我がヒーローのための絶対悪3/大泉貴


我がヒーローのための絶対悪 3 (ガガガ文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★★
2016年4月刊。
最愛の幼なじみを守るための苛烈な闘争を描くピカレスクロマン最終巻。
3巻で完結ということで少し不安に感じていたのですが、読んだ今は「やりきってくれた!」という思いでいっぱいです。控えめに言って最高でした・・・・・・。
次回作も楽しみです!

☆あらすじ☆
悪が身を賭して救おうとした正義のゆくえ。 沖名武尊が二代目ヘルヴェノム卿となり、半年が経過していた。 家族同然の水町佐和子を手にかけ、悪に堕ち続けた事件。月杜MATビルで繰り広げたガイムーンとの激しき闘争。そして旧リヴァイアサンの元幹部である第一種の怪人ビートリガたちとの殺し合い。 それらの苛烈な闘争を経てもなお、争いは終わることなく、さらに激しさを増していく。それらを殲滅し取り込んでいく二代目ヘルヴェノム卿は、名実ともに怪人(オルタ)たちを束ねる絶対悪(アルケマルス)となっていた。 すべてはガイムーンを倒すため。幼なじみである天羽ミアをガイムーンの呪縛から解き放つため、武尊は果てなき闘争を続けている。 一方で、正義の化身として覚醒を続けるミアは本来自身が持ち合わせているヒーローとしての感覚と「正義を行使する」というマインドセットのズレの影響で頭痛に悩まされていた。 そんな止まらない進化を不安に感じているミアの前に、フクロウを模った仮面した怪人が現れ事態を急変させる――。 絶対悪になった少年は果たして最愛の少女を救うことができるのか。そして悪に堕ち続けた武尊の運命は――。青春ヒーローピカレスクロマン、最終巻!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

武尊とミアの哀しい戦いに決着がつく最終巻。
序盤からトップスピードで、壮絶なラストバトルまで一気に駆け抜けてくれました。

 

どんどん「進化」していくミア。
対して、彼女を止めようとする武尊の状況はますます悪くなる一方で・・・・・・。

襲撃するミネルヴァ、暗躍するカーミラ、ついに牙を剥いたイカルガ。
二人の戦いを取り巻く状況もまた混沌としていき、どんどん加速していく物語がどういう結末を迎えるのかひたすらハラハラさせられました。

 

そんな激戦連戦の中で一瞬だけ訪れたミアと武尊の穏やかな時間は、本来こうあるべきだった二人の姿にぐっと胸が苦しくなるもので・・・・・・。
この優しい時間がずっと続く未来がきてくれるように祈っていたのですが(´・ω・`)

 

ラストバトルは壮絶の一言。
武尊の戦い方がまさしく捨て身で泣けてきます。
幻に常に責められるほど重ねてきた罪に苛まれているのに、それでも自分の決めた道を突き進んだ武尊。
本当に格好いい主人公だったなぁ。最後の最後まで、ただミアの幸せのためだけに自分を使い尽くして。初志貫徹なのだけど、つらいなぁ・・・・・・。

 

個人的にはもっと穏やかで幸せな結末を迎えてほしかったのですが、彼は彼の目的をきっちりと果たし、潔く幕を引いたんですよね。
でも潔すぎて逆に喪失感がすごいことになっています。ああ終わってしまったんだ・・・・・・。

 

最終巻は武尊とミア以上に、花音もメインヒロインのひとりとして大きな存在感をみせていました。
武尊にもミアにも寄り添って必死にふたりの幸せをつかみ取ろうとした花音。彼女の闘争が、この物語の中で最も尊いものだったのではないでしょうか。
その結末はあまりにも悲しいものでしたが、ミアの傍に花音が残ってくれたことが個人的にはかなり救いだと感じてもいて。だから、彼女の闘争が報われた面も確かにあるのだと思いたいです。
最終的に主役2人よりも好きになっていたキャラだったなぁ、花音。

 

特撮ヒーローものの醍醐味を取り入れつつ、幼なじみの悲しい闘争を描いた素晴らしいピカレスクロマンでした。
全3巻と短めながら満足感が半端ない。最後まで読めて本当によかったです。

次回作はがらっと作風が変わるとのことですが、楽しみに待っていたいと思います。

 

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