまっていたんですよね。
ヴィクターは良い奴だけどアルフレッドのミステリアスな色気にはかなわないよなぁと思っていたので、ラストの展開に私はとても満足ですw

 

さて、兄妹の関係も気になるところですが、本題の方もどうなるのか。
今回の件で「グリフォン」とは正面から敵対?
居場所がバレちゃってるような気がするのですが、大丈夫なのでしょうか。

 

とりあえず次巻を正座して待ちたいと思います。3巻は早めに刊行してくれると嬉しいなぁ。

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